感情論とは?
「感情論」の正しい意味は、「理性ではなく感情によって偏った議論」のことを指します。
さらに深掘りしていくと、感情論には「情動論」や「情念論」も含むといわれています。情動とは、急激に起こる激しい感情のこと。一方、情念とは情動が長く続き、苦悩にさらされている状態のことを指します。このことから「感情論」には深さがあることがわかります。
感情論で動く人の特徴とは?
「感情論」のことがわかったところで、感情論で動きやすい人にみられる特徴をチェックしていきましょう。
1:感情の起伏が激しい
まず第一に、感情の起伏が激しいことが挙げられるでしょう。よくいえば感情や感受性が豊かだと表現できますが、思考と感情の区別ができていないとも。喜怒哀楽があるのはよいことですが、激しすぎる場合には周囲も扱いに手を焼くでしょう。
2:自分本位
考えや行動の中心が常に自分である人のことを自己中心的な人物といいますが、まさしくそのこと。誰しも自己中心的な面はあると思いますが、それが過度な人は感情論になりやすいといえるでしょう。
ある出来事が起こった時、自分本位になってしまうと、客観的な立場や第三者的な視点からの分析や認識が困難になります。自分の立場しか考えない発言をするため、周囲からは「総合的判断に欠ける」とか「ヒステリーだ」などといわれてしまうことも。
自己弁護が多かったり、自分に都合のいい論理にだけ着目する一面も。そうした強引な論理には、周囲も辟易してしまうでしょう。
3:自分が満足する結論を得たい
なぜ、感情論を展開しようとするのでしょう? その理由は本人も意識していないかもしれませんが、自分を満足させる目標があって、皆の結論をそこに導きたいからではないでしょうか。そして、その論理があまりにも飛躍するから、感情論だと周りに判断されてしまうと考えられます。
感情論で動く人との付き合い方とは?
感情論で動く人の心の中が垣間見えたでしょうか? はたまた「自分にもそういう部分があるかも…」とドキッとした方もいるかもしれません。
続いては、周囲に感情論で動く人がいた場合の対処法を紹介します。
1:どうしたいのかを把握する
特徴の中でも挙げましたが、感情論で動きやすい人は「自分が満足する結論」にしたいと考えられます。その「満足する結論」が何なのかを、まずは汲み取ってみましょう。
感情に流されると論点があちこちにズレがちなので、もしかしたら本人すらわかっていないかもしれません。そうした特性を、理解することから始めるとよいですね。
相手が「満足する結論」を把握した上で議論すれば、話の持っていき方も自然と変わります。すると、感情論で動いていた人も「この人は理解してくれているんだ」と次第に昂った感情が落ち着いてくるかもしれません。
2:言いたいことを発散し切るまで待つ
感情論を展開している最中は、何を言っても聞く耳を持たない傾向に。また、口を挟んだとしたら、さらにヒートアップしてしまうケースもあります。そうした時には、すべて出し切るまで話し尽くしてもらいましょう。
同じ話が繰り返されていたり、本人が話し疲れている様子を見せた時は、言いたいことを出し切った合図ととれます。相手への気遣いを見せながら、「少し休みましょうか」などと一声かけて時間を置きましょう。
思いの丈を吐ききったことで、ある程度の感情を満たすことができているはず。また、間を持たせることで、冷静さを取り戻してもらうことに期待できます。