「首席」とは
首席は「しゅせき」と読み、ある一定の集団の中で成績が一位のこと、またその人を指す言葉です。「首」には「第一」や「第一位」という意味があり、「席」には地位や順序の意味があります。
首席に選ばれるのは、高校や大学の入試で成績が一位の場合や、大学をトップの成績で卒業する場合が一般的です。著名人が「大学を首席で卒業した」などと紹介されるのを、聞いたことがある人もいるでしょう。
なお、成績が2位は「次席(じせき)」、3位は「三席(さんせき)」と呼ばれます。
■大学の首席卒業は“GPAで計算される”ことが多い
大学をトップの成績で卒業した場合、首席に選ばれることがあることはすでにお伝えしました。首席を選ぶ際に、GPAと呼ばれる成績評価方法を用いている大学も少なくありません。
GPAとは、「Grade Point Average」の略語で、大学の成績を数値であらわす手法、または成績を示した数値のことです。
各科目の成績評価と単位数から成績点数(Grade Point)を算出し、その合計を履修登録した総単位数で割ります。こうして算出されるのがGPAです。
GPAは欧米の大学を中心に取り入れられ、2000年代から日本でも導入する大学が増加傾向にあります。多くの場合、GPAがもっとも高い学生が首席卒業となります。
■「主席」との違い
首席と読み方が同じで混同しやすい言葉に、「主席(しゅせき)」があります。主席は国家や政党などを代表する最高責任者を意味する言葉です。
「主」にはつかさどる、中心になって働くといった意味があり、「席」には地位や順序の意味があります。たとえば、中国の国家元首は「国家主席」で、次の責任者は「副主席」と呼ばれます。
■首席を使った例文
主席を使った例文をいくつかご紹介するため、実際に使う際の参考にしてください。
・彼女には大学を首席で卒業したという噂がある
・その学校の入学式の新入生挨拶は、例年、首席合格者が務めている
・彼の目標は、大学を首席で卒業することだ
首席が選ばれる場面
首席が選ばれる場面は限られており、代表的なのは大学や高校の入学時や卒業時です。そのほか、オーケストラには首席指揮者や首席演奏者という立場の人が存在します。
ここでは、首席が選ばれる場面を確認しましょう。
「入学」
高校などで、入学試験の点数がもっとも高かった学生が首席入学者と呼ばれ、入学式で新入生代表の挨拶を行うことがあります。
「卒業」
高校や大学の卒業時も、在学中の成績がトップだった学生がその学校や学部で首席と呼ばれることがあるでしょう。大学では首席を選ぶ際に、GPAと呼ばれる成績評価方法を用いていることもあります。
「オーケストラ」
オーケストラでは、各パートのリーダーを首席演奏者と呼ぶのが一般的です。ただし、首席演奏者はあくまでも役割・役職であり、一番演奏が上手な奏者を意味するわけではないとされます。
ほかの楽器の首席とも連携を取り合うことが求められ、ソロ部分があればソロを担当します。
また、首席指揮者は常任指揮者とほぼ同じ意味であり、オーケストラでもっとも多くの演奏会を指揮する人を指す言葉です。
首席になるメリット4つ
首席になることで得られるメリットは、主に次の4つです。各メリットについて解説します。
1.就職や転職時にアピールする材料になる
大学を首席で卒業したといった経験は、就職や転職の面接の場でアピールする材料になり得ます。
首席に選ばれたことは、その学年や学部内でもっとも成績がよい学生だったことの証明になるため好印象を与えられ、優秀な人材であると期待してもらえる可能性があるでしょう。
2.進学や留学時に有利になることも
大学によっては、大学を首席卒業した場合に、大学院への進学に際して有利になることがあります。
海外の大学に留学するにあたって学部を選択する際に、優先的に希望を聞き入れてくれる大学もあるようです。
3.SNSなどのプロフィールに記載できる
SNSなどのプロフィールに大学を首席で卒業したことを記載し、権威性を高めることも可能です。
とくに学業の面で優秀であったことや、知性の高さなどがプラスに働くようなコンテンツやプラットフォームでは、他者との差別化を図るための材料の1つとして活用できるでしょう。
4.入学式や卒業式などの代表に選ばれる
入学式や卒業式などの総代として選ばれることも、首席になるメリットです。たとえば、入学式で行われる入学式総代宣誓は、首席入学した学生が務めることが一般的です。
大学によっては特別な奨学金を得られたり、時計などの記念品が贈られたりすることもあります。
首席の意味や選ばれるメリットを知ろう
首席とは、ある特定の集団で成績が第一位のこと、またその人物をあらわす言葉です。「首」には「第一」や「第一位」という意味が、「席」には地位や順序の意味があります。
学校によっては、首席の学生が高校や大学の入学時や卒業時に代表の挨拶をすることもあり、実際にそのような光景を見たことがある人もいるかもしれません。
また、オーケストラでは各パートのリーダーを首席演奏者、オーケストラでもっとも多くの演奏会の指揮を務める指揮者を首席指揮者と呼びます。
首席になると、就職や転職時の面接の場でアピール材料になったり、大学院への進学や留学に際して有利になったりする可能性があります。
「主席」は、首席と同じように「しゅせき」と読み、混同しやすいため注意しましょう。主席は国家や政党などを代表する、最高責任者を意味する言葉です。
首席の意味や主席との違いなどを正しく理解し、使用する際は注意しましょう。
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