古い土を使うのはNG
もったいないから、まだ使えそうだからといって、古い土を再利用して植物を育てるのはNGです。使い古した土は、水はけが悪くなり、土中の養分は植物が吸いきっていてほとんど残っていません。
古い土はすべて処分し、新しいまっさらな土に替えるのが一番です。しかしどうしても再利用したいと思っている場合には、「土壌改良材」を使って古い土を生まれ変わらせましょう。土壌改良材は、微生物の力を借りて土中の養分を補充したり、病原菌を消毒する効果があります。
しかし、この手法では2週間ほど置かないと、新たな土として使用できません。土壌改良の作業は手間があまりかからないかもしれませんが、出来上がりまでにある程度時間が必要です。また、古い土を再利用すると、場合によっては不要なものが含まれていたり、必要な養分が不足している可能性があります。
観葉植物の土の入れ替え方法
土の入れ替えをするということは、観葉植物を丸ごと鉢から出す、つまり植物の植え替え作業をすることになります。土に入れ替えることで植物を傷つけ、枯らしてしまうことにならないよう、適切な入れ替え方法をご紹介します。
用意するもの
土の入れ替えは、いわば植物の引っ越し作業です。なるべく短時間で終えないと、根を定着できずに植物が弱ってしまいます。スムーズな作業をするために、まずは準備を万全に整えましょう。土の入れ替えに用意するものは以下の通りです。
・新しい土(市販、または植物に合わせてブレンドした培養土)
・一回り大きい新しい鉢
・鉢底に敷くネット
・鉢底に入れる石、または軽石
・ハサミ(ガーデニング用)
・手袋または軍手
・床に敷くビニールシート、新聞紙
・ジョウロ
・細い棒
・支柱(植物の背丈が1m以上の場合)
苗から植え始めた場合は、すでにある程度そろっているかもしれません。新たに購入する場合は、園芸専門店やホームセンターなどで入手することができ、最近では100円ショップでも販売されています。
観葉植物を抜き取り、根を整える
入れ替えに適した温度は15℃以上で、5~9月に作業するのがおすすめです。まず、植物を植えている鉢から抜き取る作業から始めましょう。土が濡れていると作業がしにくいため、入れ替えの7日ほど前から水やりを控え、土を乾燥させます。
観葉植物を鉢底から抜き取り、根に付いた土を手でほぐしながら落とします。このとき、繊細な根を傷つけないよう注意が必要です。もし、根の先端が黒ずんでいたり傷んでいたりしたら、ハサミでその部分だけカットします。
鉢を準備し、観葉植物を植える
根を整えたら、次は植物の新しい住まいとなる鉢の準備です。鉢底に、鉢底ネットと軽石を敷き詰め、培養土を鉢の3分の1から2分の1程度まで入れます。そこへ抜き取った観葉植物を、鉢の中央に仮置きしましょう。
根の間には土が入り込みにくいため、土を入れながら細い棒でつつき、すき間なく土に埋まるよう固定します。土の高さは、鉢の縁から4cm程度下がベストです。表面の土を整えたら、ジョウロでまんべんなく水を与えます。水やりをして土が沈んだら、少し土を足しておきましょう。
入れ替え後の管理方法
入れ替え後は、植物の根がまだ土の中で安定していません。通常と同じ管理をすると弱る可能性があるため、慎重に取り扱いましょう。風をよけられて、明るいけれど直射日光の当たらない場所でしばらく管理します。
水やりのタイミングにも気を付けましょう。入れ替え直後の根は水の吸い上げが悪い状態です。水を与えすぎると根腐れしてしまうため、土の表面が乾いたら水やりをします。新しい芽や葉が出てきたら、根が定着したサインです。いつも育てている場所へ移動し、通常の手入れに戻していきましょう。
カビや害虫が発生したときの対処方法
観葉植物を植えている土は、乾くと表面が白っぽくなります。しかし、その白っぽいものが綿のようになって現れていたら、土にカビが生えている証拠です。また害虫が発生することもあるため、それぞれの対処法を確認しておきましょう。
カビの発生原因と対処方法
原因の1つとして、鉢の設置場所が「通気性や日当たりが悪い」ということが挙げられます。風通しが悪い日陰は、湿気を好むカビが発生しやすい環境です。また、「土が常に湿っている」場合もカビにとっては好都合。頻繁な水やりによって土の表面と土中の湿気が高まると、カビが生えたり根が腐りやすくなります。
植物を元気にするために与える肥料の取り扱いにも、注意が必要です。カビは栄養分がある環境を好むため、置き型の肥料を設置しておくと、植物が養分を吸収する前に肥料にカビが生えることもあります。「肥料の与えすぎ」もカビの発生原因になるので注意です。
対策としては、カビは紫外線を嫌うため、風が通り日光が当たる窓際などに鉢を置くとよいでしょう。しかし、植物の中には直射日光に弱いものもあるため注意が必要です。カビが発生してしまったら、丸ごと土を入れ替え殺菌しましょう。
主な害虫と対処方法
観葉植物を育てる上で、害虫は付き物。土にもコバエやトビムシが発生することがあります。どちらの虫も、「土の通気性が悪い」ことが原因で繁殖します。水をやりすぎて常に土が湿っていたり、受け皿に水が溜まったままの状態で置いたりしていると、虫が顔を出し始めます。
どちらの虫も、直接観葉植物に害を与えることはありません。しかし何もしないまま増殖させては不快になるため、見つけたらすぐに対処しましょう。即効性のある対処方法は殺虫剤を散布することです。虫ごとに効果を発揮する種類が異なるため、何が効くのか調べておきましょう。
薬剤の使用をさけたい場合は、土の表面を入れ替えるだけでも効果的です。観葉植物を鉢ごと水に沈めて虫を浮かべるという手段もあります。このやり方は、水に強い観葉植物のみに有効です。
おすすめの観葉植物の土
観葉植物が根付く土は、成長にとても重要です。市販の土は、植物にとってよい環境を整えやすいよう配合されているため、育てたい植物に合うものを選んで活用しましょう。おすすめの観葉植物用の土をピックアップしました。
花ごころ「観葉植物の土」
葉の色づきがよくなる「マグネシウム」を配合した土です。元肥も入っているため、土に肥料を混ぜ込む手間がなく、買ったその日からすぐに使えます。軽く清潔な原料を使用していて、室内でも安心です。
プロトリーフ「観葉植物の土」
水はけがよいのに、必要な水分は逃さない、排水性と保水性を兼ね備えた土です。植物の初期育成を助ける栄養素も配合されています。植え付けも植え替えもこの土で対応できるため、苗から植物を育てたい初心者にはぴったりです。
・商品名:プロトリーフ「観葉植物の土」
日清ガーデンメイド「観葉植物が好きな土」
土を活性化させる「バイオ菌」が入っているのが特徴です。根腐れを起こさせにくい、保水性と通気性に優れた配合で、観葉植物が好む環境を作ります。初期育成を助ける元肥も配合されているので、初心者にも便利です。
・商品名:日清ガーデンメイド「観葉植物が好きな土」
アイリスオーヤマ「ゴールデン粒状培養土 観葉植物用」
小さな粒が集まった「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」で、土中に適度なすき間が作られ、植物が根を張りやすくなります。また排水性と通気性、保水性に優れているのも特徴です。
土が乾燥すると灰色になり、水をあげると黒色になることで、水やりのタイミングが分かりやすいのもポイントです。
・商品名:アイリスオーヤマ「ゴールデン粒状培養土 観葉植物用」
トップ画像・アイキャッチ/Shutterstock.com
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