【目次】
・玄米とは
・どのような効果が期待できる?
・玄米のおいしい炊き方
・玄米を食べるときのよくある疑問
玄米とは
玄米とは、米のもみ殻を除いた、ぬかと胚芽が残っている米のこと。健康意識の高い人の中には、主食の白米を玄米に置き換えている人も、体にいいのであれば試してみたいと興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、現代人にとって玄米は白米ほど身近ではなく、知らないことも多いもの。栄養素や食べ方など気になるポイントはたくさんありますが、まずは玄米とは何かを確認しておきましょう。
もみ殻を取り除いただけの未精製米
玄米は、稲の果実である「もみ」からもみ殻だけを取り除いた状態のものを指します。一般的によく食べられている白米は精製によって種皮、澱粉層、ぬか層、果皮、胚芽を取り除いた状態であり、胚乳のみを残した状態です。玄米は、白米への精製段階で取り除く部分をすべて残しています。
つまり、食べ慣れている白米と玄米はもともと同じお米であり、精製の度合いによって呼び名が違ってくるということです。
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白米との違い
わたしたちが食べることを考えたとき、白米と玄米には大きな差がみられます。
玄米は白米を精製する過程で取り除く部位を残しているため、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分を豊富に含んでいます。特に食物繊維は白米の4~6倍もあります。
ただし、精製していない分、白米よりも食べにくく、慣れるまでは独特の味や食感が気になりがち。炊飯に時間がかかる点もデメリットといえます。
どのような効果が期待できる?
玄米とは何か、どんな特徴があるのかを知ると、次に気になるのが肝心の効果です。美容・健康への効果が期待できるなら、多少調理に手間がかかり食べ慣れるのに時間がかかるとしても、チャレンジしてみたいものですよね。
玄米に含まれている栄養素が、人間の体でどのような働きをするのかを解説します。
便秘改善
玄米に含まれている食物繊維は、消化されにくいため、便通をよくする働きや腸の働きを活発にして有害物質を運び出すため便秘解消効果が期待できます。ポッコリお腹が改善されるかもしれません。
食物繊維以外にも、玄米に含まれているビタミン類や酵素、ミネラルなどは腸内環境を改善して代謝を良くするため、玄米は健康を心がける人にもってこいの食品とされます。
また、玄米は白米よりも噛む回数が増えるため、熱産生があがり、自然と1回あたりの食事量や間食の回数が少なくなり、食べすぎ防止にも役立ちます。
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体調を整える
玄米を食べることで腸内環境が改善されると便通もよくなり、有害物質を送り出し、有益な栄養を取り入れる事で、免疫機能正常化への貢献が期待できます。免疫が高まって風邪をひくことが少なくなったり、体調の不良や疾患リスクが軽減されたりする可能性があるのです。
そのほか、玄米に多く含まれる食物繊維はコレステロール値の低下や高血圧の低下など、現代人が気になる数値を改善する働きが期待されます。
美肌効果
便秘改善など腸内環境が整うと、体に必要な栄養素の吸収効率が高まるため、肌の新陳代謝機能が活発化し、肌トラブルが解消され美肌効果が期待できるのです。
また、玄米に含まれている栄養素の一つであるビタミンEは肌の老化の原因となる酸化を防ぎ細胞を守るため、肌を若々しく健康に保つために役立つとされます。
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玄米のおいしい炊き方
玄米に期待できる働きが分かったところで、やっぱり気になるのが味。どんなに美容・健康によいといわれても、毎日食べるものはおいしくなければなかなか継続できないものですよね。
特に家族で玄米生活にチャレンジするには、消化吸収率が低く、表皮が硬いので炊飯にコツがいります。少しでもおいしくなければ家族からの不満が出る可能性もあります。
玄米のおいしい炊き方をここでしっかり押さえておきましょう。
下準備
玄米は精製済の白米とは違い、炊飯が難しいため、きちんと下準備することが大切です。まずは必要な量を計り終えた玄米をざるやボウルに入れて、水にさらします。水の中でかき回していると、ごみやほこりなどの不純物が浮いてくるため、すべて取り除きましょう。
不純物が除去できたら、玄米を両手でこすりあわせてもみ洗いします。玄米を研ぐことが目的ではなく、表面の「ぬか」に傷を付けて、玄米が水を吸い上げやすくすることが狙いです。玄米は白米のように研ぐ必要はありません。
その後、玄米の中心部分まで水を浸透させるため、2~3時間水につけ置きしましょう。寒い季節はなかなか水が浸透しないため、5~6時間に調整します。傷みが気になるのであれば夏は冷蔵庫で保管しましょう。
ちゃんと水を吸収した玄米はふっくら炊き上がりますよ。
炊飯器で炊く場合
玄米を炊飯器で炊く場合は、基本的に白米を炊くときと同じです。各電気メーカーが販売している多くの炊飯器には玄米モードが搭載されているため、水加減や炊飯時間を炊飯器の説明通りにセットすれば問題なく炊けます。
炊飯器の炊飯モードには、玄米が吸水する時間が考慮されているため、下準備として説明した事前の吸水作業は省いても大丈夫です。
ただし、実際に炊いてみると思ったよりも硬く炊けてしまい食べにくい、というケースがあります。一度炊いてみて、改善が必要だと思った場合は、やはり事前に1~2時間浸水しておきましょう。
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土鍋で炊く場合
土鍋でお米を炊くのはコツがいります。計量した玄米と水を鍋に入れたら、まずは中火で沸騰させます。沸騰したことを確認したら弱火にして20~25分炊きます。
沸騰させている間、土鍋の穴からは水蒸気が出続けます。水蒸気の量が少なくなり、勢いが弱まってきたら、一度土鍋の蓋を開けましょう。土鍋の中の水分がなくなっていれば、火を強火に調節して水分を飛ばします。その後、蓋をして10分程度蒸らせば完成です。
圧力鍋で炊く場合
圧力鍋で炊く場合も、炊飯中に火の調整が必要となります。まず圧力鍋の設定を高圧にし、強火で炊きましょう。炊いているうちに鍋に圧力がかかったら弱火に切り替えます。
火の加減は、鍋から出ている蒸気の量で判断しましょう。蒸気が多すぎる場合は火が強すぎるサインなので、少し火を弱めます。
土鍋や圧力鍋で炊く場合は、塩を少々(玄米2合なた、小さじ1/2)を加えて、水とよく混ぜて炊くと、ふっくらやわらかく炊けます。
最後は強火で水分を十分に飛ばしたら、火を止めて蒸らしましょう。圧力鍋の圧力が抜けたことを確認したら、炊き上がりを確認します。柔らかく炊き上がっていれば完成です。
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玄米を食べるときのよくある疑問
玄米を食べることのメリットについて注目が集まる一方で、一部ネガティブな意見も見られます。大切な家族が口にするものだからこそ、心配なポイントがあれば解消しておきたいものです。
玄米を食べるときに多くの人が感じる疑問について解説します。
残留農薬は大丈夫?
玄米は精製されていないため、表面の「ぬか」が残っている状態です。そのため、残留農薬が白米に比べると多いとされています。
農薬が残留が微量でも、できる限り農薬は体に入れたくないという人が大半です。その場合は、玄米の下準備時にしっかり玄米を洗いましょう。
玄米を充分に洗うことで約7%の農薬除去、さらに炊飯すると約4%の農薬除去が期待できます。
できるだけ農薬を避けたい場合は、「有機JASマーク」が付いている玄米の中でも「農薬未使用」と表記されているものを選ぶと安心です。
食べすぎるとミネラル不足になる?
玄米には「フィチン」という成分が含まれており、体内に入って分解され「フィチン酸」に変化すると、体内のミネラルを汗や尿とともに排出してしまう働きを持っています。そのため、玄米の食べすぎがカルシウム、鉄分などの吸収を阻害してミネラル不足を招くとされているのです。
しかしながら、フィチンはもともとミネラルとフィチン酸が結合したものであり、玄米を食べた時点で新たなミネラルが豊富に体内に入ってきています。健康トラブルが心配されるほど、ミネラル不足になることは考えにくいでしょう。
さらに、ミネラルを排出するフィチンの働きは、玄米を6~8時間浸水することで弱めることができます。それでも心配な人は、食卓にカルシウムや鉄などミネラルが豊富な乳製品や海藻類などを使ったおかずを出して工夫するのがおすすめです。
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