「才気煥発」の読み方と意味
正しい読み方は「さいきかんぱつ」
前半の「才気」は、頭脳が活発で気付きがよく、ものごとを巧みに処理する能力を意味します。後半の「煥発」は、火が燃え出るように美しく光り輝くさまを表します。なお同じ読み方で漢字も似ている「渙発」は、詔勅を広く国内外に発布することを意味する言葉で、全く意味が異なるため注意しましょう。
才能が溢れ出している人を表す言葉
才気煥発とは、誰から見ても才能に満ち溢れている人を指して使う言葉です。デジタル大辞泉での解説も確認しておきましょう。
【才気煥発】さいきかんぱつ
[名・形動](スル)すぐれた才知の働きが盛んに現れること。また、そのさま。「才気煥発な人」
「―する少壮歌人」〈小林秀雄・西行〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
頭の良さや機転の利いた行動の素晴らしさが輝き、隠しようのない状態にあることを示しています。どの程度の人物を才気煥発と表現するかの基準はありませんが、多くの人々が驚くような才能を持った人を指して使うとよいでしょう。
「才気煥発」3つの類義語
才気煥発の言い換えに使える、3つの類義語をご紹介します。
・才気横溢(さいきおういつ)
・才華爛発(さいからんぱつ)
・才学非凡(さいがくひぼん)
類似表現ごとの微妙なニュアンスの違いをマスターすれば、さらに表現力をアップさせられます。才気煥発と一緒に使いこなせるようにしましょう。
才気横溢(さいきおういつ)
3つの類似表現の中でも才気煥発の言い換えに使いやすい表現です。意味もほぼ同様で、素晴らしい才能が溢れるほど盛んであることを意味します。
後半の「横溢」は、気力などが溢れるほど盛んである様子を意味する言葉です。例えば「まだまだ若い鈴木さんは、活気が横溢しているようです」といった表現で用いられます。
才華爛発(さいからんぱつ)
秀でた才能が溢れ出ている様子を描写した言葉です。全体での意味だけではなく、言葉の成り立ちも才気煥発と似ている点に注目してみてください。「才華」は素晴らしい才能を意味し「爛発」は鮮やかに現れるさまを表します。
才学非凡(さいがくひぼん)
学問において優れた能力を秘めていることを意味します。「才学」とは、才能と学問を表し、才気と比べると勉強面での才能というニュアンスが強まります。「非凡」は読んで字のごとく、普通の人とは違った能力を持っているという意味です。
「才気煥発」3つの対義語
才気煥発の対義語として、以下の3つの表現をご紹介します。
・臥竜鳳雛(がりょうほうすう)/伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)
・孔明臥竜(こうめいがりょう)
どの言葉も読み方の難易度が高く、この機会に覚えておきましょう。3つの表現を詳しく解説します。
臥竜鳳雛(がりょうほうすう)・伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)
どちらも伏した竜と鳳凰の雛を意味し、転じて才能に恵まれているのにも関わらず、世間に知られていないことを意味する言葉です。優れた才能がある点では才気煥発と同じですが、せっかくの力を示す機会を得ていないのが違いです。
一方で、今は才能を発揮できなくても、将来的に大きく羽ばたく機会が訪れるとして、将来有望な若者を指して「臥竜鳳雛」「伏竜鳳雛」を使うこともあります。
孔明臥竜(こうめいがりょう)
世間的には知られていないが、素晴らしい能力を持った人を指す言葉です。ひっそりと佇む竜のように、力を秘めている優れた人物を指して使えます。
臥竜鳳雛と似た表現ではありますが、こちらのほうが若干ポジティブなニュアンスが含まれているといえるでしょう。影の実力者を表現するには、ピッタリの言葉です。
なおご紹介した対義語は全て、『三国志』に由来した表現です。
「才気煥発」の使い方と例文
才気煥発の意味を理解できたところで、実際の使用シーンを意識して例文をチェック!普段の生活の中ではあまり馴染みがない表現だからこそ、使い方のポイントを押さえておきましょう。
見るからに才能に恵まれている人を形容して使う
才気煥発は、優れた才能を持った人を表す際に活用できる言葉です。隠れた実力者ではなく、誰の目から見ても素晴らしい相手に対して使うのがおすすめ。
ポジティブな印象を与える言葉であるため、才気煥発と表現された相手は嫌な気はしないはずです。しかし、若干堅苦しい印象を与えるため、仲の良い友達同士の会話というよりは、ビジネスシーンなどでの使用がメインとなるでしょう。
例文
・社長は若い時から才気煥発であると有名で、多くの友人や同僚から頼られる人であったらしい。
・面接に現れた才気煥発な志願者は審査員達を感心させ、入社後に営業部門で華やかな成績を残した。
・才気煥発な仲間が多い職場は、活気に溢れイキイキとしているものだ。
「才気煥発」を正しく使いこなそう!
才気煥発は、素晴らしい才能に恵まれた人物を指して使える言葉です。あまり聞きなれないかもしれませんが、ポジティブな意味をもつ言葉として利用できるシーンは多いでしょう。
言い換えとして使える表現や、相対する意味をもつ表現をマスターして、表現力の幅を広げてみてください。正しい読みと意味を知っておけば、いざ言葉を耳にした時に、落ち着いて対処できるはずです。