「三度目の正直」とは〝三度目には結果が出る〟こと
三度目の正直とは、一度や二度で結果が出なくても、三度目には思うような結果が出るという意味のことわざです。主に占いや勝負事に使い、思うような結果が出なかった人に「運任せにしても何度か続ければ期待するような結果が得られる」と伝えるときに使います。
また、三度目の正直は、自分を励ますときに使うことも珍しくありません。失敗ばかりで気持ちがくじけそうになったときに、「三度目の正直ということもあるから……」と鼓舞します。
【三度目の正直】さんどめのしょうじき
占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ。転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ。三度目は定(じょう)の目。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■三度目である理由
三度目の正直の「三度」には、特に意味はないようです。しかし、「仏の顔も三度」や「二度あることは三度ある」などの「三度」を使った慣用句は多いことからも、古来「三度」には重要な意味があったと考えられています。
「三度目の正直」は、昔は「三度目の神正直」ということわざだったようです。最初は失敗しても、三度目には本来の実力や運などが発揮されるという意味で使われていました。
また、「三度目が本番」という言葉が「三度目の正直」の由来になったともいわれています。占いや勝負事を含め、物事は三度目あたりに本来の力が発揮されると考えられていたようです。
三度目の正直を例文でご紹介
「三度目の正直」は、さまざまなシチュエーションで使われる言葉です。自分の行動に対して使うこともありますが、相手の行動に対して使うことが一般的です。主なシチュエーションには、次の3つが挙げられます。
・失敗した人を励ますとき
・試合で負けた人を励ますとき
・落ち込んでいる人を励ますとき
それぞれのシチュエーションでどのように「三度目の正直」を使うのか、例文を使って説明します。
【状況1】失敗した人を励ますとき
誰しも失敗することはあります。失敗した人を励ますときには、「三度目に本来の実力が発揮できる」という意味の「三度目の正直」は適した言葉です。
・昔から「三度目の神正直」といって、三回目くらいに本当の実力が発揮されるらしいよ。一度、二度の失敗では諦めないでね
・どんなに熟練した人でも、いつでも成功ばかりは変だよ。三度目の正直っていうから、諦めずに頑張って
・失敗を恐れていては成功はないよ。三度目の正直っていうからね
【状況2】試合で負けた人を励ますとき
スポーツやゲームなどで負けた人を励ますときも、「三度目の正直」を使うことは多いです。「三度目の正直」は元々勝負事や占いに使われていた言葉のため、運が左右するスポーツ・ゲームに適しています。
・一度、二度負けたくらいでは本当の実力はわからないよ。三度目の正直で頑張って
・試合の結果は運次第だよ。三度目の正直っていうから、諦めないで
・今まで彼に一度も勝てたことはなくても、次はわからないよ。三度目の正直で勝てるかも
【状況3】落ち込んでいる人を励ますとき
思うように物事が進まずに落ち込んでいる人も、「三度目の正直」の言葉で励ませるかもしれません。「三度目の正直」には「次はうまくいく」というニュアンスがあるため、励ますときにも適しています。
・また振られたの?三度目の正直っていうから、次回はOKをもらえるんじゃない?
・オーディションに落ちたの?面接官の好みもあるから、落ち込むことはないよ。三度目の正直で明日も頑張って
・三度目の正直で次こそは受かるよ。気負わず、いつも通りの力を発揮してね
三度目の正直の類義語・対義語を例文でご紹介
「三度目の正直」には、似たような意味の言葉がいくつかあります。例えば、次の言葉は「三度目の正直」と言い換えて使うことも可能です。
・今度こそ
・三度目は定の目
また、「三度目の正直」とは反対の意味の言葉もあります。そのなかでも、次の言葉は「三度目の正直」と同じ「三度」を使っていますが、意味はほぼ反対です。
・二度あることは三度ある
それぞれの類義語・対義語の使い方を例文で紹介します。
類義語「今度こそ」を例文でご紹介
一度、二度の失敗を経験した人に「三度目の正直」という言葉を使って、「次回は今までとは異なるいい結果が出るよ」と励ますことがあります。「次こそはうまくいく」という部分を強調したいときには、「今度こそ」という言葉で励ますのもいいかもしれません。
・一度失敗したからといって諦めないで。今度こそうまくいくよ
・今度こそ実力を発揮できるはず!
・諦めるのはまだ早いよ。今度こそという気概を持って頑張ってね
類義語「三度目は定の目」を例文でご紹介
「三度目は定の目」とは、三回目には本来決まった結果になるという意味で使う言葉です。「三度目の正直」とほぼ同じで、勝負事や占いのように運に左右される事柄に対して使う傾向にあります。
・三度目は定の目というけれど、本当に三回目の受験で実力を発揮できた
・まだまだ本来の実力ではないのかもしれないね。三度目は定の目というし……
・ゲームなんてほとんど運だよ。三度目は定の目というから、三回しないと実力も発揮でないのかもね
対義語「二度あることは三度ある」を例文でご紹介
「三度目の正直」は、三回目には一回目・二回目とは異なる結果が出るという意味で使う慣用句です。一方、「二度あることは三度ある」は三回目も一回目・二回目と同じ結果が出るだろうという意味で使います。
・また泥棒に入られたの?二度あることは三度あるというから、戸締りに注意してね
・昨日から失くしものばかりしている。二度あることは三度あるから、また何か失くすかも
・二度あることは三度あるっていうでしょ。きっと次の試験も落ちるにちがいない
三度目の正直を正しい意味で使おう
「三度目の正直」は、三回目でようやく本来の力や持っている運が発揮されるという意味の言葉です。対義語には「二度あることは三度ある」があります。いずれも正しく意味を理解し、適切なシチュエーションで使用しましょう。
▼あわせて読みたい