そもそもわだかまりとは?
悩みの種は人付き合い… そう考える人は多いでしょう。生きる上で欠かせない人付き合いですが、ときにはトラブルになることも。すぐに解決できればいいのですが、そうはいかないこともありますよね。
特に厄介なのは、わだかまりが残ることですが、この「わだかまり」とは何を指すのか、意外と知られていません。まずは意味をチェックしていきましょう。
誰かに対して不信感や不満があること
わだかまりとは、心の中のしこりとなっている重苦しくいやな気分のこと。特に、不満・不信・疑惑などの感情を指します。相手に対する不信感や不満を抱きつつ、口に出せずにモヤモヤとしている心境を表す際に使われることが多いでしょう。
わだかまりの漢字表記は「蟠り」。蛇がとぐろを巻いている状態を表します。心がぐるぐるとねじれて重苦しい状態になっているさまを、蛇のとぐろに重ねているとされています。
わだかまりにより人間関係が壊れることも
わだかまりを放置すると、相手に対する不満がどんどん膨らみ、人間関係を破壊することにもなりかねません。そもそも、わだかまりは無関係な人との間には生じないもの。家族や友人、知り合いなど身近な人との間に生まれることがほとんどです。
わだかまりが生じると、いがみ合ったり、疎遠になったりすることでしょう。特に深刻なのが、パートナーです。2人の間はギスギスして、相手の存在がストレス源になることも。それが仕事に影響すれば、評価を下げてしまうでしょう。解消できない場合は、別離を選ばざるをえないということも。お互いに傷つくことになりそうです。
わだかまりの類語
わだかまりの類語を見ていきましょう。「懸念」「凝り」「気がかり」を紹介します。
「懸念」
「懸念」とは、気に掛かって不安に思うことという意味。「けねん」と読みます。気になることがあり、それが心から離れない状態を表す際に使われています。わだかまり同様、人間の心理状態を表す言葉といえるでしょう。「懸念する」「懸念がある」のように用いられています。
「凝り」
物事が片づいたのに、そのあとまで残るわだかまりや、重苦しくていやな気分を指すのが「凝り」です。読み方は「しこり」。「凝りが残る」「凝りがある」のように使うことが多いでしょう。「しこり」「シコリ」のように平仮名やカタカナで表記することもあります。
「気がかり」
「気がかり」とは、どうなるかと不安になり、その不安が心から離れないことを意味する言葉。「気掛かり」と書くこともあります。「気がかりなのは…」「気がかりだ」のように使う言葉です。
わだかまりを使った例文
わだかまりという言葉の使い方を見ていきましょう。例文を紹介しますので、参考にしてくださいね。
《例1》お互いの心にわだかまりが残らないようにするには、納得いくまで話し合うのがいいと思う
相手に対して不満や不安があるのに、それが解消されないままになることを「わだかまりが残る」といいます。例文は、わだかまりが残るのを避けようと、「納得するまで話し合う」ことを提案するさまを表現しています。
《例2》わだかまりが生まれたのは、彼女の言動に違和感を覚えたからです
相手に対して不満や不安、疑念を抱くようになることを「わだかまりが生まれた」と表現します。例文は、彼女の言動が信じられなくなり、不満を持つようになったことを表しています。
《例3》彼との関係を解消したのだから、もうわだかまりを捨てなさいと親友に指摘された
「わだかまりを捨てる」とは、相手に対する不満や疑念を消し去ることを意味します。彼との関係を解消したなら、気持ちを切り替えて前進しようと親友に促されたことを表す例文です。
わだかまりが生まれるのはなぜ?
わだかまりが生まれるのは、相応の出来事が生じるからです。たとえば、期待を裏切られる、嘘をつかれる、相手の言動に失望するなどが引き金となるでしょう。ここからは、わだかまりが生まれやすい原因となるケースをいくつか紹介します。
裏切り行為があった
お互いに信頼し合っているはずが、片方の裏切りにより大きなわだかまりを抱えてしまうケースは少なくありません。そうなると、関係修復は難しいことが多いでしょう。
恋愛関係で多いのは、浮気や不倫です。理性で相手を許そうと思っても、感情レベルでは納得できず、ふとした瞬間に怒りが沸く、落ち込んでしまうということもあるかもしれません。「この人に裏切られた」という不信感が、心の奥底に残り続けているのです。
人と比較することによって
優秀な誰かとパートナーを比較して優劣をつけ、それがわだかまりになることも。たとえば、自分の上司と他部署の上司を比較し、なぜ自分の上司はうまく対処してくれないのかと考えてしまいます。
あるいは、パートナーを誰かと比べて、モヤモヤを抱くことも。「◯◯さんのパートナーよりも稼ぎが悪い」「家事協力がない」のように感じてしまい、わだかまりが大きくなるのです。
期待通りにいかないとき
期待通りにいかないときも、わだかまりが残りやすいでしょう。「体調を崩しているのにパートナーが無関心」「失敗したときに先輩がフォローしてくれなかった」などがあると、たちまち不信感を持つことになります。それがうまく解消されないと、わだかまりになることも。
パートナーや家族が自分の期待通りに動いてくれないのも、わだかまりになりやすいでしょう。「家のことを私に丸投げして遊んでばかりいる」「私の親のことを陰で悪く言っている」などがあると、幻滅してしまいますよね。この人は自分さえよければいいのだと感じ、わだかまりが生まれるでしょう。
わだかまりをなくす方法
よりよい人間関係を継続したいなら、わだかまりを解消しなければなりません。わだかまりを無視するのは、意外と難しいもの。だからこそ、早めに消し去りたいですね。ここからは、わだかまりをなくす方法を紹介。ポイントは「話し合い」です。