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LIFESTYLE 職場の悩み

2023.06.12

「よろしかったでしょうか」は間違い?他にもビジネスシーンでありがちな間違い表現

丁寧な表現だという解釈もある

「よろしかったでしょうか」は、相手の心情や立場に配慮した丁寧な表現だという解釈もあります。「よろしいでしょうか?」は、相手の判断を単純に確認する言い方なのに対し、「よろしかったでしょうか?」は「自分がすでにもっているこの認識は、間違いがないか?」と自分側の事柄を確認する言い回しです。

また、日本語のあいさつ言葉は、短くシンプルなものよりも、やや長い方が丁寧に感じられる傾向があります。「よろしかったでしょうか」は、相手や聞き手を意識して、より丁寧に話そうする心理が働いた表現ともいえるのです。しかしながら、厳密にはシーンによって間違った日本語であるため、シチュエーションや相手を考慮して使う必要があります。

確認の際の正しい敬語

ビジネスシーンや職場で間違った言い回しを多用すると、社会人としての言葉遣いができていないと見なされてしまいます。「よろしかったでしょうか」に代わる、正しい言い回しを確認しましょう。

「よろしかったでしょうか」に代わる敬語
  1. 「よろしいでしょうか」
  2. 「構いませんか」

よろしかったでしょうか宜しかったでしょうか間違いビジネスシーン

(C)Shutterstock.com

「よろしいでしょうか」

「よろしかったでしょうか」の正しい表現は「よろしいでしょうか」です。同義語には「よろしいですか」がありますが、人によっては威圧的な物言いに聞こえる場合があるため、目上の人や取引先の相手に使うときは、「よろしいでしょうか」を使うのがベターです。

「3名様でよろしいでしょうか?」「ご注文の品はこちらでよろしいでしょうか?」など、相手にイエス・ノーを確認する際に用います。また、職場やビジネスシーンでは「〇月△日に有給をいただいてもよろしいでしょうか」「これから契約書をFAXしたいのですが、よろしいでしょうか」と、相手の了承を得る際にもよく用いられます。

「構いませんか」

「構う」は、関心を持つ・気にかけるという意味を持つ言葉です。大丈夫・差し支えない・それでよいといった意味合いで用いられる場合もあります「構いませんか」は、「よろしいでしょうか」よりも、こちらの都合に対する「許可」を求めるニュアンスが含まれており、少し偉そうな印象になります。

「飲み物はコーヒーで構いませんか」というと、こちら側にコーヒーの用意しかないような意味合いにとられますが、「飲み物はコーヒーでよろしいでしょうか」と表現すれば、相手にイエス・ノーの判断を委ねているニュアンスになるのです。

その他の間違い表現

「よろしかったでしょうか」以外にも、ビジネスシーンにおいて間違った表現として有名なものがいくつかあります。正しい言い換え方の例とともに確認しておきましょう。

よろしかったでしょうか宜しかったでしょうか間違いビジネスシーン

(C)Shutterstock.com


社内の人間に敬語を使ってしまう

社内において、話し手と聞き手に年齢や役職の差がある場合、その上下関係に基づいて敬語を使います。しかし、社外の人がいる場合は、社内の人間に対して「敬語表現を使わないの」がルールです。

たとえば、取引先の相手から「○○さんはいらっしゃいますか」と電話があった際は「鈴木さんは今いらっしゃいません」と答えるのは違和感があります。

社内の人間の名前を出すときは「〇〇さん」という敬称は使わず、名前は呼び捨てにするのが通常です。対象者が部長や社長などの目上の人であっても同様。「居る」の謙譲語「おる」を用い「○○はおりません」と答えるか、「○○はただいま外出しております」などと答えましょう。

「分かりました」

上司や目上の人に指示されたときに「分かりました」と答える人がいます。「分かりました」は、自分と対等の相手や友達に用いる言葉であり、ビジネスシーンにはあまり適していません。何か指示を受けた際は「かしこまりました」や「承知いたしました」を使い、相手に敬意を示しましょう。

「かしこまる(畏まる)」には、命令・依頼などをつつしんで承るという意味があります。「承知する」は「分かる(了解する)」の謙譲表現で、自分を低め相手を立てています。

なお、「了解しました」は、丁寧語に分類されるため、同僚や親しい先輩に対してのみ使うのがベターです。謙譲語の「いたす」を付けて「了解いたしました」とする表現もありますが、多くの人は「承知いたしました」の方がビジネスシーンにふさわしいと考えている傾向があります。

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「すみませんが」

すみません」には、相手に迷惑をかけたり、世話をかけたことを詫びる意味があります。相手に依頼をする際、「すみませんが…」とワンクッション置いてから内容を述べるのは一見、丁寧な言い回しのように聞こえるでしょう。しかし多くの人は、「すみません」はビジネスシーンにはふさわしくないと認識しています。とくに、目上の人や上司に使えば、敬意を欠いた印象になるでしょう。

相手に依頼をする際は「恐れ入りますが」「恐縮ではございますが」などのクッション言葉を使うのがベストです。「ご面倒でなければ…」と相手の都合をうかがってから、本題を述べるのも丁寧な言い回しです。

写真/Shutterstock.com

監修/マナー講師

武田るな

アパレル販売員として働いたのち、客室乗務員に転身。現在は、印象力アップのマナー講師としてサロンや企業研修などを担当。Domanistとしても活躍する1児の母。

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