士業を指す「当職」
「当職(とうしょく)」は専門的な資格を有する職業の人が、一人称として使用する言葉です。弁護士・行政書士・公認会計士・社会保険労務士など、「士が付く職業の人」が使うと覚えておきましょう。職務上、必要であれば戸籍謄本や住民票などを請求できる業務であることが特徴です。一般的な職業の人が、一人称として使うことは間違いとなります。
また、一人称以外にも「この職業」「現在就いている職業」という意味もあり、こちらの意味で使用する場合には、職業に関係なく使えます。
≪例文≫
「当職は〇〇大学法学部を卒業後、〇〇法律事務所に在籍しています」
「当職では、前職での経験を生かして働けると感じました」
ビジネス文書で用いる「弊職」
「弊職(へいしょく)」は、その職務に就いている自分を謙遜して使う言葉です。「弊」は、よくない・倒れるなどの意味があり、自分の会社をへりくだった表現にする際に「弊社」と言います。
職種や役職などに関係なく使えますが、弊社と小職をかけ合わせて生まれた造語とされ、ビジネスシーンで使用しない方がよいとする説があることを押さえておきましょう。
≪例文≫
「この一大プロジェクトを弊職にお任せいただき、ありがとうございます」
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「部署」や「チーム」を指す「当方」
個人ではなく、自分の所属する「部署」や「チーム」を指す言葉です。責任の所在を個人に限定せず、組織として回答する場合に重宝します。
役職を強調したくないけれど、プロフェッショナルな距離感を保ちたい時に便利です。
≪例文≫
詳細は当方にて確認し、追ってご連絡します
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古い表現の「拙僧(せっそう)」
「拙僧」は「小生」と同じく、男性が自分をへりくだって使う古い表現です。40代のキャリア層が使うと「古風すぎる」を通り越して周囲に困惑を与えるため、実用はおすすめしません。
≪例文≫
管理職として道半ば、拙僧の修行不足でございます。
最も一般的な表現の「私(わたくし)」
「私(わたくし)」は最も一般的でありながら、ビジネスにおいて最強の正解と言える言葉です。「わたし」をより丁寧にした自称で、性別を問わず、社内・社外、目上・目下とあらゆるシーンで使えます。
迷ったら「私(わたくし)」を使えば間違いありません。
≪例文≫
私の方で、再度チームの戦略を練り直したいと考えております。
よくある質問
ここでは、小職についてビジネスシーンでよくある質問とその回答を紹介していきます。
Q. 「小職」は平社員の意味ですか?
「小職」は平社員という意味ではありません。むしろその逆で、「役職についている人が、謙遜して自分を低く呼ぶ」ときに使う言葉です。
Q. 「小職」は女性も使えますか?
「小生(しょうせい)」という言葉は男性限定ですが、「小職」には性別の区別はありません。そのため、「小職」は女性も使うことができます。
Q. 小職と小生はどちらが丁寧ですか?
「小職」と「小生」に、どちらがより丁寧かという明確な差はありません。なぜなら、この2つは「丁寧さの度合い」で選ぶものではなく、「自分の立場」と「相手との関係性」によって使い分ける別物だからです。
Q. 小職と当方の違いは?
「小職」は役職者個人が社内の部下などに対して使う謙称であり、「当方」は役職の有無に関わらず自分の所属する組織やチーム(こちら側)を指して社内外問わず使う言葉です。
最後に
- 「小職」は「役職についている人が、謙遜して自分を低く呼ぶ」ときに使う言葉
- 「小職」には性別の区別がないため、女性も使うことができる
- ビジネスシーンでは「私」や「当方」を使い分けるのが無難
「小職」という言葉は、単なる一人称ではなく、組織における自分の立ち位置を映し出す鏡のようなものです。 本来は役職者が社内で使う謙譲表現ですが、現代のビジネスシーンでは「私(わたくし)」や「当方」を使い分ける柔軟さこそが、洗練されたリーダーの証。
言葉のルールを正しく理解したうえで、あえて使わないという選択肢を持つ。そんな「大人の余裕」が、周囲からの信頼とプロフェッショナルな品格を形作っていくはずです。
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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