観葉植物の土は入れ替えが必要
定期的に水やりをして、エアコンの風に当たらないよう置き場所に気を付けていたのに、観葉植物がどんどん弱ってしまった経験はありませんか? それは根を張っている「土」に原因があるかもしれません。植物を育てる上で、土の入れ替え作業がなぜ必要なのか解説します。
水はけが悪くなる
同じ土を長く使用していると水はけが悪くなり、土中が湿気の多い状態になることで、植物の根を腐らせたり、虫が付いたりすることがあります。
鉢に入れたばかりのころの土は、小さな石の粒が集まったような、さらさらの状態。そのため空気が入り込みやすく、根も呼吸がしやすいです。水やりすると、与えた水分が土全体に行き渡りやすく、必要のない分は鉢底から流れ出て溜まりません。
しかし、水やりを繰り返していくと、さらさらだった土はやがて粘土状に変化し、水の流れも滞りやすくなります。土の中は通気性が悪い、目が詰まっている窮屈な環境となり、根も呼吸がしにくく伸びるスペースを失います。結果的に根腐れを起こし、植物自体が枯れてしまう可能性があります。
土の性質が変化する
植物の成長のために与える肥料や土壌改良によって、土は元の性質から、酸性やアルカリ性へ徐々に変化します。植物にとって適切な性質は品種によって異なりますが、例えば弱酸性を好む植物に対して、アルカリ性に変化してしまった土を使い続けていると、元気に育たなくなる場合があります。
植え付けのときには、その植物に適した性質は何かを把握し、植え付ける植物の好む性質の土を選びます。しかしその環境はずっとは続きません。植物の様子を日々観察すると共に、場合によっては土を替える必要があります。
入れ替えのタイミングは?
植物に元気がなくなったからといって、必ずしも土が原因とは限りません。土をいじると根に傷を付けることもあるため、頻繁には行わないほうがベターです。土を入れ替えるタイミングの見極め方や、入れ替えを行うのに適した時期をご紹介します。
見極めるポイント
観葉植物の土は、前述の通り性質が変化するため、1~2年のスパンで入れ替えましょう。観葉植物には弱酸性から中性の土が多く使用されますが、使い続けると酸性に傾き、植物が成長しにくくなります。また水はけも悪くなり、植物の命の源でもある根が伸びにくくなって、成長が止まってしまうことも考えられます。
しばらく育て続けていると、初期よりも立派に大きくなった観葉植物には、鉢の大きさが足りなくなってきます。窮屈な状態だと土自体に問題がなくても成長に悪影響を及ぼしかねないため、全体の植え替え行いましょう。そのついでに土のメンテナンスも行うのがおすすめです。
まだ入れ替える時期でなかったとしても、土にカビが発生していたら、カビの付いた部分の土だけ入れ替えます。土の表面に白い粒を発見したら要注意です。
適した時期
土の入れ替えに適した時期は、植物の成長期間中で暖かいときです。気温が高くなり始める5月から、残暑と秋の兆しが混在する9月までが入れ替えに適しています。
寒い時期には、ほとんどの植物は成長スピードが遅くなり、再生力が弱まっています。そのような状態で根付いている土から一時的に抜かれた状態になると、株が弱り枯れてしまう可能性があります。
新しくなった土に植物自ら根を張ってもらう必要があるため、植物の状態を見ながら、成長期に土の入れ替えをしてあげましょう。
観葉植物に適した土の選び方
植物が大きくなるためには、根を太く伸ばせる環境が大切です。根付く土の環境次第で、成長度合いも変わってくるといえます。土にはさまざまな種類があり、上級者には土を自分で配合する人もいるようです。観葉植物を育てるのに適した土には、どのような特徴があるのでしょうか?
排水性に優れている土
多くの観葉植物は、弱酸性から中性で、「排水性に優れている=水はけがよい」土を好みます。水はけがよいと成長に必要な分だけの水分が残り、余分な水は流れ、根が呼吸するのに必要な空気が入りやすくなります。
また、植物は土に根を張り続けながら成長します。根が伸びていくためには、そのためのスペースが必要です。水はけのよい土は、粒状の土の間にすき間があることで、余分な水を通しやすくするだけでなく根も伸びやすくなります。
逆に水はけの悪い土の内部は窮屈な状態となっており、余分な水分が溜まって湿気がこもった状態になります。人と同じように植物にとっても、通気性が悪く湿った状態の環境は生きていくのに適さないのです。
初心者は市販の土がおすすめ
土にはたくさん種類があり、それぞれに特徴があります。1種類の土だけでは植物が育つのに必要な環境が整いにくいため、「排水性」「通気性」「保水性」に優れた土を選びブレンドするのがおすすめです。とはいえ初心者には配合する作業はハードルが高いため、市販のブレンド土を使いましょう。
市販されている観葉植物専用の土は、すでに観葉植物が成長するのに適した配合で売られています。肥料も含まれているため、新たに肥料を買う手間が省けるのもポイントです。
土を配合して作るには、時間やお金、そして技術が必要です。はじめのうちは間違いない市販の土を購入して、植物を植え育てる作業に力を注ぎましょう。育成に慣れてきたら、自分で好みの土のイメージが固まってくるはずです。そのときが来たら、自分でブレンド作業をやってみてはいかがでしょうか。