ディドロ効果
浪費癖の原因として考えられることのひとつに、「ディドロ効果」があります。ディドロ効果とは、購入した商品を気に入ってしまうと、身の回りにある全ての物を、その商品と似たような雰囲気の物でそろえたくなる社会的習性のこと。ファッションやインテリアを、同じブランドの商品に統一したり、同じ色を基調とした商品でそろえたりすることは、ディドロ効果の影響と言えます。ディドロ効果そのものは、人間にとって特に悪い影響を及ぼす習性ではありません。しかし、同じような雰囲気の物で身の回りをあふれさせようと考えるあまり、必要のない物まで次々に購入してしまうと、浪費癖がつく原因となります。
浪費してしまう具体的な原因
前述した、浪費しやすい人の性格や心理と併せて、浪費癖がつきやすい原因も考えてみましょう。具体的な原因として挙げられる主な原因を紹介します。
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計画性がない
自分がどのくらいお金を使っているのか、収支をしっかりと把握していないことは、浪費してしまう原因のひとつとなります。一般的には、収支を把握し計画的な出費を意識することで、無駄のない金銭管理ができると言えます。しかし、収支に対して計画性がなければ、自分が今持っているお金や生活に影響を与えない範囲で使えるお金に関しても、正確に把握できていないことがほとんどです。手元の現金やクレジットカードの利用可能額だけしか意識していないため、次から次へと散財してしまい、自分でも気がつかないうちに浪費癖の原因になります。
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お金のかかる趣味がある
世の中には、人の趣味になりうることが数多くあり、中には、どうしてもお金のかかってしまう趣味も存在します。パチンコや競馬などのギャンブルは、お金のかかる趣味の代表例と言えます。車・バイクなどの乗り物系や、オーディオ・ゴルフ・カメラなども、出費が大きくなりやすい趣味。趣味に対する出費を惜しまない人は、「自分の好きなことにかかるお金は全て必要経費だ」と考える傾向にあります。趣味を楽しむために必要な出費ととらえ、無駄な出費とは思っていません。お金のかかる趣味をひとつでも持っていれば、次々とお金が外に出ていってしまいます。無意識のうちに浪費癖がついてしまう可能性が高くなります。
浪費癖を治すには
自分の浪費癖に嫌気が差しているような状態なら、浪費癖を治す努力をしてみましょう。具体的な改善策を紹介します。
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現状の把握
浪費癖の改善に取り組む前に、まずは現状の把握に努めることが重要。家計簿をつけるなどして、月ごとの収入と出費を比較してみましょう。出費が収入を大きく上回っているようなら、浪費癖がある証拠と言えます。何にお金を使っているかを細かく確認すれば、無駄な出費が分かります。家計簿をつけるにあたり、買い物の際にもらうレシートは全て必要です。家計簿は毎日つけるのが理想ですが、大変な場合は1週間分まとめてつけても構いません。最近は、スマホで簡単に家計簿が記入できるアプリなどもあります。飽きずに楽しく続けられそうなものを探してみてください。
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計画と管理
浪費癖がある人のほとんどは、1か月間に使える金額を把握できていません。出費を抑えるためには、家計簿などを参考に計画を立て、あらかじめ予算を決めておくことが大事です。予算が決まったら、使えるお金を管理できる仕組みを整えます。予算を費用ごとに分け、それぞれを封筒に入れるなどしておけば、余計な出費を防げます。クレジットカードを持っている場合は、必要なとき以外は持ち歩かないようにすることも、浪費を抑えるひとつの方法。現金払いにすることで、お金を使っているという実感も取り戻せます。ついカードを使ってしまいそうで不安な場合は、カードを解約するか、銀行口座の残高以上は支払えないデビットカードに切り替えてみるのもおすすめです。
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カウンセリングを受けてみる
浪費癖がある人の中には、「買い物依存症」の可能性がある人もいます。買い物依存症は、買い物をした喜びと後悔を繰り返し、精神を疲弊させる恐れがある依存症です。衝動買いの欲求が抑えられないため、借金を繰り返し、自己破産してしまうケースもあります。女性に多いと思われがちですが、男性にも多く見られる症状です。買い物依存症は、専門外来やカウンセリングを受けることで、症状を改善できる可能性があります。ネットで検索すれば、買い物依存症の治療ができる医療機関が見つかります。自分で浪費癖のコントロールができず、生活に大きな悪影響を及ぼしているような状況なら、カウンセリングを受けてみましょう。
家族に管理してもらうのも方法
どうしても自分でお金の管理ができない場合は、家族に管理してもらうのもひとつの方法。現金・カード・通帳などを全て渡し、必要な分だけもらうような決まりを作るとよいでしょう。家族に管理を任せることは、客観的な収支の分析にもつながります。自分にとっては必要だと感じていた出費が、無駄遣いだと指摘される場合もあります。お金の管理は生活の管理でもあり、最も信頼できる家族に任せるのが最適だと言えます。浪費癖を治すために、お金の管理だけでなく、浪費以外で満足できることにも一緒に取り組めます。
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