「父は豪放磊落な人なので、こういった細かいことを気にしない」
この例文は誉め言葉とも取れますが、皮肉なニュアンスにも受け取れます。もし、「小さなことにも細心の注意を払って欲しい」のに、「豪放磊落」な性格だからできない…という意味で使用すると、嫌味になるので気をつけましょう。逆に、嫌味や皮肉で使うことも可能ということになります。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
さて、類語や言い換え表現にどのような言葉があるか、確認していきましょう。
「磊磊落落」
「らいらいらくらく」と読みます。「豪放磊落」の「磊落」の1文字ずつを2回重ねている表現です。有名なボーカロイドの曲の歌詞に使われているので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。「豪放磊落」と同様「心が広く、些細なことにこだわらない」という意味です。同じ意味の言葉を重ねている「豪放磊落」に似ており、同じ言葉を2回重ねて表現することで、ニュアンスを強調している言葉になりますね。
「天空海闊」
「天空海闊」も、「心が広く、何のわだかまりもない」という意味で、「てんくうかいかつ」と読みます。海は広々と広がり、空もどこまでも青く広がっていることを、人の心に例えて使われています。元々は「海闊くして魚の踊るに任す、天空しく鳥の飛ぶに任す(うみひろくしてうおのおどるにまかす、てんむなしくとりのとぶにまかす)」から生まれた四字熟語です。「豪放磊落」に近い表現ですが、豪快さというよりは、心の広さの方が強調されている語彙となります。
「大胆不敵」
「大胆不敵」は、よく耳にする言葉ではないでしょうか。「だいたんふてき」と読み、文学作品をはじめ、マンガや歌などにも出てくるので、意味はなんとなく知っている方も多いのでは。意味は「恐れを知らない、度胸がある」。思い切りが良く、豪胆で、敵を敵とは思わないような行動や態度を取る人に使われます。「大胆不敵」は、意味は「豪放磊落」に近いですが、より度胸や恐れを知らない部分にフォーカスされていると言えるでしょう。
対義語にはどのようなものがある?
「豪放磊落」の対義語はどのようなものがあるのでしょうか。一番対極にある四字熟語は、おそらく「小心翼々(しょうしんよくよく)」でしょう。「翼々小心」と書くこともあり、「気が小さくて、臆病な様子」を指します。
四字熟語でなければ、「繊細」や「神経質」といった単語が当てはまります。「繊細」は「感覚や感情が過敏で、感じやすい」こと。また、「神経質」は「些細なことまで、気に病む」ということになり、どちらも人の性分や性格などに対して使います。どの言葉も「豪放磊落」とは真逆ですね。
最後に
「豪放磊落」について解説してきました。類語や対義語を知ることで、場面によって使い分けができるようになるでしょう。覚えておくと、いざという時に使えるかもしれません。
▼あわせて読みたい