精査とは?意味と使い方をチェック
精査とは、どのような意味を持ち、どのような使われ方をする言葉なのでしょうか? まずは、基本的な意味と使い方から紹介します。
「詳しく調べる」という意味
精査の「精」には、「詳しいこと」「入念に手を加えること」「力を尽くして励むこと」という意味があります。「査」は、「調べる」という意味がある言葉です。これらのことから、「精査」の意味は「詳しく調べる」「より入念に調べる」「精密に調査する」となります。
基本的な意味としては、「調べる」や「調査」と同じですが、より詳細かつ念入りなニュアンスを込めたいときに多く使われる言葉です。
ビジネスシーンでの使い方
「仕事で精査という言葉をよく見聞きする」という人もいるのではないでしょうか。ビジネスシーンでの「精査」は、契約書などの書類や製品を丁寧に確認したり、不備を細かくチェックしたりする場面で使われます。
〈例文〉
●納品物について、ご精査のほどよろしくお願いいたします
●ご提案いただいた件について、弊社にて精査の上、回答いたします
仕事上のやりとりで、「しっかりと確認する」ことを伝えたいときに便利な言い回しです。
精査という言葉が使われる業界
精査は、特定の業界において特によく使われる言葉です。精査が使われる主な業界と、基本的な使い方を紹介します。
医療機関
医療機関で健康診断などの検査を行ったとき、結果に「要精査」と記載されている場合があります。
要精査は「要精密検査」の略語です。つまり、医療機関での「要精査」には「専門医を受診し、さらに詳しく調べてください」という意味が込められています。必ずしも問題があるとは言い切れないものの、疑わしい何かがあり、詳しく調べる必要があるときに使われる言葉です。
金融機関
金融機関では、営業時間終了後に必ず行う一連の作業を「精査」と呼びます。
一般的な企業では、月次や四半期など、一定の期間で決算を行います。しかし、お金の扱いそのものが業務となる金融機関の場合、営業日は毎日決算処理を行わなければなりません。
営業時間が終了すると、窓口での入出金・ATMでの入出金・口座間取引など、1日のお金の流れをすべて整理し、残高と照会します。この過程を「現金精査」といい、略して「精査」と呼ばれています。
会計監査
精査は、会計監査の現場でも使われる言葉です。日本公認会計士協会では「精査」について、「すべての項目・取引について監査をすること」としています。
対象となる企業規模にもよりますが、監査を行うにあたり、すべての会計処理について確認するのは現実的ではありません。そのため、特に大企業での監査では、一部の項目をもとに調査する「試査」を行うのが一般的です。
これに対し「精査」では、あらゆる項目を漏れのないようにチェックします。会計処理の内容をすべて詳細にチェックすることが、会計監査における「精査」です。
精査の類義語
精査には、似たような意味がある類義語がいくつか存在します。特に頻繁に使われる言葉について、紹介します。
検査
検査は、ある基準のもと、適正か異状はないかなどを調べることをいいます。具体的には、「学力検査」「血液検査」「体力検査」などが挙げられます。
〈例文〉
●3度目の血液検査でやっと数値が基準を下回り、退院のめどがついた
●入場時の手荷物検査で引っかかった持ち物は、問答無用で没収とのことだ
何かを調べるという点は「精査」と同じですが、精査の「入念に」「詳しく」「精密に」といったニュアンスは「検査」にはありません。ニュアンスの違いを使い分けのヒントにしましょう。
調査
調査は「精査」や「検査」と同じく、調べることを意味する言葉です。ただし「精査」「検査」とは使われ方が違うため、正しく理解しておく必要があります。
「精査」や「検査」は、特定の対象について調べることをいいます。一方で「調査」は、対象の実態や動向を明らかにするため、一度に幅広く調べることを指す言葉です。
〈例文〉
●国税調査は5年ごとに行われます
●今回の調査対象は、30代~40代の男性です
査収
査収は、品物・お金・書類などを調べた上で受け取ることをいいます。
「査収」と「精査」は、どちらも調べるという意味がある言葉ですが、「査収」は何かを受け取ってもらうことを前提としています。
〈例文〉
●7月度の請求書を送付いたしました。ご査収の程よろしくお願いいたします
●必要書類を一式同封しましたのでご査収ください
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