知らないうちに部下を傷つけていた
上司と部下は、たとえ同じ仕事に携わっていても立場が違います。部下は、上司の言葉を想像以上に重いものとして受け止めているのです。そのことを忘れて、部下が失敗したときに「こんなこともできないの?」「なんで失敗したの?」と冷たい口調で言ったことはありませんか?上司にしてみれば、軽い気持ちや冗談であったとしても、言われた部下は心底傷ついているかもしれません。悲しみや戸惑いの気持ちは態度を硬化させ、本当はアドバイスが欲しくても塩対応になってしまうのです。
部下のプライベートに問題がある場合も
部下の態度が冷たい原因は、仕事ではなくプライベートに問題があることも考えられます。たとえば夫婦関係や恋人関係がうまくいっていない、子どものいじめや勉強の問題など、悩んでいることがあって気持ちが入らず、塩対応になっているのかもしれません。
また、本人や家族の病気・介護で心身に負担がかかり、気持ちに余裕が持てなくなっている場合もあります。仕事にプライベートを持ち込むのはよくないともいいますが、そのことを理解していたとしても、うまく対処できないのかもしれません。
【目次】
上司がとるべき対処法とは
理由があったとしても、塩対応が続けば職場全体の雰囲気にも影響が出てきます。大きなトラブルが起こる前に、上司がとるべき対処法を紹介します。
部下を認める・大きな仕事を任せる
塩対応を改めてもらうには、まずは信頼関係を結び直す必要があります。そのためには、部下を認めている気持ちを伝えることが大切です。仕事に対する意見を求めたり、責任の伴う仕事を任せたりなど、まずは信頼している気持ちを伝えましょう。
成果が出ているときにはしっかりと褒め、感謝の気持ちを伝えることも大切です。問題がある場合にも、アドバイスは最小限にとどめ、まずは部下の考えを尊重してみるのもよいでしょう。もちろん助けを求められたら、しっかりとフォローすることで、塩対応も改善していくはずです。
適切なコミュニケーションを意識する
部下に塩対応を改善してもらおうとする前に、自分自身の態度を見つめ直してみることも大切です。イライラしているときに感情的になっていないか、理不尽に怒鳴ったり冷たい態度をとったりしたことはないか、振り返ってみるとよいでしょう。自分の態度に問題があれば、改善することが大切です。
また、逆に甘い態度をとり過ぎて信頼されていない場合もあります。問題点があればきちんと指摘し、しっかり注意します。自分の主観ではなく客観的な意見として伝えた後は、アフターフォローも忘れずに行いたいものです。
第三者に介入してもらう
いろいろと試してみても関係が改善されない場合には、第三者に介入してもらうのもひとつの手です。介入してもらうのは、部下が親しくしている社員や、中立的な立場の人が好ましいでしょう。それとなく相談し、思っていることを聞いてもらうのもよいかもしれません。
直接話し合って解決できれば一番よいのですが、関係性によっては態度がさらに悪化することも考えられます。感情的になり過ぎないためにも、仲介者にふさわしい人がいれば力を借りる柔軟性を持つことも大切です。