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2023.11.09

「相乗効果」の意味や使い方、間違っていませんか? 言い換え表現も解説

「相乗効果」は、複数の要因が同時に働き、よい結果をもたらすという意味の言葉です。ポジティブな使い方をすることが多いですが、ビジネスシーンではとてもよく使われます。この記事では、「相乗効果」について解説します。

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「相乗効果」とは1+1=2以上になること

「相乗効果」はよく知られている言葉です。見聞きしたことがあるだけでなく、実際に使うこともあるでしょう。しかし、そういう言葉ほど「わかったつもり」「知っているつもり」になっているかもしれません。

まずは「相乗効果」の正しい意味について紹介します。

会議する人々

「相乗効果」意味をおさらい

そうじょう-こうか
二つ以上の要因が同時に働いて、個々の要因がもたらす以上の結果を生じること。シナジー。「—を上げる」
(出典:小学館 デジタル大辞泉)

「相乗効果」の意味は、計算式にするとわかりやすいかもしれません。個々で何かに取り組む際の結果が1+1=2であるとしたら、「相乗効果」により、1+1=2以上の結果を生むことができることを意味します。

相乗効果が当てはまるのは、人、条件、物事、事象などのあらゆるもの(こと)。相乗効果はビジネスシーンをはじめ、あらゆるシーンで期待されていることでもあります。

「相乗効果」使い方を確認

ここからは、「相乗効果」の使い方を確認しましょう。よく使う言い回しを例文とあわせて紹介します。

働く人々

「相乗効果を生む・生まれる」

《例文》
・企業のM&Aは、思いもしない相乗効果を生むことがある
・チームの再編成をすることで、相乗効果が生まれるのではないかと期待している

「相乗効果を得る・得られる」

《例文》
・正反対の個性を持つ人同士を組ませることは、リスクもあるが高い相乗効果を得ることもある
・早寝の習慣が身についたことで、早起きが根づいて生活習慣が整うという相乗効果を得られた

この表現は、相乗効果を得たという結果を表現しています。

「相乗効果を高める」

《例文》
・相乗効果を高めるには、対象となる人の組み合わせが重要になる
・著名人とタッグを組むことが相乗効果を高めることにつながる

相乗効果から得られる結果を、さらに高いものにするということを表現しています。

「相乗効果を狙う」

《例文》
・相乗効果を狙っての取り組みだったが、結果は芳しくなかった
・SNS運用を上手く活用できれば、さまざまな相乗効果を狙うことができる

意図的に相乗効果を得ようと試みることを表しています。

「相乗効果をもたらす」

《例文》
・温泉は芯から体を温めるだけでなく、美肌効果を得るという相乗効果をもたらすことがわかっています
・プロジェクトの方針転換は、内容の質を上げただけでなく、スタッフ同士の仲が深まるという相乗効果をもたらした

この表現も、相乗効果を得た結果を示す表現。「もたらす」とは、実現させる、持ってくるという意味を持ちます。

「相乗効果」言い換えるなら?

ここからは「相乗効果」を言い換える場合、どのような表現があるかを見ていきましょう。

仕事をする人たちのイラスト

「シナジー効果」

「シナジー効果」は、相乗効果と同義語と考えてよいでしょう。ビジネスシーンでは、相乗効果よりもよく使われています。

《例文》
・経営資源の集約、別事業を組み合わせるなどの手法は、シナジー効果を生み出す

「相乗作用」

複数の要因が組み合わさると、単独のときの作用の和よりも強力な作用を発揮する現象のこと。この言葉は、「強力な作用」が出ることを表す際に使いますので、相乗効果とは少しニュアンスが異なります。

《例文》
・別々の病院でもらった異なる薬を服用する場合、よくも悪くも相乗作用を引き起こすことがあるため、医師や薬剤師に相談しなければならない

「相互作用」

互いに働きかけ、影響を及ぼすことを意味する言葉です。相乗効果は、よい結果がもたらされる場合に使いますが、相互作用は「影響を与え合う」ことを指します。ニュアンスの違いがあるため、使うシーンも異なることがあるでしょう。

《例文》
・脳と身体の相互作用について調べたいと考え、この大学を志望した

相乗効果はビジネスシーンでも活用されている

相乗効果はビジネスシーンでも期待され、活用されています。Win-Win(取引をする双方に利益があること)の関係になることが理想とされますが、それを生むのが相乗効果。ビジネスシーンでは、「シナジー効果」とも呼ばれています。

シナジー効果にはさまざまなものがありますが、特に多くみられるのが、次に挙げる3つでしょう。

上向きの矢印

業務提携

複数の企業が相互に独立性を保ちながら,研究開発・購買・製造・販売などについて協力しあうことを指します。事業成長や競争力強化を狙う施策の一つで、高いシナジー効果(相乗効果)を狙うことができます。

業務提携をすることは、お互いの強みを生かすだけでなく、お互いの弱みをカバーし合えるという効果も。自社にない資源を持つ他の会社と提携することで、コスト低減や販路拡大など、明確なメリットを得られるのも、相乗効果といえるでしょう。

多角化戦略

企業が持つ資産を最大限生かし、自社の既存事業と関連性の高い別事業領域に進出を図ること。成長戦略の一つとして、取り入れられています。

めまぐるしく変化する消費者のニーズは、これからさらに多様化し、細分化するといわれています。また、商品やサービスの寿命も短くなっていることから、一つの事業のみに頼り過ぎるのは、大きなリスクがあると考えられるようになりました。

そのような背景から、リスク分散をしながら収益源を増やすという相乗効果が期待できる多角化戦略が注目されるようになったのです。

M&A

正式名称は、「Mergers and Acquisitions」。経営権の移動が伴う、または影響を与える経済行為のことを指します。企業全体の合併や買収、一部株式譲渡、事業譲渡、資本提携など、広い意味での企業間提携の総称として使われています。

M&Aを実施することで、買収・合併先が保有している技術やノウハウ、設備、システム、販売チャネルや人材などを得ることができるというメリットがあります。それにより販路の拡大、新製品やサービスの開発、システム統合による業務効率化などの相乗効果がもたらされるというケースも少なくありません。

最後に

「相乗効果」とは、複数の要素がかけあわさり、1+1=2以上の結果になることを意味する言葉です。ポジティブな意味合いで使われることが多く、特にビジネスシーンでは「シナジー効果」と呼ばれ、実際の経営や業務に取り入れられている要素です。よく見聞きし、使う言葉でもありますので、使い方などを再確認しておきたいですね。

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