「蛇足」と言い換えられる類語の解説
「蛇足」との言い換えが可能な類語について、意味と読み方をチェックしましょう。
【無用の長物(むようのちょうぶつ)】
あっても役に立たないどころか、かえって邪魔になってしまうもののたとえ。
【夏炉冬扇(かろとうせん)】
時期はずれでまったく役に立たない物事のたとえ。
「夏炉冬扇」とは、夏の囲炉裏や冬の扇のことを指します。本来は役に立つもののはずであるが、時季外れになってしまったことで現在は役に立たないという意味です。時季外れという意味を含ませずに、あっても役に立たないもののたとえとするのは誤用になるため、注意しましょう。
なお、「夏炉冬扇」は以前「恋人からの愛を失った女性」や「君主からの寵愛を失った者」という意味で使われるケースもあったようですが、現在ではこういった使われ方はほとんどされなくなりました。
このほか、「為蛇画足(いだがそく)」、「為蛇添足(いだてんそく)」、「 妄画蛇足(もうがだそく)」も類語にあたります。
「蛇足」の対義語について解説
「蛇足」の対義語の意味と読み方は、以下のとおりです。
【画竜点睛(がりょうてんせい)】
物事を完成させるために必要な、最後に加える仕上げのこと。
【有終の美(ゆうしゅうのび)】
最後までやりとおし、立派な成果をあげること。
「画竜点睛」は画竜を「がりゅう」と読んでしまうケースがありますが、これは間違った読み方です。「がりょうてんせい」と読むように気を付けましょう。「竜」を「りゅう」と読むのは主に中国南方系の発音である「呉音」、「りょう」と読むのは主に中国北方系の発音である「漢音」です。
「蛇足」とは最後に余計なことをしてしまったという意味を持つため、最後までやりとおして立派な成果をあげることなどの意味があるこれらの言葉は、「蛇足」の対義語にあたるといえます。
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「蛇足」とは、あっても役に立たないもの、付け加えても利益にならない無駄なものを指す言葉です。「蛇足」とは「画蛇添足」を略した言葉で、『戦国策』からできた故事成語だといわれています。また、自分がおこなうことに対して謙遜の意味を表現するために、「蛇足ながら」と一言付け足して使う場合もあります。
言葉が持っている意味や語源、使い方、類語、対義語などをしっかりとチェックして、さまざまな言葉を正しく使えるようになりましょう。
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