学歴コンプレックスについて知ろう
実力主義が広がってきたとはいえ、まだまだ学歴社会の風習も残っている日本。社会的な信用、就活の際のハードルも、学歴と関連することも多く、それゆえにコンプレックスを抱く人も少なくありません。
そもそも学歴コンプレックスとは?
学歴コンプレックスとは、自分の学歴に「劣等感」を覚えることを表した言葉です。人を学歴で判断する会社や人が存在する以上、学歴を強く意識してしまうのは仕方ないことかもしれません。同じ学歴コンプレックスでも、自分の学歴に自信がなくて落ち込む人もいれば、自分より学歴がよい人をねたんで攻撃的になる人もいます。
いずれのタイプも事あるごとに学歴を比べては、負の感情に支配されがちです。物事が順調に進まないと学歴のせいにする傾向もあります。
共通する特徴とは?
学歴コンプレックスを抱いている人は、人と会うたびに学歴のことが頭に浮かんで離れません。学歴の話題を自分から積極的に振る人も避ける人も「傷つきたくない」という強い思いは共通しています。
他人の学歴と比較してしまう
学歴コンプレックスの人は学歴への関心やこだわりが強く、相手の学歴も知りたがります。相手よりも高学歴であることが判明したら、自分が優れていることを自慢したり、相手を下に見るような言動に走ったりするのも特徴のひとつです。
相手のほうが高学歴の場合は素直に褒めて「自分がその大学に入れていたら…」と妄想をふくらませる人もいます。相手のよいところばかりが目について「それに比べて自分は…」と落ち込みやすい人も、学歴を比較するのがクセになりがちです。
また、自分自身の学歴が低いと感じていると、「あの時にこんな事がなければ」など「たられば」で自分の中で逃げ道をつくり、正当化することもあります。
自虐ネタとして使ってしまう
学歴の話になると「すごい!私みたいな低学歴とは大違いだね!」などと言って自虐する人も少なくありません。学歴を気にしていない素振りをするのは、見下されたり哀れみの目で見られたりしないための一種の自己防衛です。「でも○○さんのほうが稼いでるじゃん!」などと褒めてもらうことで、自信を取り戻したいと考えている人もいるようです。
自虐と「受験と祖母の病気が重なってしまって…」といった言い訳がセットになるのもよくある傾向です。「本当はもっと上のランクの大学に行けたはず」とほのめかすことで、プライドを守ろうとします。
学歴の話題を避けようとする
劣等感を抱きながらも自ら積極的に学歴の話題を振る人もいれば、コンプレックスがゆえに話したがらない人もいます。学歴の話になりそうになったら、話をそらそうとしたり黙り込んだりすることもしばしばです。会社や同窓会などでも自分より高学歴の人を避けて、これ以上傷つかないように自衛します。
学歴と直結する給料の話も苦手です。同じ職種でも高卒より大卒のほうが給料が高いなど学歴が稼ぎを左右する場合も多々あり、劣等感にさいなまれてしまいます。
ブランド品を身に着けたり、夫や家族の学歴自慢をする
自分の中で劣等感をもったり、引け目を感じているからこそ、ブランドに身を包んだり、交際や結婚する相手にハイスペックを求めたりする傾向もあります。家族の中にそういう人がいることを自慢して、自己顕示欲を見せつけることで、自分の中劣等感をかき消そうとする心理が働きます。
何かにつけてマウントを取とったり、自慢をしようとする
自分学歴に引け目を感じているからこそ、それ以外の部分で「自分は偉い」と相手より大きく見せようとする心理が働きます。 何かで得た知識があったら、それをひけらかそうとする人もここに含まれます。
コンプレックスの原因とは
学歴コンプレックスに陥る人の中には、学歴への執着がもともと強い人もいます。学歴コンプレックスとは無縁だったはずが大学入学や就職を機に劣等感を抱き、コンプレックスが根付くこともあるようです。
志望校に不合格だったから
有名な一流大学を卒業していても、学歴コンプレックスに陥るケースも多く見られます。友だちと遊びたくても恋愛したくても我慢するなど、さまざまなことを犠牲にして勉強に打ち込んできたからこそ、志望校に合格できなかったときのショックが大きくなってしまうのです。
小中高まで学年トップの成績を取り続けてきた人の場合、プライドの高さが災いする場合もあります。大学や社会で自分より上の存在がいることを目の当たりにすることで自信が崩れ落ち、コンプレックスを抱くケースもめずらしくありません。
自分の学歴に自信がないから
学歴に自信がなくてコンプレックスを抱く人もいます。学歴に自信がもてないのは、入試の偏差値や大学の知名度に強くこだわっているからこそです。学歴コンプレックスがゆえに努力して出世しても、高学歴の人が集まるような環境に身を置くと、学歴への自信のなさから息苦しさを感じてしまう人もいます。
「思いきり遊びたいから」という理由で大学を選んだ結果、後からコンプレックスを抱くケースもめずらしくありません。社会に出てから仕事や給料などに不満を感じたときに「もっと勉強しておけばよかった」と後悔して、劣等感が沸き起こります。