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LIFESTYLE 漢字クイズ

2024.02.07

此方は近い場所や方向を指す言葉!さまざまな読み方や例文、類語などをご紹介

 

「此方」は「近称の指示代名詞」といって、話し手の近くの場所などを表す言葉です。「こちら」と読むのが基本ですが、その他にも読み方が複数あります。それぞれ異なる意味をもつため、正しい使い方を知っておきましょう。今回は「此方」の読み方や例文などを解説します。

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意外と読めない!「此方」の正しい読み方は?

「此方」は日常生活でよく使うものの、漢字で表記されるケースは多くありません。そのため、意外と読み方を知らない人も多いでしょう。「此方」はいったい何と読むのでしょうか?正解の前のヒントとして、此方の意味をご紹介します。

「此方」は「近称の指示代名詞」といい、話し手の近くの場所・方向・物を指す言葉です。または、話し手自身のことや、話し手の近くにいる第三者を表す言葉でもあります。さて、意味を知ると、「此方」の読み方が何となくわかったのではないでしょうか?

正解は…「こちら」でした!

【此方:こちら】
[代]
1. 近称の指示代名詞。
(ア)話し手に近い方向をさす。「―を向いてください」
(イ) 話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。「―に来てからもう三年になる」
(ウ) 話し手の近くにある物をさす。「―も御試着なさいますか」
2. 一人称の人代名詞。話し手自身、また話し手の側をさす。当方。「―はいつでも結構です」
3. 三人称の人代名詞。話し手のすぐそばにいる人をさす。同等以上の人に用いる。この人。「―が私の兄です」

(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)

コンパスを持った人

「こちら」以外の「此方」の読み方4つ

「此方」の読み方は「こちら」ですが、実はその他にも4つの読み方があります。

読み方が変わると、意味も少々変わってきます。また、同じ読み方で複数の意味を表すものもあるため、正しく使い分けられるように整理しておきましょう。

「こちら」以外の4つの読み方と意味をそれぞれ解説します。

「こちら」以外の「此方」の読み方
  1. こなた
  2. こっち
  3. こち
  4. こんた

こなた

【此方:こなた】
[代]
1. 近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。「山の―」「静に―を振り向いて」〈二葉亭訳・あひゞき〉「―へ給はらん」〈平家・一一〉
2. 二人称の人代名詞。あなた。「はい、もう何もかも―のおかげでございますから」〈円地・女坂〉「『やや、こちの事か。何事ぞ』『―の御事でござある』」〈虎清狂・禁野〉
3. 近称の指示代名詞。過去または未来の一時点から話者のいる現在へ向かっての時間。
(ア) それからのち。以来。「故君の失せ給ひにし―は」〈源・橋姫〉
(イ) それより前。以前。「嵯峨野の御わたりの―に」〈狭衣・二〉
4. 三人称の人代名詞。今話題になっている人。また、近くにいる人。「まづ―の心見はてて、とおぼすほどに」〈源・夕顔〉
5. 一人称の人代名詞。わたくし。「その衣は―のにて候」〈謡・羽衣〉

(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)

「こなた」は近称の指示代名詞の中でも時間の経過を表す言葉です。「こなた」を使うと、「過去のある地点から現在まで」もしくは「未来のある地点から現在まで」を表現できます。

ニュアンスとしては、過去〜現在の場合は事実を、未来〜現在の場合はまだ未確定なことを伝えるイメージです。さらに、「こなた」には人代名詞としての役割が3つあります。それぞれが表す意味は以下の通りです。

・一人称:話し手(=こちら)
・二人称:聞き手(=あなた)
・三人称:話し手や聞き手以外の人(=第三者)

「こなた」を一人称で使う場合は「こちら」という意味をもちます。二人称として使う場合は「あなた」という意味になり、これは相手に対する敬意を込めた表現です。三人称の場合は「話題の中心の人・話し手の近くにいる人」といった意味合いがあります。

こっち

【此方:こっち】《「こち」の音変化》
[代]
1. 近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。「―の水は甘いぞ」「―が大きい」「足音が―へ近づいてくる」
2. 一人称の人代名詞。話し手自身、または、その周辺にいる人々をさす。こちら。当方。「―が出向く」「―にも考えがある」
[名]
ある事が起こった時から今まで。以来。このかた。「病気が治ってから―、健康には留意している」
〈補説〉近世からみられ、「こちら」よりもくだけた感じの語。

(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)

「こっち」は、後述する「こち」という読み方が転じたもので、主に口頭での会話で用いられます。話し手の方向を表すこちらをラフにした表現というとわかりやすいでしょう。

こち

【此方:こち】
[代]
1. 近称の指示代名詞。こっち。こちら。「―やと言へば、ついゐたり」〈源・若紫〉
2. 一人称の人代名詞。わたくし。わたくしども。「そちが知らずは、―も知らぬぞ」〈虎清狂・文荷〉

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

此方には「こち」という読み方もあります。古事記でも用いられた古い読み方で、他の読み方に比べると使われる機会は多くありません。

「こち」は話し手の方向や一人称として使うのが基本であり、「こちら」や「こっち」と同じような意味をもちます。話し手の方向を表す際は助詞を伴わず、こちだけで「こちらへ」という意味が伝わります。

一人称として使う際は、「私」以外に「私ども」と表現することも可能です。

こんた

【此方:こんた】
[代]《「こなた」の音変化》
二人称の人代名詞。おまえさん。「―の言ふ事があたり申さない」〈滑・膝栗毛・初〉

(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)

此方の4つ目の読み方は「こんた」です。「こんた」は「こなた」の音が変化したもので、近世江戸語という用法に分類されます。有名な「東海道中膝栗毛」に登場するなど、近世江戸期に広く使われた言葉ですが、現代では「こんた」を使うケースは稀です。

「こんた」は「こなた」に由来するものの、「こなた」と違って二人称の人代名詞の意味しかもちません。聞き手に対して「あなた」と呼びかける際に使うのが基本です。

「此方」の使い方と例文

現代において「此方」を使用する際は、「こちら」という読み方で使うことが多いです。「こなた」・「こち」・「こんた」という読み方で使うことはあまりありません。

本来の意味である話し手の方向・人代名詞としての使い方以外では、「此方」の前後に言葉をつけて使うこともあります。例えば「此方こそ(こちらこそ)」や「彼方此方(あちらこちら)」が挙げられます。

ここでは、「此方」の基本的な使い方とともに、「此方」を使った言葉についてご紹介します。

進行方向を指し示す線

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