可否ってどういう意味?
ビジネス用語としてもよく目にする可否は、幅広い意味を持った言葉です。可否の正しい意味と、ビジネスシーンでの使い方について解説します。
「可能か否か」「(物事の)よしあし」
「可否」は「できるかできないか」という意味を持ち、物事の実現性を問う場合に使用します。ビジネスシーンでは「プロジェクトの実施可否について検討中です」のような用法が一般的です。
また、可否は物事のよしあしを問う場面、賛成か否かを決める場面でも使われることを覚えておきましょう。可能・不可能を示すだけでなく、物事に対する賛否や善悪といった幅広いニュアンスを含んでいるのが特徴です。
か‐ひ【可否】
1. よいかよくないか。事のよしあし。
2. 賛成と不賛成。可決と否決。
小学館 『デジタル大辞泉』より引用
「可能性の有無」を簡潔に表現できる可否は、ビジネス文書やメールでよく見かける言葉です。あくまでもフォーマルな表現なので、友人との会話などカジュアルな場面での使用には注意しましょう。
ビジネスシーンでの使い方
仕事上では、会議の日程調整や参加・不参加を尋ねる場面などでよく使われます。「ご出席の可否をお知らせください」「当企画の実施可否についてご判断いただきたく存じます」といった表現を覚えておくと便利です。
また、相手に回答を求めるだけでなく、選択肢を提示する際にも有効に利用できます。「新規事業への参画可否をご検討ください」のように使うことで、相手の意思決定を促す効果があるのです。
可否は比較的堅い表現であり、上司や取引先とのやりとりに使われることがほとんどです。同僚や知人との気軽なコミュニケーションでは、ややかしこまった印象を与えるかもしれません。
可否を問われたときの答え方
可否という言葉はイベントなどに参加するかどうか、対応が可能かどうかを尋ねる際に使用されます。可否を聞かれたとき、どのように答えればよいかを紹介します。
「可」の場合
相手の要望や提案を受け入れる場合は単に「可能」と答えるだけでなく、丁寧な表現を心がけましょう。「会議の日程変更は可能です」「承知いたしました。ご提案の件については対応可能です」などのように答えるのが無難です。
条件付きで承諾する場合は、その旨を明確に伝えることも重要です。たとえば、「原則としては難しいですが、○○の条件が整えば可能です」と前提条件を示しておくと、後々のトラブルを防ぐことにつながります。
可能であると伝えるのに付け加えて、次のステップや必要な手続きにも言及すると、より円滑なコミュニケーションが図れます。「ご要望の件は可能です。詳細な日程調整は担当者から〇日までにご連絡いたします」のように具体的な行動計画を示すことで、スムーズに作業を進めることができるでしょう。
「否」の場合
要望や提案を断るときや参加できないと伝えるときは、相手の立場を尊重した答え方を意識します。「申し訳ございませんが、ご提案の件については現時点で対応が難しい状況です」といった表現が一般的です。
また、断る理由をしっかりと説明することも必要です。「社内規定により、○○の理由でご承諾いたしかねます」のように、相手が納得できる根拠を提示すると理解も得やすくなります。
「今回のご提案の受諾は難しいですが、代わりにこのような方法であれば~」など、代替案を示す方法もあります。「現在はお受けできませんが、今後状況が変わりましたら再検討いたします」と将来的な可能性を示唆しておくのも、良好な関係を維持するポイントです。
可否の類語もチェック
可否は書き言葉であり、主にメールなどの文書で使われます。言い換えに役立つ表現として、可否と似た意味を持つ類語を3つ紹介します。
可不可
「可不可」は文字通り「可能か不可能か」を表しており、可否と近い意味を持つ言葉です。できるかできないかを確認する場面で、ビジネス用語としてもよく使用されています。
可否と同様に「よしあし」という意味も含まれているものの、可能かどうかを問う際に使われることが多いのも特徴です。「今回の会議でプロジェクトの可不可を問う」「参加の可不可をお知らせください」などの使い方があります。
文書では「可否」や「可不可」の代わりに「実施の有無」「参加の可能性」といった具体的な表現を使うこともあるようです。問われた際、単に「可」「不可」と返答するのは無機質な印象を与えるため、状況に応じて丁寧な言い回しを心がけることが大切です。
是非
是非は「正しいか正しくないか」「よいか悪いか」を意味しており、善悪や正しさを問いかける際に使うのがポイントです。
可否と似た意味を持つ言葉ですが、是非には物事の合理性だけでなく〝倫理的にどうか〟を問う意味合いも含まれており微妙な違いがあります。例を挙げると、「この計画の是非について議論しましょう」といった使い方をします。
また、是非には「必ず」「なにとぞ」などの意味も含まれます。「是非ご一緒させてください」「是非また家にいらしてください」のように、なにかを強く望むときの表現としても使われるため覚えておくことをおすすめします。
有無
「有無」は一般的に、物事や事柄が「あるかないか」を表す言葉です。可否が「できるかできないか」を問うのに対し、有無は「何らかの対象が存在するかどうか」を確かめる際に使用します。
ビジネスシーンでは「書類の有無」や「経験の有無」など、さまざまな場面で活用されるのが特徴です。日常生活でも、イベントなどの際に「参加者の有無を確認する」といった使い方ができます。
ビジネス文書で「有無」を使用する際は、尋ねる対象を明確にすることが重要です。「返信の有無」と書くよりも「本日中のご返信の有無」と表現するなど、より詳細に伝えることでスムーズなコミュニケーションにつながります。
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