労い(ねぎらい)の言葉の力
労いの言葉には、人間関係や仕事などを円滑にしてくれる効果があります。ただし、使う相手によって失礼にあたる事もあり、注意が必要です。労いの言葉を正しく使って、相手を上手に気遣える人になりましょう。
「労う」の意味とは?
労うとは、苦労したことや力を尽くしてくれたことに感謝していたわるという意味です。家族・同僚・友達などの身近な人から「お疲れ様」「いつもありがとう」と労いの言葉をかけてもらって、心がスッと楽になるのを感じたことはありませんか。労う気持ちを言葉で伝えることは「がんばりを認めてもらいたい」という欲求を満たしたり、お互いの絆を強めたりすることにもつながります。コミュニケーションを円滑にしてくれるだけでなく、仕事や勉強などへのモチベーションも高めてくれる魔法のような言葉です。
目上の人にお疲れ様、ご苦労様はNG
相手を労うときに使う定番のフレーズといえば「お疲れ様」と「ご苦労様」ですが、目上の人には使いません。「お疲れ様」は目上の人に使っても問題ないと感じる人が増えていますが、比較的新しい言葉とあって特に年配の人に使うと気分を害してしまう場合があります。
ご苦労様も目上の人が目下の人を労うときに使うのが適切な言葉。ただし「ご苦労様」は「お疲れ様」と比べてやや上から目線の印象が強まります。したがって、目上から目下への場合でも「お疲れ様」のほうが使い勝手がよいでしょう。
目上の人には「ご指導くださりありがとうございました」「お疲れではないでしょうか」と少し言葉をひねって、失礼のないようにしましょう。
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労いの言葉の例文と使い方【ビジネス編1】
人間はロボットではないため、そのときの心情が仕事に大きな影響を及ぼすこともあります。どんなに些細なことでも労いの言葉をかけ合うことで快適な職場環境が形成され、大きな成果にもつながるはずです。
上司へ:上から目線にならないように注意
上司は、組織において、自分より役職が上位となる人のことです。仕事の責任感やプレッシャーから気苦労が絶えず、中には部下と管理職との板挟みに合って強いストレスを感じている人もいます。上司が疲れている様子だったり、苦労をかけてしまったりしたときには、気遣う気持ちや感謝を言葉で伝えましょう。
●本日の営業ではフォローしていただき助かりました。
●週末はゆっくりお休みになってくださいね。
褒める言葉を添えるのもおすすめです。上から目線にならず、好意的に受け取ってもらえます。
●部長のおかげで契約できました。
●もっと精進して課長のようになりたいと思います。
部下へ:感謝したいことをピンポイントに
仕事では常に成果が求められますが、ときにはスランプに陥ったり失敗したりすることもあります。過程にも目を向けてがんばりを評価することが、やる気を高めて次の成功を呼び込む秘訣です。
●いつもがんばってるあなたなら、きっとできるよ!
●努力が実を結んで、すばらしい結果が出せたね。
感謝の気持ちを伝えたいときは「ありがとう」のひと言で済ませず、具体的に述べましょう。心のこもった温かい言葉になり、信頼感も生まれます。
●いつも率先して動いてくれて、感謝しているよ。
●○○さんのアイデアがとても参考になりました。