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LIFESTYLE 雑学

2024.02.26

モラルとは何? モラハラや企業モラルなどもわかりやすく解説

家庭でのモラルハラスメントとは

家庭で行われるモラルハラスメントは、家庭内暴力の一種です。たとえば、パートナーが上から目線の態度でやることなすこと全てを否定したり、家事育児など家庭の仕事に協力しなかったりなどが挙げられます。

夫から妻だけでなく、妻から夫へ起こるケースもあります。また、機嫌よくしていると思ったら急に怒鳴ったり、話しかけても何も反応しなかったり、相手にとって大切なものを捨てたりなども、モラルハラスメントに当たるといえるでしょう。

加害者がモラルハラスメントをするのは、外から見えない家庭の中でのみで、外では好印象をもたれることが多いようです。加害者の外の顔と内の顔のギャップに、被害者が悩むこともあるといいます。

モラルを含む言葉「企業モラル」

「企業モラル」は、企業が社会的に守るべき倫理・道徳を示す言葉です。また近年では、企業が行う環境や社会貢献への取り組みにも、モラルが求められるようになってきているのも特徴です。

企業モラルの有無がどのような影響を与えるのか、また「企業モラル」と「企業コンプライアンス」との関係についても解説します。

積み重ねられた紙の資料

(c)AdobeStock

企業モラルは信頼に影響する

何か問題が起こったときにそれを隠したり、問題をうやむやにして責任を逃れようとしたりといった体制は、企業モラルがない状態ともいえます。

このような体制であることが外部へ漏れれば、企業は信頼を失うことになるでしょう。信頼を失えば、顧客や投資家は離れていきます。

近年は、投資家に高いモラルが求められるようになってきているため、単に業績がよいだけでは投資の対象にならないことも珍しくありません業績のよさに加え、環境問題・社会問題への取り組みなども注目されています。

顧客や投資家が離れていけば、企業は存続が難しくなるでしょう。長く続いている企業の多くがモラルを重視しているのは、信頼を獲得するためともいえます。

企業コンプライアンスとの関係

コンプライアンスとは、法令遵守のことです。企業コンプライアンスというと、「企業活動を行う上で法令を守ること」を意味します。

ただし、法令さえ守っていればよいというわけではありません。法令で定められていなくても、守るべき社会的規範・モラルがあるためです。

法令を遵守することに加え、企業モラルを守ることを、企業コンプライアンスに含めることもあります。

組織の活動自体がモラルに反していたり、モラルに反した方法で利益を上げていたりする場合はもちろん、従業員1人の倫理的ではない行動が大きな問題に発展することもあり得るのです。

他にもあるモラルを含む言葉

モラルを含む言葉はさまざまにあります。モラルハラスメントや企業モラル以外にも、「モラルハザード」「モラルエデュケーション」「情報モラル」などの言葉があります。それぞれの意味をチェックしましょう。

会議している人たちのイメージイラスト

(C)Adobe Stock

モラルハザード

「モラル」に、危険・障害物といった意味を持つ「hazard(ハザード)」をつなげた「モラルハザード」は、もともとは保険業界の言葉です。モラルハザードとは、危険回避のための仕組みを整備することで、かえって危機管理やリスク回避に対する意識が軽薄化し、結果として危険や事故の発生確率が高まってしまう状態のこと。保険に入っている安心感による事故の増加のことを指していました。

このことから転じて、「倫理観・責任感の欠如」といった意味でも使われています。

モラル‐ハザード(moral hazard)
《道徳の欠如、倫理の欠如の意》金融機関や預金者が道徳的節度を失って行動すること。金融機関が過当競争から預金保険制度を過度に充実した結果、大口預金者が多くの利子をかせごうとして経営があやぶまれている銀行にも預金したり、また、高い利子を支払って資金集めをした金融機関がリスクの高い貸付先に高金利で融資し、経営悪化を招いたりするケースなど。

モラルエデュケーション

「education(エデュケーション)」は、「教育」を意味する言葉。「モラルエデュケーション」というと、「モラルについての教育」という意味になります。

子供向けのモラルエデュケーションとして代表的なのは、学校で行われる道徳の授業です。企業で従業員向けに実施されるモラルについての研修も、モラルエデュケーションといいます。

情報モラル

スマホ・タブレット・パソコンなどのデバイスを使い、誰もが情報の受発信をできる情報社会で必要なのが「情報モラル」です。

情報を発信したときに他者へどのような影響を与えるのか、情報を正しく安全に使うにはどうすればよいか、デバイスを健康的に活用するにはどうすればよいか、などの知識のことを指します。

情報社会において、情報モラルを持って活動するために行われる教育を「情報モラル教育」といいます。

じょうほう‐モラル〔ジヤウホウ‐〕【情報モラル】
情報化社会で適切に活動するための倫理。特に、インターネットの利用によって、自らを危険にさらしたり、他者を害したりしないようにするための考え方や道徳上の規範を指す。情報倫理。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

参考:第5章 情報モラル教育 – 文部科学省

モラルサポート

「モラル」に、支えるという意味の「support(サポート)」を組み合わせた「モラルサポート」は、「心の支え」「精神的支援」を意味する言葉です。モラルサポートを行うときには、言葉や態度などで賛同・励ましを表します。

たとえば、被災地を政治家・著名人などが訪れるのも、モラルサポートの一種といえます。金銭・物資などによるサポートは含まれません。

モラルジレンマ

「dilemma(ジレンマ)」とは、二つの選択肢のどちらを選んでも、何かしらマイナスの結果が出る状態を指します。「モラルジレンマ」というと、複数の倫理的・道徳的な価値観の中で、悩み葛藤することです。

たとえば、以下に紹介する「トロッコ問題」は、モラルジレンマを取り上げた問いとしてよく知られています。

「制御が効かないトロッコの進む先には5人の作業員がおり、このままでは5人を巻き込む事故が起こります。あなたの手元にはレバーがあり、操作すればトロッコの線路を切り替え可能です。ただし、切り替えた先には1人の作業員がいます。あなたはレバーを操作しますか?」

レバーを操作すれば5人を助けられる代わりに1人が犠牲になり、何もしなければそのまま5人が犠牲になります。「多数のために少数を犠牲にしてよいのだろうか? 」という道徳的なテーマを取り上げた問題です。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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