人はなぜ腕組みをするのか
鼻の下や唇を触れたり、指先でものをもてあそんだりと、人それぞれ何らかのクセをもっているもの。腕組みも無意識のうちにしがちなしぐさのひとつです。人が腕を組む理由や心理について考えていきましょう。
細かなしぐさから心理を読み取ろう
ちょっと周囲を見回しただけでも、腕組みをしている人はけっこういるもの。会社で、会議やミーティング中に上司が険しい顔をしながら腕組みしている人。電車の中では、腕を組んだままウトウトしている人。また人を待っているときや考えごとをしているときなどに、無意識のうちに腕組みをしている様子はよく見かけますね。さて、そこにはどんな深層心理が隠れているのでしょうか。
腕組みをする人の心理
腕を組むという何気ないしぐさの中に、さまざまな心理が隠されています。自分自身や相手の状況を振り返ってみると「たしかにそうかも」と思いあたる節があるかもしれません。相手の本音を知りたいときや、自分の気持ちを悟られたくないときの参考に。
警戒心、拒絶の表れ
電車の中で腕を組む人をよく見かけるのは、赤の他人に囲まれて警戒心が強くなりやすい環境だからといわれています。腕を組むと、人間の弱点である腹部が隠れます。腹部には大切な臓器が集中しており、腕組みをして隠すことで安心感を得ようとする本能が働いています。また、人には「パーソナルスペース」（他人に侵入されたくない心理的な空間）というものがあり、正面は広く、左右両隣は比較的狭いといわれています。それでも電車では人との距離が物理的に近くなるため、腕組みをする事で少しでも接触をさけたい、その空間だけでもパーソナルスペースを取りたいという意味合いで腕組みすることも考えられます。
同様の理由で、目の前に初対面の人や苦手な人がいるときや、相手の意見に賛成できないときも、思わず腕を組んでしまうことがあるようです。
考え事をしている
考え事をしているときも、知らず知らずのうちに腕を組みがちです。まっすぐに立った状態で腕を組むと、両足がしっかり地面について体が安定します。安定感があるほうが考え事に神経を注げるため、理にかなっている体勢です。
考え事をしているときは、集中力も必要です。腕組みをすると、相手との間に壁ができて自分の世界に入り込みやすくなり、集中力もアップします。相談に乗っている最中に腕組みするのもよく見かけますが、大切な人の悩みを解消してあげたいと真剣に考えている証拠です。
隠し事をしている
隠し事をしていたり、やましいことがあったりするとき、「相手に悟られたくない」と思うほど腕組みをするといわれています。腕組みをする事で、自分のスペースを少しでも多く確保し、壁をつくっているのです。さらに、人は自分の体に触れると安心感を得ます。無意識のうちに安心感を得て、程よく力が抜けてリラックスした状態にもっていくことができるため、より自分自身に安心感を与えようとしているのです。大きな問題にならないような隠し事でも、本人にとっては何としても隠し通したい秘密であれば、腕組みをする確率も高くなりがちです。
相手に知られたくないことがあるときに腕を組むのは、体が守られているような感覚になって気持ちが落ち着くからと考えられます。内緒にしたい気持ちが強いほど動揺してしまうため、腕を組んで平然を装おうとしているのかもしれませんね。
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男女で心理が異なるってほんと？
「周りからよく見られたい」「好きな人に振り向かせたい」と思うのは男性も女性も同じです。異性からモテる人やモテたい気持ちが強い人は、腕組みによって得られる効果を無意識のうちに利用している可能性があります。
男性の場合
男性が腕を組むのは、「自分をかっこよく見せたい」「他者を寄せ付けない強さをもっている」と無意識に威嚇する心理が働いているからです。背筋を伸ばして腕組みすると、かっちりとした「いかり肩」に見えます。上半身も強調されて、力強さや凛々しい印象を与えたいときに効果的です。
自分の容姿に自信がある男性も、よく腕を組みます。特に写真を撮影する際に腕組みをするのは、自分の存在をアピールしたい、強く見せたいという欲求の表れです。ただし、好きな人を目の前にすると話は別で、照れているのをまぎらわすために腕を組むケースもあります。
女性の場合
女性も自分を魅力的に見せたいときに、腕を組む場合があります。腕によって胸が持ち上げられて、女性らしいメリハリのあるボディラインを演出できるのが理由です。胸の大きさに自信がある女性はもちろん、指先の繊細さやきれいなネイルを見えるようにする、または腕の太さをごまかして華奢に見せたいなど、女性的な魅力をアップさせたいときに見られる現象です。
デコルテや脚を露出したファッションでセクシーに見せようとする女性もいますが、あからさますぎて周りから引かれている女性も珍しくありません。なかには、さりげなくアピールする手段として腕組みする上級者もいるようです。
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