3.有毒植物
常緑葉を持つ「石楠花」は、葉っぱをお茶にして飲む方もいるようですが、実は葉の部分に毒素を含んでいる有毒植物です。葉に含まれている毒は、痙攣毒で、摂取すると下痢や吐き気、呼吸困難を引き起こすことがあるので、安易に口にしないように気をつけてくださいね。
「石楠花」の花言葉
「あの人は高嶺の花だ」という言い回しを聞いたことがある人は多いでしょう。この「高嶺の花」こそ、「石楠花」を指しているのだとか! そんな高貴で憧れの花「石楠花」の花言葉を紹介します。
1:威厳 ・荘厳
「威厳」と「荘厳」は、華やかでゴージャスに咲き誇る花の様子からつけられました。「威厳」は「堂々として近寄りがたい」、「荘厳」は「重々しく気高い」というニュアンスがあります。「高嶺の花」を意味する「石楠花」らしい花言葉です。
また「石楠花」は、昔は山中に行かないと見ることができないことや、山の神様のものに手を出してはいけないといった習慣から、考えられた花言葉でもあるようです。
2:危険 ・警戒
葉に毒を持つことからつけられた花言葉が、「危険」と「警戒」です。また、奥深い山に咲き、簡単には見に行けないことが由来となったという説も。
「石楠花」の花言葉は、どれも手放しでの褒め言葉とは言い難いので、人に贈る時は気をつけたい花です。
「石楠花」の育て方
石楠花の育て方について、できるだけ詳しく説明します。お庭で石楠花を育ててみたい! という人は、参考にしてみてくださいね。
1. 栽培環境
光:石楠花は、部分的な日陰を好みます。特に、強い直射日光を避けることが重要です。午後の強い日差しを避けるため、半日陰や木陰に置いてみてください。
温度:冷涼な気候を好み、夏の高温や乾燥には弱いです。冬季の耐寒性は品種によりますが、多くの種類が−10℃程度まで耐えることができます。
土壌:酸性土壌(pH 4.5~6.0)を好みます。排水性が良く、有機質が豊富な土壌が適しています。アルカリ性の土壌では、葉が黄変することがあります。
2. 植え付け
時期:春または秋が最適です。
場所の選定:適切な日陰と排水性の良い場所を選びます。
土壌改良:植え付け前に、ピートモスや腐葉土を混ぜて土壌を改良します。鉢植えの場合は、酸性の培養土を使用します。
3. 水やり
頻度:石楠花は湿度を好むため、土壌が乾燥しないように定期的に水やりを行います。特に成長期や開花期には、水分が不足しないように注意しましょう。
方法:根元に直接水を与え、葉にかからないようにします。葉に水がかかると、病気の原因になることがあります。
4. 肥料
時期:春と初夏に酸性の緩効性肥料を施します。
種類:酸性肥料(硫酸アンモニウムや硫酸カリウム)を使用します。過剰な肥料は根を傷めることがあるため、適量を守ります。
5. 剪定
時期:開花後に剪定を行います。花が終わった後、すぐに剪定することで翌年の花芽が形成されやすくなりますよ。
方法:枯れた枝や弱い枝を取り除き、形を整える程度にします。過度な剪定は避けてください。
6. 病害虫対策
病気:灰色かび病や、うどんこ病が発生することがあります。これらの病気を防ぐために、風通しの良い場所に植え、水はけをよくしましょう。
害虫:アブラムシやダニがつくことがあります。定期的に葉をチェックし、見つけ次第取り除くか、必要に応じて殺虫剤を使用してください。
7. 冬季の保護
寒冷地では、冬季に根元にマルチング(落ち葉や藁を敷く)をして、根を保護します。また、極寒期には不織布や寒冷紗で覆うことも有効です。
8. 移植
時期:春または秋に行います。移植後は根が安定するまで、しっかりと水やりを行います。
方法:根を傷めないように注意し、移植先の土壌を事前に整えておきます。
以上のことを行って、美しい石楠花を育ててみてくださいね。
「石楠花」の英語名は?
「石楠花」の英語名は、「Rhododendron」です。ギリシア語で「赤」を意味する「rhodon」と、「木」を意味する「dendron」が由来といわれています。ただし、当初は「石楠花」でなく、「セイヨウキョウチクトウ」のことを指していたようです。
西欧では庭木として大変な人気を誇り、春先のホームセンターでは特設コーナーが作られていることがあるほど、愛されているようですよ。
最後に
「石楠花」について紹介しましたが、いかがでしたか? 毒があることや、その華やかさを知らなかった方も多いかもしれません。庭や公園で見る「石楠花」も美しいですが、一度山の中で見るとまた違った魅力を発見できるでしょう。ぜひ一度、自然の中で「石楠花」を楽しんでみてくださいね。
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