例)気持ちや感情を乗り越える場合
例文
・私は目の前の壁をひとつずつ乗り越えることで、今の成功をつかんだ
・彼は困難な壁を越えて、ついに夢を叶えた
・愛犬を亡くした悲しみを越えるのに、ずいぶん時間がかかった
例)時間を越える場合
例文
・地元へ向かうバスに揺られながら夜を越える
・年末を越えると、あっという間に新年が来る
例)記録を越える場合
例文
・○○選手は昨年の記録を越える活躍を見せ、見事優勝した
・世界記録を越える快挙を成し遂げた
「超える」「越える」の英語表現は?
では、英語で表現するとどのような違いがあるのでしょうか? 普段よく使う言葉で、一緒に確認してみましょう。

「超える」を英語にすると「exceed」「super」
「exceed」
「超える」を英語で表現すると“exceed”になります。“exceed”には超過する、上回るという意味があり、「上限を超える」ことは“Exceed the upper limit”と表現することができます。
「super」
もう一つは、“super”。“super”は「ずば抜けた」「超〇〇」という意味があります。人を超えた能力を持っているヒーローは「superman(スーパーマン)」。まさに「超人」です。
「越える」を英語にすると「pass」「over」
「越える」を英語にする場合、“pass” “over”を用いるといいでしょう。
「pass」
“pass”には「通過する」「通り過ぎる」という意味があります。たとえば「森を越える」は“pass the forest”です。また、試験に通過することを“pass the test”と言います。日本でも試験に通ったことを「試験にパスした」と言うことがありますよね。
「over」
“over”には「越えて向こう側へいく」という意味があり、一例として「川を飛び越える」は“ jump over the river”となります。スポーツなどでも、ラインを越えたときに「ラインオーバー」と表すのでイメージしやすいでしょう。
よくある質問
ここでは、「超える」と「越える」に関するよくある質問に回答します。
Q. 「超える」の意味は?
「超える」は、数量や程度が、ある基準や限界を上回ることを意味します。物理的な数値(金額、年齢、点数など)だけでなく、抽象的な概念(期待、想像、常識など)に対しても広く使われます。
Q. 「越える」と「超える」はどう使い分けますか?
「越える」は、主に場所や時間、物理的な障害物を通り過ぎて向こう側に行く、というように具体的な隔たりを乗り越える場合に使われます。一方「超える」は、数量や程度が基準を上回るという、より広い範囲で使われます。
簡単に覚えるなら、「越える」は「越境(物理的な境界)」や「越年(時間の経過)」のように、境界線や隔たりを乗り越えるイメージ。「超える」は「超過(数量的な基準)」や「超能力(常識を超える力)」のように、基準や限界を上回るイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。
Q. “国境をこえる”は超える?越える?
「国境を越える」が正しいです。国境は物理的な境界線であり、それを乗り越えて向こう側へ行くという動作を表すため、「越える」を使います。
Q. 「exceed」と「over」の違いは?
「exceed」は、ある基準や限界を上回ることを意味し、「超える」と似たニュアンスで使われます。たとえば、「制限速度をexceedする」や「予算をexceedする」といった使い方です。一方、「over」は「~の上」を意味する基本的な前置詞で、単に数量が上回っている状態を表す際にも使われますが、「exceed」ほど明確に「基準を上回る」という強い意味合いはありません。
最後に
- 「超える」は数値や基準を上回ることで、年齢・点数・金額などに使う。また「抜きん出る」という意味でも使える
- 「越える」は、場所や時間、障害物を通り過ぎる、乗り越える意味で使う
- 使い分けに迷う場合、数量を上回るなら「超える」、場所を通過するなら「越える」と覚えよう
普段よく使う「こえる」という言葉。正しい使い分けは理解できましたか? もしも「超える」と「越える」、使い分けがわからなくなってしまったときは、熟語で考えてみてくださいね。
また、どちらの意味も含めて伝えたい場合は、あえて漢字を使わずひらがなで「こえる」と表現してもOKです。意味をしっかりと理解して、使いこなしていきましょう。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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