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LIFESTYLE 夫婦

2024.07.04

「別居婚」のメリット・デメリットとは? 事前に決めておきたいことや法律についても紹介【専門家監修】

生活費がかさむ

別々に部屋を借りるのであれば、家賃がそれぞれにかかるのは当然。それ以外の出費で覚えておきたいのはーー。

 「光熱費、生活用品や食事代。こうしたものは、夫婦二人世帯でも、ひとりの世帯でも、大きくは変わりません」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さん)。

夫婦ともに、独立した家計を支えられるくらいの、経済力はやはり必要。さらに、それをチェック(監視)する相手がいなくなると、浪費しやすくなる人もいるそう。また自炊が面倒になりがちな人の場合、外食が増えて出費がかさむ可能性も大。

あとで後悔しないためには、

別居婚に移行するとき、これまでどれくらい生活費がかかっていて、今後どれくらい増えそうか、把握しておくことをおすすめします」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さん)

参考/『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(井戸美枝・著)

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向いている夫婦って?

メリットとデメリットを見てきましたが、それらを総合して、別居婚に向いているのは、どのような夫婦なのでしょうか? 別居婚に興味を持っている人は、自分たち夫婦が現在当てはまっているか・別居婚後も実現できそうかを考えてみましょう。

「別居婚」に向いている夫婦
  1. 信頼関係を築いている
  2. 経済的に自立している

信頼関係を築いている

浮気や浪費など、別居婚で新たな心配ごとは出てくるものの、それを乗り越えて信頼関係が築けるかどうか。離れていても、相手のことを思いやる気持ちがもてるか。別居婚が成功するかどうかは、そこにかかっていると言ってもいいでしょう。

「週末やたまに会ったとき、じっくり目を見て話しをすれば、隠し事をしているかどうか、だいたいわかります。理想は週に1回、少なくても2週に1回は顔を合わせるのがいいと思います」(アパレル・女性)

経済的に自立している

夫婦それぞれに生活費がかかることは、すでにご紹介しました。さらに貯金と経済力がある人は、「自分の城」としてマンションを購入するなどして、別居婚の長期戦に備えることができます。

「フリーランスで保証人もなく、賃貸マンションの審査がなかなか通りませんでした。それで思い切ってマンションを購入!家族は神戸、私は仕事のために東京暮らしをしています」(キャリカウンセラー・女性)。

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別居婚がうまくいかないときの対処法

「うまくいっていない… 」と感じているとしたら、パートナーと向き合って一緒に解決をしていきたいですね。そこで、うまくいかないときの対処法を、コミュニケーションの専門家でもあるキャリアコーチの菊池啓子さんに伺いました。

「別居婚というスタイルを選ぶ人たちは、まだ少数派。周囲からいろいろ言われてしまうことに、ストレスを感じるとの話も聞きます。当人同士がOKであれば、外野のことは気にしなくていいんです。

とはいえ、別居婚でいるとコミュニケーションの頻度が減るのも事実。意識して相手との時間を確保していく必要があります。そしてこれは、双方の問題。どちらか片方が頑張るということではなく、一緒に解決をしていく必要があります。」(キャリアコーチ・菊池さん)

それでは、具体的に何をしていけばいいのかを見ていきましょう。

人の駒

(c) Adobe Stock

現状の確認

そもそも、「別居婚」を選択した目的があったはず。そこを確認しつつ、スタート時と変化があったことはありませんか? 仕事のスタイルや、家族構成、取り巻く環境やキャリアに対しての考え方。変化をしていくのは当たりまえ。現状の確認を具体的にしていくことで、取り組むべきことが見えてきます。

ルールを決める

「結婚」という契約をしたことで、ちょっとした気のゆるみも出てくるものです。スケジュールの変更や決めた事を後回しにするなど、「これくらい大丈夫だよね」「家族だからわかってくれるよね」と、優先順位が下がったりしていませんか?

別居をしているからこそ、特にコミュニケーションに関する約束事・ルールはしっかりと守っていきましょう。例えば、「曜日と時間を決めてオンラインで話す」、「毎週土曜日は必ず顔を合わせる」など。これは、どんな言い訳もせず何があっても必ずやるというルールで! お互いの約束を守るという姿勢が、信頼と絆を育んでいきます。

妥協点を一緒に見つける

主義主張や優先順位、大切にしたいことやルーティン行動などは、人それぞれです。結婚をし、ともに生活をしていくとすり合わせの頻度が高いため、なんとなく融合していきます。しかし、別居婚の場合は、その機会が少なくなるでしょう。

うまくいっていないと感じていることは、経済的なことなのか、時間的なことなのか、習慣的なことなのか、感情的なことなのか。冷静に分析をしつつ、お互いどこまでは歩み寄れるのかということを率直に話し合い、パートナーと一緒に見つけていきましょう

離婚や法律について

夫婦が合意の上での別居婚は、法律を理由に解消する必要はなく、別居婚による罰則も当然ありません。ただ、注意したいのは上記の「始めるとき」と「別れるとき」。さて、弁護士のアドバイスはー。

「別居婚」についてのポイント
  1. 別居婚をするとき・離婚するときの注意点

別居婚をするとき・離婚するときの注意点

家庭・夫婦問題を多く扱う弁護士・金野志保さん(金野志保はばたき法律事務所)に聞きました。

別居婚に合理的理由があって、双方合意の上であることを書面でなどで残すことをおすすめします。現在の裁判実務では、双方に落ち度がなくても2〜3年別居していたら離婚が認められることが多いです。もしも別れることになったとき、その理由として相手から『婚姻が破綻して別居していた』と主張され、(本来は合意の上だった)週末婚期間を『2〜3年の別居期間』にカウントされかねないからです」。

別居婚からの離婚というと、生活スタイルは大きく変化はないので、できればスムーズに済ませたいもの。事前の書面だけなら、お互い関係が良好なうちに済ませておきましょう。自分を守る手段として、覚えておきたいことのひとつです。

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最後に

まだ少数派ゆえに、確立された形が無いのが「別居婚」。同居をしていないからこそ、丁寧なコミュニケーションを意識することが必要とされそうですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

画像ALT

監修

キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん

2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。

X:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン

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