3:捨て子は世に出る
文字通り「捨て子は出世する」という意味で使われます。「捨て子」のように大人の事情やさまざまな理由で親に見捨てられた境遇の子どもは、逆境にも負けず、たくましく育ち、世に出る人となるという意味。「親の元を離れたほうが成長につながる」という意味合いでは、「可愛い子には旅をさせよ」の類語といえるでしょう。
「かわいい子には旅をさせよ」の対義語は?
「かわいい子には旅をさせよ」の対義語には、どんな言葉があるでしょう。
1:箱入り娘
「大切に育てられた娘」のこと。親が娘を大切に思うあまり、外には出さずに親の元に置いておくこと。大切なものを箱にしまっておくように育てられた娘をいうので、「世間知らず」の意味で使われます。
2:手塩にかける
「自ら世話をして大切に育てる」ことを「手塩にかける」といいます。「手塩」とは、昔、多くの家庭で食膳に添えられていた少量の塩のこと。家族がそれぞれ、その「手塩」で料理の味を自分好みに調節していたそう。それが転じて、「自分で面倒を見る」という意味で使われるように。
3:乳母日傘
「乳母日傘」の読み方は「おんばひがさ」。また「おんばひからかさ」とも読む場合も。「乳母」を「うば」と読むのは誤りです。意味は昔、「幼児に乳母をつけたり、強い日に当たらないように傘を差しかけたりすること」。つまり、「子どもが大事に育てられること」。
「かわいい子には旅をさせよ」の英語表現とは?
日本のことわざ「かわいい子には旅をさせよ」を英語では、どのように表現できるでしょう。
1:Spare the rod and spoil the child.
「かわいい子には旅をさせよ」は、英語でも同じような格言がありますよ。「Spare the rod and spoil the child.」の言いまわしで「かわいい子には旅をさせよ」や「鞭を惜しむと子どもは駄目になる」の訳に。鞭や棒で子どもに厳しいしつけをしていた時代の名残の言葉といえそう。今は鞭や棒で子どもを打つ教育はなじみませんが、人が成長するために厳しく育てることが必要という考え方は、今も昔も世界共通なのかも。
2:If you love your child, send him out into the world.
「かわいい子には旅をさせよ」の「かわいい子」とは、愛情をもってかわいがっている人のこと。別の環境に身を置くことで、成長するとの英語を現しています。「あなたの子を愛しているなら、世界に送り出しなさい」という意味。
最後に
「かわいい子には旅をさせよ」の正しい意味を理解しましたか? 本当は親も、子どもにはできるだけつらい思いをさせたくないけれども、あえて厳しく接するのです。「親のこころ、子知らず」で、自分も子どもの時は、その意味が分からなかった人も少なくないのでは? 今ならこの言葉の意味がわかる気がしますね。