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2022.09.18

【濡れ手で粟】ってどんな意味? 意味や例文、類義語をご紹介

「濡手で粟」とは、大した苦労もせずにやすやすと金もうけをすることを指す言葉です。今回は、濡手で粟の詳しい意味や由来、例文、類義語、対義語をご紹介します。間違えやすい表現の例も解説しているので、言葉を正しく使えるようになりたい方はぜひ参考にしてください。

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「濡れ手で粟」の基礎知識

「濡手で粟」の読み方は〈ぬれてであわ〉。「大した苦労もしないで大きな利益を得ること」という意味の言葉です。少し異なる表現が使われているケースもあるため、どのように書くのが正しいのかも注意がいります。

まずは「濡手で粟」という表現の詳しい意味や言葉の由来、使い方と例文に加え、よくある誤用表現などについてそれぞれ詳しくチェックしていきましょう。

濡れ手で粟とはやすやすと金もうけをすること

【濡(ぬ)れ手(て)で粟(あわ)】
濡れた手で粟をつかめば粟粒がたくさんついてくるように、ほねをおらずに多くの利益を得ること。やすやすと金もうけをすること。
「濡れ手で泡」と書き、いくら努力しても実りがないことの意とするのは誤り。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

濡れ手で粟とは、「ほねをおらずに多くの利益を得ること」です。大した苦労もしないままで金もうけができたときのたとえとして使います。場合によっては、「濡れ手で粟の掴み取り」という表現で使うこともあるようです。

そのほかにも「濡れ手に粟」や「濡手で泡」と表現されているケースもありますが、これらについては後述します。

濡れ手で粟という言葉の由来

濡れ手で粟 意味 由来

この言葉は、イネ科の穀物である「粟」が語源です。粟の実は細かい粒状になっており、濡れた手で触れれば自然に粒がたくさんくっついてきます。そのため、一度にたくさんの量がつかめるというわけです。

このように、濡れた手でおこなえば普通に手のひらでつかめる量よりも多くの粟が手に入ることから、「苦労をせずに金もうけをする」という意味で使われるようになりました。

「濡れ手に粟」や「濡手で泡」は誤用?

濡れ手で粟ではなく、「濡れ手に粟」や「濡手で泡」という表現が使われているケースがあります。これらのうち、濡手で「泡」は誤用です。

努力をしても実らないことの表現として使われるケースがありますが、これは誤り。パソコンなどの漢字変換時に出てきてしまいますが、間違えて使わないようにしましょう。

一方、「濡れ手に粟」はあまり使われないものの、辞書によっては載っていることもある表現です。そのため誤用とはいえないですが、濡れ手「に」粟ではたまたまうまくいったかのようなニュアンスが出てしまいます。

“骨を折らずにたくさんの利益を得よう”と考えたうえで金もうけを狙っているときに使う言葉のため、濡れ手「で」粟と覚えるようにしましょう。

濡れ手で粟の使い方・例文

先述のとおり、濡れ手で粟は簡単にたくさんの利益を得ようと考えたうえで金もうけしようとしているときに使います。

例文

・競馬で大穴を狙って大当たりした。まさに濡れ手で粟だ。

・いろいろと稼げる方法を試してみたが、濡れ手で粟というようにはうまくいかない。

 

濡れ手で粟の類義語・似た意味のことわざ2つ

濡れ手で粟 類義語 言い換え

濡れ手で粟の類義語や、似た意味のことわざもチェックしておきましょう。

・棚からぼたもち
・一攫千金

このほかにも「漁夫の利」や「海老で鯛を釣る」なども似た意味の表現です。ここでは、上にあげた2つの類語の意味を解説します。

1. 棚からぼたもち

日常会話では「たなぼた」と省略して使われることも多いですね。読み方は〈たなからぼたもち〉。「苦労なく、思いがけない好運を得ること」という意味のことわざで、以下のように使われています。

例文

・部屋の大掃除をしていたら、へそくりとして隠したまま忘れていたお金を見つけた。まさに棚からぼたもちだ。

 

棚からぼたもちは、お金もうけができたとしても狙ったものではなくたまたまだというニュアンスがあります。類義語ではあるものの、濡れ手で粟は狙って大した苦労もしないまま金もうけしようとする意味のため、ニュアンスが異なることに注意しましょう。

2. 一攫千金

「一攫千金」の読み方は〈いっかくせんきん〉です。「大きな利益を一度で得ること」という意味の四字熟語で、以下のように使われています。

例文

・一攫千金のもうけ話を教えてもらった。

・宝くじで一攫千金を狙いたいが、そうそううまくはいかないだろう。

 

ちなみに「一獲千金」と書いてある場合もありますが、厳密にいえばこれは誤用。「一攫」には一つかみという意味があり、「一攫千金」が正しい表記です。漢字変換の際は注意しましょう。

濡れ手で粟の対義語の例

濡れ手で粟 対義語

濡れ手で粟の対義語には、以下のものがあります。

【骨折り損の草臥れ儲け】
読み方は〈ほねおりぞんのくたびれもうけ〉です。苦労したのにまったく成果をあげられないで、疲れだけが残ってしまうことを表現する際に使います。

【労多くして功少なし】
読み方は〈ろうおおくしてこうすくなし〉です。苦労が多かったが、それに見合うような成果はあげられなかったと表現する際に使います。

【籠で水を汲む】
読み方は〈かごでみずをくむ〉です。籠で水を汲もうとしても穴からどんどん流れていってしまうように、頑張っても狙ったような効果がないことをたとえる際に使います。

このように、苦労しても効果が得られないことを意味する言葉が濡れ手で粟の対義語だといえます。

濡れ手で粟の意味を理解して正しく使おう

濡れ手で粟 意味

濡手で粟の読み方は〈ぬれてであわ〉で、大した苦労もしないで大きな利益を得ることを意味する言葉です。濡れた手で掴もうとすると、普通に手のひらで掴める量よりも多くの粟が掴めることから、やすやすと金もうけをするという表現で使われるようになりました。

濡れ手に粟や濡手で泡という表現が使われているケースがありますが、「濡手で泡」は誤用です。パソコンなどの漢字変換時に出てきてしまうため注意しましょう。類義語には棚からぼたもちや一攫千金、対義語には骨折り損の草臥れ儲けや籠で水を汲むなどが挙げられます。

言葉が持っている意味・使い方・類語などをしっかりとチェックして、さまざまな言葉を正しく使えるようになりましょう。

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