珍妙
「珍妙(ちんみょう)」も、不思議な響きを持つ言葉ですね。意味は以下の通りです。
《珍しくてすぐれている意から》かわっていておかしいこと。また、そのさま。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「珍妙」は、「一風変わっていて、滑稽であること」を表す言葉です。「珍」は、「珍しいこと」「異様であること」。「妙」には、「不思議なこと」という意味以外に「優れていること」「きわめて良いこと」という意味があります。常人がなせる技ではなく、どこか神がかっているような不思議な出来事を指す言葉なのです。
・その俳優は珍妙な演技をすることで人気がある。
摩訶不思議
「摩訶不思議(まかふしぎ)」の意味は、以下の通りです。
非常に不思議なこと。また、そのさま。(<小学館デジタル大辞泉>より)
どんなに考えてもわけがわからないことを「摩訶不思議だ」といったりしますね。「摩訶」は本来仏語で、「大きいこと」「優れていること」を指す言葉です。他の言葉の上につけて美称として用いることが多いようです。そのため、「摩訶不思議」とは、不思議なことを強調した表現であるといえるでしょう。
・なんとも摩訶不思議な事件だ、と刑事たちは首をひねった。
面妖
「面妖(めんよう)」の意味は、以下の通りです。
[名・形動]不思議なこと。あやしいこと。また、そのさま。[副]どういうわけか。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「面妖」も「不思議なこと」という意味です。現代ではあまり使われない古風な表現ですが、時代劇や歴史小説では、不思議なことが起きた時に「はて、面妖な」というセリフとして登場します。
・同じ顔の人が二人もいるなんて面妖なこともあるものだ。
英語表現とは?
「奇天烈」の英語表現は、「strange」です。「strange」には、「不思議な」「奇妙な」という意味があるので、先述した類語の英語表現にもなりますね。正体が不明で、説明しにくいことや、異様に見えるものに対して使われる言葉です。
・a strange agent(奇妙な人)
・strange garments(一風変わった服装)
・It is strange that she has not come(彼女が来ないなんて不思議だ)
最後に
「奇天烈」とは、「非常に風変わりであるさま」です。科学では説明できないような不思議な出来事に対して使われます。「奇天烈」のように「不思議なこと」を表す言葉に様々なバリエーションがあることも日本語の面白さですね。「摩訶不思議」や「面妖」など、ちょっと変わった言葉の意味も、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか?
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