指標とはいったい何のこと?
経営指標、統計指標、テクニカル指標など、経済関連のニュースや記事では、しばしば見聞きする「指標」という言葉。しかしながら、「指標」という言葉が持つ意味を十分に理解し、使えている人は少ないかもしれません。ビジネスにおいては非常に重要な言葉でありますので、ここで改めて、押さえておきましょう。
そこで、本記事では指標の意味について詳しく解説します。指標とセットで覚えておきたいビジネス用語の目標や指針についても、一緒にチェックしておきましょう。
指標の意味
まずは、指標の意味について。「指標」とは、「物事の判断や評価の基準となる目印」のこと。このほかに「計算尺の目盛りを読むための付属具」や「数学の分野で正数の常用対数を整数と正の少数との和として表す際の整数の部分」という意味もあります。
ビジネスにおける指標
ビジネスにおける指標は、「目標をどのくらい達成できたか」を評価するための目印ということになります。ここで重要なキーワードがKPI。「Key Performance Indicator」を略したもので、日本語では「重要業績評価指標」といいます。
KPIは、事業目標を達成するために、目標に対しての達成度合いを数値化して、計測できるようにした指標のこと。目標達成に必要なプロセスが、適切に実施されているかを数値化して評価するものです。
例えばSNSマーケティングでは、「企業の公式SNSのフォロワーを〇万人に増やす」「企業の公式SNSの〝いいね数〟を増やす」などといったことが指標として挙げられるでしょう。
目標との違いとは?
指標(KPI)について知ると、「それって目標とどう違うの?」という疑問が生まれます。しかし、指標と目標では意味が異なるため、混同しないように気を付けましょう。一言でまとめると指標は「物事の判断基準」、目標は「ゴール」です。
「目標」とは、「ある場所(達成したい物事)までたどり着くための目印」のこと。この目標を達成するために、今どの地点まで来ているのかという達成度をはかる基準が指標にあたります。
上記の例でいえば、目標は「SNS経由での売上を◯%アップする」などが挙げられるでしょう。そのための指標が「企業の公式SNSのフォロワーを〇万人に増やす」「企業の公式SNSの〝いいね数〟を増やす」ということになります。
指針との違いとは?
では指針とはどう違うのでしょう。「指針」とは「ある場所(達成したい物事)を進めるうえでたよりとなるもの」のことです。磁石盤や時計、メーターなどについている針を刺すこともあります。
先述したように、指標は「物事の判断基準」です。一方で指針は「物事の方向性」を表すという違いがあります。
指標の設定について
指標の意味と目標、指針との違いは理解できましたか? ビジネスにおいては、それぞれが重要な役割を果たします。続いては、指標の設定について押さえていきましょう。目標を達成するためのふさわしいKPIが設定できていなかったり、KPIを設定しても管理しきれずにいたりするケースも実際には少なくありません。
勤めている企業全体としての指標に限らず、自分のなかでの指標を明確にすることで、仕事へのモチベーションやパフォーマンスを高めることに繋がるでしょう。
1:業務内容の分析・再確認
まずは、行っている業務の内容を分析、再確認してみましょう。「何のためにやっているのか」や「プロセスがどうなっているか」を書きだしてみることで、指標を設定するために必要な改善点などを見つけやすくなります。
2:KGIを設定する
指標(KPI)とセットで覚えておきたい用語としてKGI(Key Goal Indicator)があります。「KGI」は日本語で「重要目標達成指標」「経営目標達成指標」などといわれます。最終的な達成目標を数値化したものがKGIです。例えば、「来年の4月までに売上目標〇万円」などがKGIになります。
いつまでにどのくらいの数字を達成するのかという具体的な数字を設定するのが、重要なポイントです。
3:指標やKGIの視覚化
KPIやKGIの強みは数値化できること。数値化できるということは、指標が明確になります。この特性を最大限活かすためには、常に確認できるようなシステムを使って、KPIとKGIを管理するのが望ましいでしょう。
KPIとKGIを取り入れる上でのポイント
設定した指標を達成する上での重要なポイントについて紹介します。
1:KPI・KGIの相互理解
社内全体でKPIとKGIを設定した場合、一丸となって達成するために取り組まなければなりません。そのため、正しく理解しているかを確認する作業は大切。KPIとKGIをなるべく具体的に定め、明確化する必要があります。
2:KPI・KGIの管理
細かく具体的に指標を定めることは大切です。しかし、KPIが増えすぎたり到底実現できなさそうなKGIを設定したりすると、それらをマネジメントすることができなくなってしまいます。達成するどころか破綻してしまっては、本末転倒です。
3:KPI・KGIの確認と更新
KPIとKGIを視覚化するメリットは、随時軌道修正や改善ができるということ。過去に設定したKPIやKGIは、状況の変化によっては適さないケースも出てきます。
間違った指標や目標で事業を継続しても、思うような成果は上げられないでしょう。それを防ぐために、定期的にKPIやKGIを確認し、更新していくことが求められます。
最後に
本記事では指標について解説しました。ビジネスにおいて、指標とはとても大切な要素です。指標とセットで覚えておきたい、目標や指針についても紹介しました。ついつい混同しがちですが、それぞれの本質を掴んで、ビジネスをより円滑に進めていきたいですね。
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