僥倖とは?
僥倖は、「ぎょうこう」と読みます。思いもよらない幸福という意味です。僥倖の「僥」には「求める・願う」という意味があり、「倖」には思いがけず得られた幸福という意味があります。
僥倖を使うシーンは、主に「幸福が突然舞い込んだとき」と「思わぬ幸せを願うとき」の2つに分けられます。
ここでは、僥倖という言葉の由来や正しい使い方をみていきましょう。
分解して言葉の意味を調べる
僥倖の「僥」という漢字は「人」と「堯」から成り立ち、「堯」には「気高い」という意味があります。これらを合わせた「僥」は、気高く崇高な人というニュアンスです。
「倖」は「人」と「幸」から成り立ち、「幸い」「思いもよらぬ幸運」という意味があります。このような2つの漢字が一緒になり、「なかなか手に入らない気高い幸運が思いがけず手に入る」という意味になっています。
正しい使い方
僥倖は主に「思いもよらない幸運が舞い込んだとき」と「偶然の幸せが訪れるのを願うとき」に使います。「僥倖です」「僥倖が起きた」といった使い方が一般的です。
「偶然の幸せを願うとき」は、「僥倖を待つ」「僥倖に期待する」といった使い方をします。
僥倖にはフォーマルなイメージがあり、日常的な会話ではあまり使われない言葉です。目上の人や取引先への文書など、あらたまった場面で使うことが多いでしょう。
僥倖の例文
僥倖を使った例文をいくつかご紹介します。例文をみて、僥倖という言葉への理解を深めましょう。
・彼の手腕がなければ、会社の業績をここまで伸ばすことはできなかった。彼を役員に迎えたことは、会社にとって僥倖だったといえる
・1枚だけ購入した宝くじで100万円を獲得したのは、僥倖というしかない
・チームはあらゆる手段を使って反撃を試みたが、逆転できなかった。このあとは、僥倖を期待するしかないだろう
・初出場で金メダルを獲得できたのは、僥倖というほかはない
・できる限りの努力はしてきたので、あとは僥倖に頼るしかないと思っている
・思いがけず新商品がヒットして、前年より売上が2倍にアップしたのは僥倖だった
僥倖の類義語
僥倖には多くの類義語があるため、一緒に覚えておけば語彙が増え、表現に幅ができます。
僥倖の類義語には、次の言葉があげられます。
・好機(こうき)
・奇貨(きか)
・棚から牡丹餅(たなからぼたもち)
・もっけの幸い(もっけのさいわい)
好機とは、物事をするのにちょうどよい機会という意味です。奇貨とは、利用すれば思いがけない利益が得られる品物や機会を指します。
その他の類義語である「棚から牡丹餅」と「もっけの幸い」について、さらに詳しくみていきましょう。