「隣の芝生は青く見える」とはどういうこと?
「隣の芝生は青く見える」とは、どういうことなのでしょうか。使う場面や英語表現とともに、基本的な意味を確認しましょう。
自分よりも他人がよく見える心理
「隣の芝生は青く見える」は、「自分よりも他人がよく見える心理」を指します。他人が持っているものが、自分の持っているものよりよく思えてしまう反面、自分の持っているもののよさには気が付かず、悪い面ばかり気になるという心理です。ここで比較対象になる他人とは、自分とそう大きく変わらない人です。自分よりよく見える相手でも、大企業の社長や有名人のように大きな差がある相手には使いません。
ちなみにこの言葉、元は「隣の芝生は青い」です。そこから派生して「隣の芝生は青く見える」が使われるようになりました。今では「隣の芝生は青く見える」も一般的に使われています。
英語でも使える表現
「隣の芝生は青く見える」は英語でも使われる表現です。類語も含め、英語では以下のように使います。
・The grass is always greener on the other side of the fence.(塀の向こう側の芝生はいつも青々としている)
・The apples on the other side of the wall are the sweetest.(塀の向こう側のリンゴが一番おいしい)
英語だけでなく、フランス語やイタリア語にも同じ意味の慣用句が存在します。上記のリンゴの例文と同様に、芝生以外のものに例える場合も少なくありません。
どんなシーンで使う?
「隣の芝生は青く見える」「隣の芝生は青い」の使い方を、例文で確認しましょう。
・自分の昇進よりも同期の昇進をうらやましく感じてしまうのは、隣の芝生が青いということなのか
・隣の芝生は青く見えるのか、先輩は才能があるのに自分を卑下してばかりいる
・友人に今の地位をうらやましがられたが、隣の芝生が青く見えるだけだ
同時期に昇進し、それほど差がないポジションや肩書きの同期を、なぜだかうらやんでしまう気持ちを表したのが最初の例文です。二つ目の例文は、自分のよいところには無自覚で、周囲のよいところばかりを見て落ち込む人のことを指しています。最後の例文は、表面上のよいところだけに目が行き、裏での努力や苦労に気付かない友人に対する気持ちを表したものです。
隣の芝生が青く見えてしまう原因
物事を問わず何かと自分を比較したときに、隣の芝生は青く見えます。なぜ隣の芝生は青く見えるのかを知り、自分と向き合うきっかけにしましょう。
相手の持つものがうらやましい
「隣の芝生は青く見える」原因の一つが、「相手の持つものがうらやましい」と感じる気持ちです。このときは、手を伸ばせば届きそうなものに対してうらやましさを感じます。
たとえば有名人が高級ホテルの食事をSNSに上げたときに感じるうらやましさは「憧れ」です。しかし、職場の同僚やママ友などであれば、よりうらやましさを感じてしまう人もいるかもしれません。そこには「嫉妬」や「ずるい」と感じる気持ちが潜んでいるのです。
自分と遠くない位置にいる人が持つものの方がいいものに見えるため、「隣の芝生」なのです。そういった相手が持っているものを自分が持っていないときに、現状への不満の心理が生まれます。
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