リスケの意味とは
ビジネス用語を会話の中でスムーズに使えるようになるには、言葉の正しい意味を知っておく必要があります。なんとなく雰囲気で使ってしまうと、誤った使い方をして恥をかいてしまうかもしれません。リスケの意味や類語との相違点を解説します。
「スケジュールを組み直す」という意味
リスケとは「スケジュールを組み替える」「プランを変更する」などの意味を持つビジネス用語です。語源は英語の「リスケジュール(reschedule)」で、カタカナ読みしたときの頭3文字を取った略語です。
リスケは予定の調整が必要な場面で使われます。例えば会議やミーティングのスケジュール調整を行う場面や、注文された商品の納期延長を報告するシーンなどで用いられるのが一般的です。他にも、デザインや仕様の変更を行うときにも使われます。
日本のビジネスシーンでは半ば常識として使われている傾向にあります。
金融業界では「返済計画の見直し」という意味
リスケは元々金融業界で使われていた用語でした。金融業界で使われる場合には「融資の返済計画を変更する・繰り延べる」という意味で使われます。
当初のプラン通りに借金を返済できなくなった企業が、銀行との話し合いを経て、月々の返済金額の減額や返済時期の後ろ倒しを行うことを指します。
一般的な仕事の場面で使われる場合と金融業界で使われる場合では、「当初のプランを変更する」という大きな意味では違いがありません。しかし金融業界で交わされる会話に登場するリスケの方が、使用されるシーンが限定的です。
「キャンセル」や「ドタキャン」との違い
意味合いが似ている言葉に「キャンセル」や「ドタキャン」があります。キャンセルは「当初の計画をなかったことにする」という意味の言葉です。予定の取り消しが主たる意味で、「予定を見直す」というニュアンスはありません。キャンセルを行った場合、スケジュールの再検討がなされないパターンもあります。
またドタキャンは「土壇場でキャンセル」の略語で、「約束や予定の実行を直前になって取りやめること」を指します。「計画の取り消しを直前に行う」のがドタキャンです。リスケは実施の時期を問わず、プランを調整する行為を指すので、直前になって取り消しだけを行うドタキャンとはニュアンスが異なります。
リスケの具体的な使い方
リスケの意味が理解できたら、今度は実際に活用できるようになるのが理想的。例文をチェックして、実際の仕事の場面でリスケがどのように用いられるのか確認しましょう。
ビジネスシーンで使われるリスケの例文
リスケを使った例文には以下のようなものがあります。
●明後日に計画されていたA社とのミーティングは、来週にリスケとなりました
●プレゼンが来週にリスケになったので、プレゼン内容を見直す時間ができました
●Bさんの歓迎会が再来週にリスケとなったため、お店の予約を取り直さなくてはいけません
●納品日のリスケはなんとしても避けたいから、人員を増やして生産ピッチの向上を図ろう
●部長の予定に合わせて会議が明後日にリスケされたので、Cさんにもその旨を伝えておいてください
全体への業務連絡や同僚との会話の中で使われるケースが多く、予定の変更をカジュアルに伝える場面で用いられるのが一般的です。
リスケをお願いするときの注意点
予定の変更をお願いするときに便利なリスケですが、使い方を誤ると相手に不快な思いをさせたり、スムーズに予定の変更が行えなかったりします。リスケを申し出るときに注意しておきたいポイントを解説します。
取引先や目上の人には「リスケ」を使わない
取引を行っている相手や上司に計画の変更を申し出るときは、リスケという単語を使うのは避けましょう。英語を短縮した単語として意味をなしているリスケは、相手に軽々しい印象を与えます。
誰彼構わず使うと「失礼な人」「TPOが分からない人」と判断される可能性も。略語での情報伝達がふさわしくないと思われる相手に予定の変更をお願いするときは、丁寧な言葉に言い換えるのがおすすめです。
例えば「こちらの都合で誠に申し訳ないのですが、ミーティングを実施する日時を調整していただけないでしょうか?」「イレギュラーな事態が起きて対応に追われているため、納期を後ろ倒しにしていただけないでしょうか?」など、異なる表現で予定の調整を丁寧に伝えましょう。
対面もしくは電話で伝える
予定の変更を申し出るときは、面と向かって伝えるのが理想的です。対面が難しいなら、せめて電話で知らせるようにしましょう。対面もしくは電話なら、日程の調整を確実に相手に伝えられます。
相手の状況を気にせず送れるメールは、さまざまな仕事の場面で重宝される存在です。ただ、メールはいつ読まれるか分かりません。もしスケジュールの調整を行う以前の日時までに読んでもらえなければ、相手は当初の計画通りに行動してしまいます。
万が一メールで予定の変更を知らせるときは、メールを送った後にフォローの電話を入れましょう。相手に迷惑がかからないよう、迅速に変更を伝えることが大切です。
リスケ後の日程は相手のスケジュールに合わせる
予定変更後の日程は、相手の都合に合わせて決めるのが鉄則です。相手に予定を合わせることで、相手に対する誠意を表現しましょう。
日程の調整は相手方に迷惑をかける行為です。計画通りにスケジュールが進まなくなり、相手は少なからず不利益を被ります。相手に与えるダメージを少なくするには、調整後のスケジュールを相手主体で決めてもらうのが理想的です。
「○月○日以降でご都合のよい日に変更していただけないでしょうか?」「○月○日~○月○日の間で再度ご検討いただけないでしょうか?」などの言葉を添え、複数の候補日から相手の都合のよい日を選べるように提案しましょう。
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