「分不相応」
「分不相応」は「ぶんふそうおう」と読み、「その人の能力や身分などに合っていない」「身の程知らず」という意味です。
「分不相応」の「分」は「身分」の意味で、日本史の授業で習う昔の「公家」や「武士」、「華族」や「貴族」、「平民」であったり、江戸時代の身分制度「士農工商」などが当てはまります。権力のある者が、支配をしやすくするために、制定したものを身分といいます。現在では、「身の丈にあっていない」「相応しくない」と感じる時に使う四字熟語です。
英語表現とは?
最後に「豚に真珠」の英語表現を紹介します。一緒にチェックしましょう。
「pearls before swine」
「pearls before swine」は、アメリカのコミックのタイトルにもなっている、英語圏ではポピュラーな言い回しです。読み方や意味の項目でも説明したとおり、聖書から来ています。「マタイの福音書」の中にある「Cast pearls before swine」つまり「真珠を豚に投げるな」からの引用です。
通常、「pearls before swine」の前に「Cast」や「casting」をつけて、「It is casting pearls before swine」や「Do not throw pearls before swine」と使います。和訳する時は、「豚に真珠」や「猫に小判」と訳すのが一般的です。
「Caviar to the general」
「Caviar to the general」はシェイクスピアの『ハムレット』という作品の中で使われたフレーズで、英語圏ではよく使われます。「Caviar」はチョウザメの卵巣をほぐした高級食材で、日本でもオードブルなどを中心に使用されている「キャビア」のことです。
ヨーロッパでは魚卵全般を「Caviar」と表記される一方、ロシアでは魚卵はすべて「イクラ」と呼ばれます。意味は「高級すぎて一般のものには価値がわからないもの」で、そこから転じて「豚に真珠」や「猫に小判」の英語表現として使います。
「A nod is as good as a wink to a blind horse」
「A nod is as good as a wink to a blind horse」は、昔有名なイギリスのロックバンドのアルバムのタイトルに使われたので、聞いたことのある方もいるかもしれません。直訳すると「目の見えない馬には頷きも目配せも通用しない」となり、和訳では同じ「馬」つながりで「馬の耳に念仏」と訳されることが多いです。文脈によっては、「豚に真珠」と表現することもあります。
最後に
「豚に真珠」について、例文・類語・英語表現と紹介しました。聞いたことはあっても使う機会がないと、うろ覚えのままで、意味を間違って使ってしまうこともあるかもしれません。これを機に、しっかり覚えておきたいところです。
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