「フラグ」とは3つの意味を持つ言葉
ドラマやアニメの放送があると、SNSなどで「フラグが立った」「フラグ回収」のような言葉が飛び交ったりしますよね。「フラグ」はよく使われる言葉ですが、フラグとは何か、意味を説明できる人はそれほど多くないかもしれません。今後も使う機会は増えそうですから、意味だけでなく、使い方も知っておきたいところ。
実はフラグには3つの意味があります。言い回しも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フラグの意味とは?
フラグは、次の3つの意味を持ちます。
▷フラグ《「フラッグ」とも》
1:旗。
2:コンピューターのプログラムで、現在の状態や、設定した条件が成立したかどうかを表す変数。
3:映画や小説などで、後の展開を予想させる出来事や登場人物の行動。伏線。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
フラグは、旗を意味する英語の「flag」から来ています。「目印」を指すことから、プログラミング用語で使われるようになり、それがさらに転用され、SNSなどで使われるようになったようです。
プログラミング用語のフラグとは?
プログラミング分野のフラグとは、何かしらの処理をした際、設定した条件が成立したかどうかや、データの状態をチェックするために設ける変数のこと。変数は、データを扱うメモリ領域のことを指します。
プログラミングでは、変数に値を入れたり、変数の中の値を見たりして、ロジックを組み上げるのが基本。入力した情報が、条件をクリアしたか、していないかにより、次のプログラム展開が変化します。「条件を満たすと何かが起こる」という点から「フラグ」という用語が使われ、だんだんと「前兆」「前触れ」「伏線」という意味で他分野でも使われるようになりました。
ストーリーに関連するフラグとは?
ドラマやアニメ、映画、ゲーム、漫画などのストーリー展開に対して使われるフラグの意味を確認していきましょう。
フラグとは、特定のストーリー展開を指す
ストーリーに関連するフラグとは、ストーリーの展開から「これからどうなるか」が予想できてしまう演出を指します。また、キャラクターの位置づけや行動様式、発するセリフなどが示唆する描写について、フラグという表現を使うことも。
この意味は日常生活やSNSでも転用され、日々の出来事で感じた「前触れ」や「見込みが立つ」と言ったことを表す際に、フラグを用いるようになりました。
フラグに関連する言い回しを紹介
SNSや会話でよく使われる、フラグに関連する言い回しについても見ていきましょう。
もっともよく見聞きする言い回しの一つ「フラグが立つ」
「フラグが立つ」「フラグが立った」は、よく見聞きする言葉。ゲームやドラマ、アニメなどで、お決まりの展開が来た際、この言い回しを使う人が多いでしょう。
「フラグが立つ」は、日常生活でも使われています。その場合は、「見込みが立つ」「前触れと思うことが起きる」という意味になるようです。
《例文》
・最終回のストーリー展開からすると、続編製作のフラグが立ったね
・今日の業務の進捗具合を見ると、残業フラグが立ったとしか思えない
予測や予想が関係する「フラグを回収する」
「フラグを回収する」は、「フラグが立った状態が、予想通りの結果になること」。また、ストーリー展開において伏線回収があった際も、この言い回しが使われます。
《例文》
・事件は解決したように見えるけど、フラグ回収がされていない気がする
・あのシリーズの新作は、ストーリーが緻密な上に、フラグ回収が秀逸だ
「フラグを折る」は、予想外のことを表す
「フラグを折る」は、フラグが立ったのに、予想通りに展開しなかったという場合に使われています。ストーリー展開はもちろん、日常生活において、想定外のことが起こった場合に使われることも。
《例文》
・あの展開だと、主人公とヒロインは結婚すると思ったのに、完全にフラグが折られた
・〇〇さんが来てくれたおかげで、残業フラグが折れて定時退社できた
「フラグクラッシャー」とは、フラグを折る人のこと
フラグを折るキャラクターや登場人物を表すのが、「フラグクラッシャー」です。フラグを無視した行動を取ったり、予定調和を乱したりする存在として、作品に登場します。
《例文》
・フラグクラッシャーが登場したから、ストーリー展開が全く読めない
・あの人は、恋愛チャンスを自分で壊すフラグクラッシャーだ
若者がよく使う「~フラグ」
フラグの前に他の言葉を組み合わせ、熟語のように使うパターンも。これは日常生活でもよく使われています。
よく使われる言い回し
・勝ちフラグ
・負けフラグ
・生存フラグ
・死亡フラグ
・恋愛フラグ
《例文》
・あのキャラクターのセリフを推察すると、死亡フラグが立った気がする
・負けフラグが立っていたのに、予想外の大逆転で勝ちフラグが立った
・彼が送ってくれたLINEを読んで、恋愛フラグが立った
「死亡フラグ」は、ドラマなどで登場人物が死ぬ展開になると予想される際に使うことがほとんどです。また、「死にそうなくらい忙しい」ということを表現する時に「死亡フラグ」を使う人もいます。
フラグにはさまざまな言い回しがありますが、ビジネスシーンやフォーマルなシーンなどにはそぐわないケースも。目上の人や取引先には使わない方がよいでしょう。
メールのフラグとは?
大抵のメールソフトにある「フラグ機能」も紹介。これまで紹介したフラグとは別物になりますので、意味を混同しないようにしてください。
メールの「フラグ機能」を知っておこう
メールの「フラグ機能」とは、メールソフトやメールアプリに備わっている機能のこと。重要なメールに「フラグ(旗)」をつけ、見つけやすくすることができるというものです。フラグ機能を使うと、誤って削除することも防げますので、メールのやりとりが多い人は試してみるとよいでしょう。
「フラグ機能」は旗のマークが多いですが、メーラーによっては星のマークになることも。「フラグ機能」を上手く使いこなせると、業務効率化に期待できます。
最後に
「フラグ」は、SNSをはじめ、会話でもよく使われるようになった言葉です。さまざまな意味を持ちますが、ビジネスシーンやフォーマルなシーンで使うのは避ける方がベター。特に目上の人や取引先には使わないようにしましょう。言葉を使う場合は、その場にふさわしいかどうかを考えることも大切です。その点を意識しながら、良好な信頼関係を築きたいですね。
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