・その地域は、特に地盤が脆弱な場所として知られている。
・今のように脆弱な体制では競争相手にたちうちできない。
・自分では良い作品ができたと思ったが、まだまだ作りが脆弱だと先輩から指摘を受けた。
・精神が脆弱で、ストレスを感じやすい一面がある。
・システムが脆弱であるほど、ウイルスに感染するリスクが高まりやすい。
ITにおける「脆弱性」とは
熟語である「脆弱性」は、コンピューターネットワークにおける安全上の欠陥を意味します。具体的には、プログラムの不具合や設計上のミスが原因で発生する欠陥のことです。
近年は、インターネットによるサイバー攻撃や個人情報漏えいなどが問題視されています。それらが大きなトラブルにつながる恐れのあるビジネスにおいても、「脆弱性」への理解が必要です。
ここからはITにおける「脆弱性」の意味や、トラブルを防ぐ方法、ITにまつわる「脆弱性」を使った例文などについてみていきましょう。
「情報セキュリティ上の欠陥」を指す脆弱性
総務省が運営するサイトには、「脆弱性」に関して以下のような記載があります。
脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、コンピュータのOSやソフトウエアにおいて、プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生するサイバーセキュリティ上の欠陥のことです。
(引用:総務省ホームページ〈「国民のためのサイバーセキュリティサイト「脆弱性とは?」〉)
OSやソフトウェアは、コンピューターが動作するために必要な要素です。これらに脆弱性がある状態でコンピューターを利用すると、第三者に不正アクセスされたり、ウイルスに感染したりするリスクが高まります。
不正アクセスやウイルス感染による被害は、ビジネスだけにとどまりません。近年は家庭での被害事例も報告されています。メールアドレスの不正利用や、中古パソコンによるデータの漏えいなどがその一例です。
また、パソコンやスマートフォンだけでなく、インターネットに接続されている家電製品も脆弱性による被害を受ける恐れがあります。これらの脆弱性を塞ぐには、適切なサイバーセキュリティ対策が必要です。
ITの脆弱性を塞ぐ方法
コンピューター上の脆弱性を塞ぐ方法には、以下のような対策が考えられます。
・OSやソフトウェアをアップデートする
・サポート切れのソフトウェアを利用しない
・セキュリティ対策ソフトを活用する
・脆弱性診断を実施する
OSやソフトウェアのアップデートは、それまでに発見された脆弱性を塞ぐのに効果的です。新たに見つかった脆弱性に対処するためにも、アップデートはなるべく迅速に行う必要があります。
サポート切れのソフトウェアを、利用しないことも大切です。サポート期間が切れると、仮に脆弱性が発見されても修正されないままになってしまいます。知らない間に脆弱性のあるソフトウェアを使用しないためにも、サポート期間は事前に確認しておいてください。
また、セキュリティ対策ソフトを活用すると、コンピューターがウイルスに感染するリスクを軽減できます。OSにはセキュリティ機能が標準装備されているのが一般的ですが、必要に応じて市販セキュリティ対策ソフトの購入も検討しましょう。
ビジネスでは、脆弱性診断の実施も有効です。システムに脆弱性がないか診断することで、自社が有するシステムの脆弱性を洗い出せます。
ウイルスや不正アクセスによる被害を防ぐためにも、シーンやソフトウェアに応じた対策を検討してみてください。
(参考:総務省ホームページ〈国民のためのサイバーセキュリティサイト「事前対策(セキュリティ事故を未然に防ぐためには)」〉より)
「脆弱性」を使ったITにまつわる例文
ITにおける「脆弱性」の意味をふまえ、ここからは具体的な例文についてみていきましょう。
「脆弱性」はコンピューターにまつわる用語です。一方で、パソコンやスマートフォンなどのITツールは、ビジネスや日常生活において身近な存在といえます。「脆弱性」という語句も、決して珍しいものではありません。
以下の例文を参考に、「脆弱性」という言葉をぜひ活用してみてください。
・使用しているソフトウェアに脆弱性が見つかり、アップデートの案内が来た。
・脆弱性の放置は情報漏えいのリスクを高めることにつながる。
・次々と発見される脆弱性に対し、完全な対策を施すのは困難である。
・脆弱性対策として、ソフトウェアをアップデートした。
・脆弱性はクライアントとサーバ、双方にとって重要な問題である。
「脆弱」の意味や活用法を知り言葉への理解を深めよう
「脆弱」は、脆さや弱さなどを表す言葉です。「脆弱な神経」のように、モノだけでなく気持ちを表すこともあります。
また、熟語である「脆弱性」は、サイバーセキュリティの欠陥を意味する用語として用いられます。ITツールが身近である近年は、ビジネスはもちろん日常生活でも「脆弱性」やセキュリティ対策への理解が必要です。
さらに「脆弱」には「軟弱」をはじめとする多様な類語が存在します。正しく使用するためには、それぞれのニュアンスの違いを知ることが大切です。
「脆弱」と意味と共に活用法を知り、関連する言葉への理解を深めていきましょう。
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