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2022.02.08

【葭簀(よしず)】とはヨシで作ったすだれのこと!一般的なすだれとの違いは何?

 

「葭簀(よしず)」とはヨシと呼ばれる植物を編んで作ったすだれのことです。一般的なすだれとは何が異なるのか、使い方の違いやどのような効果を得られるのかについて見ていきましょう。また、関連するアイテムについても解説します。

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「葭簀(よしず)」とはヨシを編んだすだれのこと

葭簀(よしず)」とは、ヨシというイネ科の植物の茎を糸で繋げて作ったすだれのことです。軒下に立てかけておくと、外から家のなかが見えなくなるので、プライバシーを保つことができます。また、日ざしを遮ることもでき、夏を涼しく過ごしやすくなるでしょう。

葭簀

葭簀」は、窓の高さよりも2~3割程度高いものを選びます。少し高さがあることで立てかけやすくなるでしょう。また、室内に熱がこもらず、風通しもよくなります。

【葭簀】よしず
ヨシの茎を編んで作った簀(す)。よしすだれ。人目や日ざしをさえぎるのに使う。 夏「影となりて茶屋の―の中にをる/誓子」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

ヨシとアシは同じものを指す

サイトや辞書によっては、「葭簀」は葦(アシ)を糸で繋げて作ったものと説明されていることがあります。実際のところ、ヨシとアシは同じものを指しているので、どちらも間違いではありません。

ヨシ(アシ)は亜寒帯から暖帯の湖や河川などの水辺に生える植物です。イネ科ですが多年草で、背が高く、冬は地下茎だけを残し、春になれば地下茎から芽を出します。地下茎は地下で広がるため、ヨシ(アシ)は群落を作ることが多いです。

滋賀県では別のものを指すことがある

通常、ヨシとアシは同じ植物を指します。しかし、琵琶湖のヨシの大群生で知られる滋賀県では、一般的にヨシとアシを区別します

滋賀県では、ヨシの近くに生えていることが多い「オギ」という植物をアシと呼び、ヨシは「葭簀」などにも使える商品価値があるもの、アシは売り物になりにくいものとしています。実際に、ヨシは茎が枯れると中が空洞になり、「葭簀」などに加工しやすいですが、オギは綿のようなものが詰まっていて加工しにくいので、ヨシ(=良し)とアシ(=悪し)と区別されたのかもしれません

ヨシは、琵琶湖などの湖や河川を美しくする働きがあることでも知られる植物です。これはヨシの群落が生えていることで水の流れがせき止められ、水中に含まれている汚れが沈殿すること、また、ヨシの茎についている微生物が水中の汚れを分解することなどによるといわれています。

ヨシの群落は魚や鳥が卵を生みつける場所にもなっているので、ヨシが生えている地域は動物にとっても住みやすい場所といえるでしょう。美しい自然を維持し、生態系を守るためにも、ヨシは欠かせない植物なのです。

「葭簀」と通常のすだれの違い

葭簀」は、ヨシを糸で繋ぎ、立てかけて使うものです。通常はヨシを縦向きに並べ、糸は横に繋ぎます。

一方、すだれは横向きに並べ、糸で縦に繋ぐものです。そのため、「葭簀」のように立てかけることができず、軒下などに吊るして使います。

マンションなどで軒下がない場合には、カーテンレールに取り付けて使うこともできるでしょう。すだれはカーテンとは異なり隙間があるので、日ざしを遮りつつも風が通り、心地よく過ごせます。

また、「葭簀」とすだれは材料も異なるので注意しましょう。「葭簀」は多年草のヨシから作りますが、すだれは竹を細く割って棒状にして作ります。竹の色やどの程度の細さで割るかによってもすだれの雰囲気が変わるので、インテリアに合わせて選んでみましょう。

「葭簀」と関連するアイテムをご紹介

ヨシを使ったアイテムは、「葭簀」だけではありません。ヨシは多年草なので放っておいても問題はありませんが、冬に一度刈り取って周辺を清掃するほうが、より良いヨシの群落を維持できるので、刈り取ったヨシを有効活用するためにもさまざまなアイテムが作られています。

葭簀

ヨシを使った昔ながらの4つのアイテムについて見ていきましょう。

・葭簀張り(よしずばり)
・葭屋根(よしやね)
・葭衝立(よしついたて)
・夏障子(なつしょうじ)

【アイテム1】葭簀張り(よしずばり)

葭簀張り」とは、「葭簀」をいくつか並べておくこと、あるいは「葭簀」で囲った家屋のことを指す言葉です。周囲に日ざしを遮るものが何もない家屋であれば、「葭簀」で囲うことで屋内を涼しくすることができるでしょう。

例えば海の家などの夏の間だけ使う小さな家屋は、「葭簀張り」に向いているかもしれません。周囲に「葭簀」を立てかけて室内を涼しくし、海に遊びに来た人たちが氷を食べたりしゃべったりする空間として活用できます。

【アイテム2】葭屋根(よしやね)

瓦が一般的になるまでは、ヨシを屋根材として用いることも少なくありませんでした。地域によってはススキやワラを屋根材としていましたが、ヨシは耐久性に優れているだけでなく、排水性にも優れているため、雨が多い地域などにも「葭屋根(よしやね)」が使われました。

ヨシを屋根材に用いると、室内が夏は涼しく冬は暖かくなるというメリットもあります。四季があり、暑さも寒さも厳しい日本に適した屋根材ともいえるでしょう。

【アイテム3】葭衝立(よしついたて)

衝立はふすまのように紙を張ることが一般的ですが、ヨシを張った「葭衝立(よしついたて)」を置くことで、清涼感が生まれ、家のなかが夏らしくなります

ヨシは紙とは異なり、濡れても破れたりふやけたりしません。そのため、突然天候が変わり、雨が降り出すこともある夏には適した素材と考えられるでしょう。また、ヨシとヨシの間に風が通ると衝立の裏側も涼しくなるので、「葭衝立」は見た目を涼しくするだけでなく、実用性もあるアイテムといえます。

【アイテム4】夏障子(なつしょうじ)

障子の紙部分をヨシに張り替えたものを「夏障子(なつしょうじ)」と呼びます。見た目が涼し気であるだけでなく、室内に風が通るので、より涼しく過ごすことができるでしょう。

また、紙よりもヨシは日ざしを遮るので、室内が暗くなり、温度が上がりにくくなる効果もあります。エアコンが苦手な方も、ヨシを活用することで過ごしやすくなるかもしれません。

「葭簀」でエコ&ヘルシーな夏を過ごそう

葭簀」を使うことで、日ざしを遮り、風通しが良くなります。気温が特別に高くならない日であれば、エアコンを使わなくても快適に過ごせるかもしれません。

葭簀

葭簀」は天然の植物を活かしたエコロジーなアイテムです。また、体を極端に冷やすことがないため、ヘルシーなアイテムともいえます。「葭簀」を使って、エコ&ヘルシーに夏を過ごしてみましょう。

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写真・イラスト/(C) shutterstock.com

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