ビジネスシーンで使う際の注意点
「起承転結」で構成した文章はビジネスシーンには適さないことがあるため、使う際は注意が必要です。「起承転結」を使った文章はわかりやすく伝えられるのがメリットですが、ビジネスシーンでは冗長と思われることもあるため注意しましょう。
ビジネスシーンでは状況を選んで使う
ビジネスシーンでは、場合によって「起承転結」が適さないことがあります。特にレポートや提案書では、結論を先に示すことが求められます。そのため、5W1Hなどの、結論先行型の文章構成が適しています。これにより、読み手が短時間で内容を理解でき、効率的なコミュニケーションが図れます。
「5W1H」
5W1Hは、ビジネスシーンでの文書作成において、情報を効果的に整理し、読み手にわかりやすく伝えるための基本的なフレームワークです。以下の内容を参考に、文章を組み立ててみてはいかがでしょうか。
「Who(誰が)」…プロジェクトに参加しているメンバー、ターゲット顧客、責任者などを明示します。
「What(何を)」…具体的なプロジェクトの目的、提供するサービスや商品、解決すべき課題などを説明します。
「When(いつ)」…プロジェクトの開始日、締め切り日。
「Where(どこで)」…オフィス、会議室、オンラインプラットフォーム、地域などの場所を示します。
「Why(なぜ)」…なぜそのプロジェクトが必要なのか、なぜその方法を選んだのかなどの理由を説明します。
「How(どのように)」…実施計画、戦略、具体的な手順などを説明します。
「起承転結」を使った例文&類義語・関連語
「起承転結」は、会話の中で四字熟語として使われることもあります。「起承転結」で文章を構成する方法とともに、四字熟語としての使い方も覚えておきましょう。
「起承転結」を使った例文
「起承転結」は日常会話やビジネスシーンでのやりとりなどで用いられます。参考として、「起承転結」を使った例文を見ていきましょう。
・【起承転結】はさておき、結果を簡潔にお伝えします。
・【起承転結】よりも、先に結論を示してください。
・先週放送されたドラマは【起承転結】がはっきりしていてとても面白かった。
・【起承転結】のある構成は、効率的な意思疎通が求められるビジネス文書には適さないでしょう。
「起承転結」の類義語・関連語
「起承転結」と似た概念には、「ストーリー展開」や「ロードマップ」があります。この2つは、特にプロジェクトの進行や物語の構成に使われることが多くあります。また、ビジネスシーンでは「グランドデザイン」という言葉も、全体像を描く際に使われます。これらの表現を適切に使い分けることで、伝えたい内容をより効果的に伝えられるでしょう。
最後に
「起承転結」は文章をわかりやすくするためのテクニックのことで、「絶句」という漢詩の構成が由来です。「起承転結」を文章に取り入れると、伝えたい内容を簡潔かつわかりやすくまとめられます。
ただし、結論を先に求められるビジネス文書では適さないことがあるため、使う場面を選ぶようにしましょう。「起承転結」の使い方を理解し、文章を書く際に意識してみてくださいね。
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