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2025.01.29

CSFとは?言葉の意味から分類までわかりやすく解説

職場で意味の分からない言葉に出会うと、同僚や上司の言っていることが分からず、焦ってしまうものです。仕事仲間としっかり意思疎通をするには、ビジネス用語の知識が欠かせません。今回は「CSF」というビジネス用語の意味や分類を解説します。

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CSFとは

グラフを確認する男性

(c) AdobeStock

初めて耳にしたビジネス用語の理解を進めるには、正しい意味をもれなく把握することが必要不可欠です。なんとなく身に付けた知識のままに過ごしていると、大切な場面で窮地に立たされてしまう恐れがあります。CSFの意味と具体例を解説します。

「重要成功要因」を表す

CSFとは「Critical Success Factor」の頭文字を取ったビジネス用語です。日本語で表現すれば「重要成功要因」と訳すことができます。CSFは「目標達成のために欠かせない要素」を表します。

シー‐エス‐エフ【CSF】[critical success factor]
《critical success factor》企業の経営戦略などにおいて、ある目標を達成するためにもっとも重要とされる要因のこと。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

ビジネスシーンでCSFを探すメリットは、目標達成に大きく近づけることです。CSFを見つけられれば、より重要度が高い業務にリソースを集中させられるため、無駄を抑えながら最短距離で目標達成まで突き進めるようになります。このようなメリットから、CSFは多くの業界で特定されています。

業界別CSFの具体例

CSFは、ありとあらゆる業界で見いだされている成功に必要な要素です。

例えば製造業では、「品質が高い製品を生産する」がCSFの一例になります。他社を圧倒する品質の高さを実現できれば、市場において高い競争力を持つことができると考えられています。

サービス業の場合には、「カスタマーサービスに磨きをかける」がCSFの代表例です。カスタマーサービスの質を向上できれば、顧客からの信頼を得られる可能性が高まります。

テクノロジー業界においては、「スピーディーな製品投入を実現する」がCSFの一例です。顧客が求める新製品を他社に先んじて市場に投入できれば、高い競争力を獲得できます。

CSFのタイプ

ミーティング

(c) AdobeStock

CSFはその特徴からいくつかのタイプに分類されます。言葉の意味と併せて分類も一緒に頭に入れておくと、CSFへの理解がより一層深まるでしょう。CSFの五つのタイプを解説します。

業界関連

業界関連のCSFとは、自社が属する業界の「今」を分析し、「将来」を予測することで特定できる成功要因です。その業界で他社をしのぐ競争力を手に入れられれば、自社が掲げる最終目標の達成に大きく近づけると考えられます。

業界に関連するCSFの例は以下の通りです。

・技術開発に力を入れて業界をリードする企業となる
・業界水準を上回る顧客対応スピードによる顧客満足度の向上
・業界ナンバーワンのセキュリティ体制を構築して、情報漏えい事故をゼロにする

キーワードとして「業界」が使われている要素が、業界関連のCSFに当たります。

競合関連

競合関連のCSFとは、自社と競合他社とを比べることで見いだされる成功要因のことです。競合他社との比較からCSFを特定するときに重要なのが、顧客の目線です。顧客がどのように自社製品を認識しているかに注目することが大切となります。

競合に関するCSFの具体例は以下の通りです。

・競合他社には実現できないハイクオリティな商品を提供し続ける
・競合他社と同程度のクオリティの製品をより低価格で提供する
・競合他社にはない「ハイクオリティ路線」を打ち出して、「ラグジュアリーブランド」としての認知を広める

競合関連のCSFのキーワードは「競合他社」です。

一時的・偶発的

一時的・偶発的なCSFとは、一時的に起こる事態や偶然の出来事に関連した成功要因を指します。一時的・偶発的なCSFは、起こっているそのときだけしか経営に与えるインパクトはありません。ただし、起こった事態を把握して上手に対応できれば、目標達成に大きく近づける可能性があります。

一時的・偶発的なCSFの具体例は以下の通りです。

・リモートワークに対応したツールやインフラを整備する
・業務効率化を図るため、紙ベースの業務におけるデジタル化を進める
・新オフィスの開設に伴う人材の雇用を促進する

昨今では、新型コロナウイルスの流行に関する成功要因が、一時的・偶発的なCSFの代表例として挙げられます。

環境的

環境的なCSFとは、自社が置かれている環境と深く関連している成功要因です。環境的な要素は、自社の努力だけではどうにもならない側面を持っています。しかし、政治や経済の動向をいち早くキャッチして分析できれば、ピンチをチャンスに変えられる可能性があります。

環境的なCSFの具体例は以下の通りです。

・大幅な円安の影響を受けにくい地域からの原材料調達を増やす
・顧客との交渉を強化して、原材料費の上昇分を製品価格に転嫁する
・法改正に迅速に対応するための体制を構築する

環境的なCSFを特定するときは、自社に影響を与える環境的な要素を分析することが大切といえます。

管理職関連

管理職関連のCSFに分類されるのは、社員のマネジメントを行う管理職に関連する成功要因です。マネジメントを行う管理職の存在は、一般社員のモチベーションに大きな影響を与えます。管理職のスキルアップ促進や業務の進め方の改革などを通して、目標達成に近づける可能性があります。

管理職関連のCSFの具体例は以下の通りです。

・管理職にマネジメントスキルの向上を目指すトレーニングを受けさせる
・現状を把握した上で管理職の人数を増減させる
・プロジェクト管理の最適化を図り、より働きやすい職場づくりを行う

管理職にてこ入れをすることで、その下で働く社員の士気が上がる効果が期待できます。

意味が似ている言葉との違い

黒板とビジネスワード

(c) AdobeStock

CSFには意味合いが似ているビジネス用語がいくつかあります。併せて覚えておくと、ビジネスの現場で使える語彙力を効果的に伸ばすことが可能です。CSFと一緒に覚えたいビジネス用語を紹介します。

意味が似ている言葉との違い
  1. KPI
  2. KGI
  3. KSF・KFS

KPI

KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったビジネス用語です。日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」と表すことができます。

KPIは「ビジネスで目標を達成するためにクリアすべき指標」を表します。最終的な目標を達成するために必要な「プロセス」に対して見いだされる指標です。

CSFとの違いは、数値や数量で測定可能な指標であるかどうかです。KPIが数値や数量による測定が可能な一方で、CSFは数値や数量で測定できない要素も含まれます。またCSFは、KPIを達成するためにポイントとなる要素を表す言葉でもあります。

ケー‐ピー‐アイ【KPI】[key performance indicator]
《key performance indicator》企業などの組織において、個人や部門の業績評価を定量的に評価するための指標。達成すべき目標に対し、どれだけの進捗がみられたかを明確にできる指標が選択される。これをもとに、日々の進捗把握や業務の改善などが行われる。重要業績評価指標。重要業績指標。成果指標。→ケー‐ジー‐アイ(KGI)
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

KGI

KGIとは「Key Goal Indicator」を略したビジネス用語です。日本語で表現するとすれば「重要目標達成指標」や「経営目標達成指標」と訳されます。売上高や利益率など、数字や数量で表せる具体的な指標がKGIとして定められます。

音と字面が似ているKPIとの違いは、どのポイントの目標を表しているかどうかです。KPIが最終的な目標を達成するためにクリアすべき「中間目標」を表す指標であるのに対し、KGIは結果的に到達すべき「最終目標」を表す指標です。KPIをどれだけ達成できるかで、KGIの達成率が大きく左右されます。

CSFは、KGIをクリアするために求められる要素の一つとして存在します。最終的なゴールを達成するために必要な成功要因として設定されるのがCSFです。

ケー‐ジー‐アイ【KGI】[key goal indicator]
《key goal indicator》企業などの組織において、個人や部門が達成すべき最終的な成果を定量的に表した指標。売上高や利益額のように具体的に定義できるものが選択される。重要目標達成指標。→ケー‐ピー‐アイ(KPI)
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

KSF・KFS

CSFにはほとんど意味が同じ言葉も存在します。それが「KSF」と「KFS」です。

KSFとは「Key Success Factor」の頭文字を取ったビジネス用語で、KFSは「Key Factor for Success」の頭文字を取ったビジネス用語です。

KSFもKFSも、日本語で表現すれば「重要成功要因」という訳になります。この日本語訳はCSFと共通です。そのため、KSFとKFSはCSFの同義語として使われます。

CSFの意味を知って社会人基礎力を底上げ

言葉の中には「社会人であるなら必ず知っておきたい言葉」がいくつかあります。その一つが「CSF」です。CSFはビジネスの現場で頻出の言葉なので、意味を知らないと現場で苦労する可能性が高いといえます。意味や分類をしっかり理解して、円滑に仕事をするために必要な基礎力を身に付けましょう。

メイン画像・アイキャッチ/(c)AdobeStock

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