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EDUCATION 教育現場より

2022.11.21

全米最優秀女子高生の母【ボーク重子】式・7つの自己肯定感UPスキルでお受験の悩み解決!【お受験ママの相談室vol.6 前編】

3.「子どもがいまいち意欲的になりません。どうやってやる気を出す?」

ボーク:子供のやる気が見えない時、焦りますよね。特に受験は、ゴールが決まっており、時間に制限があります。結果も公になります。ですから、まだ幼い子供に、親が時間管理をしてやるべきことをやらせなければなりません。

なんでやる気が出ないの? といいたくなる気持ちもわかります。ですが、考えてみてください。なんでやる気が出ないのか?それは、当然「やりたくないから」ですよね。

この時、2つの側面が重要です。

1:「物理的環境」を整える

2:「自分から湧き出るやる気」を作る

 

1:「物理的な環境」を整える 
これは、やらなきゃいけないこと=例えばそれが「勉強」だった場合、勉強に集中させるためには、テーブルの上におもちゃとかお菓子とか勉強に関係のないものは置かない。教科書しかない状態にする。などです。視界にいろんなものが入っては、集中力が散漫になるからです。これが物理的な環境整備です。

また、“一緒にやる”という環境を作ることも大事です。ママも一緒にその勉強に取り組むとか、その場で仕事をするとかですね。

1つの技法で、「インターバルトレーニング」をご紹介します。これは自分にとって「楽しいこと」と「やらなきゃいけないこと」をサンドイッチにする方法です。“これやったら楽しいことが待っている”と思うと、人間集中力が増すのです。気分の切り替えができるようになるので、私も時々使います。

ただ小学校受験をする幼児の年齢であれば、集中が続くのはおそらく15分程度でしょう。大人になれば1〜2時間くらい集中して、30分休憩、などできますが、子供はまだごく短い時間です。

なので、本来は「自分から湧き出るやる気」を育みたいところですね。ですが、人間は楽しくないこと、やりたくないことにはやる気は出さない生き物です。大人だってそうですよね?ではどうするか。

子供に「受かったら将来がハッピーになるよ」と言って将来的な有用性を理解させて頑張らせる、と言う親は多いです。これ、お気持ちはわかりますが、実際には、その年齢の子供にそんなことを求めても無理です。

なので「これをやったら楽しいことが待っている」と思わせる方が効果的ではないでしょうか。学校の見学に行くときに、「あそこの滑り台で遊びたいね」「ここに通えたら、こんな楽しいことが待っているね!」などと話したりして“あそこで、楽しいことしよう”というモチベーションを与えるのです。

それからもう一つ。「楽しいからやる」のが意欲ですので、「楽しい」を作り出す工夫をするのです。それには母親が「一緒にやり、一緒に楽しむ」が最も有効です。子供はママが大好きなので、それを存分に利用してほしいと思います。とりわけ未就学児にとって、“ママと一緒”のことはなんでも楽しいのですから!ペーパーテストなども、子供を盛り立てて、遊び感覚で取り組んでいただいたらよいと思います。

田口:一緒に取り組む際に、働いているなどでママの心のゆとりがない時には、どうしたらいいでしょう?

ボーク:ゆとりがないからこそ、“一緒に遊ぶと決めてやる”といいのではと思います。ゆとりのない中で「やらせる」と思うと余計ストレスですよね。親が指導員になっちゃう。「やらせる」という意識は、“この子はやらないだろう”が前提になっちゃうのです。 

言葉って意味があるので、使い方を考え自分のマインドセットを変えることって大事です。「子供にやらせる時間」ではなく、「子供と一緒にやる時間」とマインドセットを変えただけでも、自分の心持ちが変わります。同じことをするにしても、良いママになった気分になれますよね?

これを、「リフレーミング」と言います。同じ物事をどうみるか?の違いです。どうせ同じ時間を過ごすなら、自分っていいお母さんだなって思えた方が、きっとストレスが軽減しますよ!

4.「受験でイライラ、最近夫婦関係も悪くなっています」

田口まさ美

ボーク:これもよくある悩みですよね。なんで夫婦で同じ方向を向けていないのか?それは結局のところ「きちんと話し合っていないから」です。弁論大会になってしまって、自分の正論のぶつけ合いになっているのはよくあることです。

そもそも夫婦は違う人間同士なので、意見が違って当然ですよね。ですから、どちらかが勝ってどちらかが負けるという勝負にしてはいけません。子育てにおいては特に夫婦が同じ立ち位置じゃないと、子供が困ります。

ですから、話し合いが必要になるのですが、私たちは多くの人が話し合いのトレーニングがされてないので、うまくいかないのです。お互いに課題解決型の議論をして、二人で最良の答えを見つけていくというトレーニングをすれば解決するのですが、なかなかその機会がありませんよね。

ですから夫はやりたくない、妻はゴリ押し、で受験を進めるなどが起きます。これではうまくいかないのも当然です。本来は、両方の意見を立てる議論をしなければならないのですから。

議論の究極は、お互いがどこまで歩み寄れるか、妥協できるかです。お互いに100パーセント満足はしないかもしれない。けれど、相手の立場に立って思いやれるかどうかです。

受験に反対な理由をしっかり聞き、賛成な理由をしっかり伝える。感情的でなく論理的に言語化し、議論を積み上げていくと、意外とお互いに同じ目的である「子供の幸せ」を求めていたね、と気づくことも実は多いのではないでしょうか。

言語化も有用です。「最終的な子供の理想像」や、「親としてできることは?」など話し合い、言語化して書き留めておきます。すると、冷静に自分の考えも相手の考えも理解できて、子供を守りたい、子供を幸せにしたいという思いは一つだということに気付きやすくなります。

そして、子供を幸せにするためのステップとして受験がアリかナシかの検討をする。子供の前で夫婦が反対意見を言わないこともルールですね。ママとパパが同じ意見を言っていることが、子供を混乱させないために大切なことです。親に愛されることだけを求めている時期ですから、夫婦が同じ立ち位置で安心感を与えることが最重要であると覚えておきましょう。

妥協案として、何事もやってみなければわからないので「やってみて、向かないようならやめる」と決めることも1つの手だと思います。受験は、一度始めたからといって必ず最後までやり抜かなければならないものではないと私は思います。「子供に不安視していたある症状が出てきたら、辞める」などとボーダーライン決めてトライしてみるのも、よいかもしれません。

田口:勉強になりますね。まだまだボーク重子さんのお悩み相談続きます!後半へ!

【第6回<後編>受験を成功させる親に最も大切な非認知能力・究極のベストワンは!?】は近日公開!

教えてくれたのは…

ボーク重子さん

非認知能力育児のパイオニア Shigeko bork BYBS Coaching LLC代表。ICF会員ライフコーチ。米ワシントンDC在住。一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在はコーチングや講演会、オンラインコミュニティなどで活躍。著書「人生100年ずっと幸せの最強ルール パッションの見つけ方」「非認知能力の育て方」(小学館)など多数。

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Interview& Writing

田口まさ美

<教育エディター>
小学館で教育・ファッション・ビューティ関連の編集に20年以上携わり独立。現在Creative director、Brand producerとして活躍する傍ら教育編集者として本連載を担う。私立中学校に通う一人娘の母。Starflower inc.代表。▶︎Instagram: @masami_taguchi_edu

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