「鬼に金棒」ということわざを聞いたことはあるものの、実際に使う機会は少ないかもしれません。しかし、ビジネスシーンなどでは、実力のある人への褒め言葉として使うことができるんですよ。本記事では、「鬼に金棒」の意味や由来、使い方、4つの類語を解説します。会話の中でことわざを効果的に使って、楽しくコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか?
「鬼に金棒」の意味と由来
「鬼に金棒」の詳しい意味と由来をチェックしていきましょう。
意味は強さが増すこと
ただでさえ強い人がさらに力を得ることを指すのが「鬼に金棒」です。辞書の意味も確認しておきましょう。
【鬼(おに)に金棒(かなぼう)】
《強い鬼にさらに武器を持たせる意から》
ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。鬼に鉄杖(てつじょう)。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「鬼に金棒」は「鬼に鉄杖(てつじょう)」と言い換えることも可能です。ここでいう強さとは、力の強さだけではなく、財力や知力を始めとする幅広い能力を指す場合もあります。ビジネスの世界では、すでに優れた能力を持つ人が、さらに新しい知識やスキルを手に入れることで、より大きな成果を上げられたという時に、この言葉を使うことができますよ。
由来は強さの象徴である鬼
「鬼に金棒」の由来は、昔から強さの象徴とされていた空想上の生き物「鬼」にあります。牙や角を持つ鬼が、さらに強力な武器である金棒を手に入れたら、人間は到底勝てないでしょう。このように、強者がさらに力を得ることを表す言葉が「鬼に金棒」です。
なお、この言葉はもともと強さがある者がさらに強くなる場合に使われます。弱い者が力を得た場合には適さないので、注意してくださいね。
「鬼に金棒」の使い方と例文
「鬼に金棒」と聞くと、一見恐ろしそうなイメージを持つかもしれませんが、実はポジティブな意味で使われます。「鬼に金棒」は、知識や能力が優れた人に対して使えるため、ビジネスシーンでも活用できますよ。
優秀さを称える際に使える
「鬼に金棒」は、誰かの秀でた一面を褒める際に使えます。称える対象は人だけではなく、組織やものを指しても使えるため、さまざまなシーンで応用できますよ。例えば、優秀な同僚や敵なしのスポーツチーム、最新設備を搭載した車や機械を形容することもできます。ポジティブな意味で利用できるといいですね。
「鬼に金棒」を使った例文
下記に紹介する例文を参考に「鬼に金棒」を使いこなして、表現の幅を広げてみましょう。
例文
・毎月成績上位の営業チームに有能な営業マンが仲間入りした。鬼に金棒とはこのことだ。
・弁護士をしながら外国語をマスターしてしまった彼には、鬼に金棒という言葉が相応しい。
・目を付けている燃費が抜群の車種に、最新の安全装置が搭載されることになった。これはまさに鬼に金棒だ。
「鬼に金棒」4つの類義語
「鬼に金棒」と似たような状況を指して使える表現として、「弁慶に薙刀」「竜に翼を得たる如し」「虎に翼」「駆け馬に鞭」があります。どれも「鬼に金棒」と同様、強いものがさらにパワーアップする様子を表す言葉です。
それぞれの言葉の意味や、類似表現との微妙な違いを確認していきましょう。
弁慶に薙刀(べんけいになぎなた)
「弁慶に薙刀」の正しい読み方は、「べんけいになぎなた」です。弁慶とは、平安時代の末期に源義経の家来として活躍した、武蔵坊弁慶のこと。「強者の唯一の弱点」を意味する「弁慶の泣き所」という言葉も有名です。逆にいえば弱点がほとんどないくらい、弁慶の強さは突出していたのでしょう。
そんな弁慶が武器として所持していたのが、固い岩を切れるほどの切れ味をもっていた薙刀です。つまり、「弁慶に薙刀」は強い者がさらに力を得ることを意味しています。
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