関連
「関連」は「かんれん」と読みます。
[名](スル)ある事柄と他の事柄との間につながりがあること。連関。「―が深い」「―する事柄」「―性」「―質問」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「関連」とは、「ある事柄と他の事柄を結ぶつながりのこと」という意味。「相関関係」よりも日常的に使われていますね。「相関関係」は、一方が変化すると、もう一方も変化するというニュアンスが強いですが、「関連」は、ただ二つ以上の物事が、何らかの繋がりを持っている関係を示しており、意味合いに若干違いがあるので注意しましょう。
因果関係
「相関関係」と「因果関係」は、よく混同されやすい言葉です。まずは、「因果関係」の意味について辞書を引いてみましょう。
二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。犯罪や不法行為などをした者が法律上負担すべき責任の根拠の一つとして、ある行為と結果との間に存在していると認められるつながり。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「因果応報」という四字熟語があるように、「ある行為とそれに対する結果」という関係を指します。
「相関関係」とは、一言でいうと、ある事象とある事象の間に関係性があるという意味です。「因果関係」もその大枠に入っていますが、特に原因とそれによって生じた結果という関係性を指しているのです。
繋がり
「繋がり」の意味は以下のとおりです。
1 つながること。また、つながったもの。「文の―」「意味上の―」
2 結びつき。関係があること。「仲間との―を大事にする」
3 血縁関係。きずな。「親子の―」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「繋がり」も「関連」と同様に、ある事柄と他の事柄を結ぶ関係性という意味です。また、結びつきや関わり合いというニュアンスが強く、対人関係を表すときによく使われる表現です。例えば「他社との繋がりを大切にする」というように使います。
「相関関係」と「因果関係」の違い
「相関関係」と意味や字面が似ているのが「因果関係」。先ほど、言葉の意味を説明しましたが、「因果」とは「原因と結果」のこと。このような結果が起きるということは何かしらの原因がある、という関係性です。形式的に考えると、「原因(要素A)→結果(要素B)」という一方通行の形になります。
反対に、「相関関係」は、2つの要素が、お互いに関係し合っている関係性なので、「要素A↔要素B」という形が成り立ちます。Aが変化すると、Bも変化するということですね。
たとえば、数学が得意な人は理科も得意という傾向があるのは、相関関係と呼べます。計算能力や合理的な思考能力が、数学の問題を解く時にも、理科の問題を解く時にも両方に役立つことであることから、「数学↔理科」という関係性が成り立つわけですね。
しかし、数学で高い点数を取ったからといって、その結果理科の点数が高くなるわけではないため、両者に因果関係はありません。目の前にある問題が、「相関関係」なのか「因果関係」なのか迷った時には、要素AとBに分けて、矢印で関係性を整理してみると理解しやすいでしょう。
「相関関係」の英語表現とは?
「相関関係」は、英語でどのように表現するのでしょうか? 特に、「相関」の表現に悩む方が多いかもしれませんね。「因果関係」の英語表現についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「You can find some correlation」
「相関関係」は、英語で「correlation」と言います。「r」が重なるので、スペルには注意してください。「You can find some correlation」で、「相関関係を見出すことが出来る」という意味になります。
「You can find some correlation, but there isn’t necessarily cause-and-effect relation.」
途中までは、例文1と同じ文章です。後半の「cause-and-effect relation」というワードがポイント。「cause-and-effect relation」とは、「因果関係」という意味です。また、「not necessarily」で「必ずしも~ない」と表現できるので、この例文は「相関関係は見いだせても、必ずしも因果関係があるわけではありません」と意訳することが出来ます。
「We can affect mutual relations.」
「mutual」は「相互の」というニュアンスがあるため、「mutual relations」で「相関関係」という意味になります。「We can affect mutual relations.」は、「私たちはお互いの関係に影響を与えることが出来る」と訳すことが可能です。
最後に
「相関関係」とは、「二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係」のこと。特に「相関関係」と「因果関係」の違いが複雑で混乱したかもしれませんね。イメージとしては、「相関関係」という大きなくくりの中に、「因果関係」という原因と結果の関係性があると捉えると分かりやすいですよ。
この機会に、あらためて身の回りの関係性について振り返ってみると新たな発見があるのではないでしょうか?
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