「僭越ながら」の類語と意味、使い方の違い
「僭越ながら」とかしこまるほどでもない場面で、謙遜の気持ちを表現したい場合、類語・言い換え表現を知っておくと便利です。自分の年齢や、場の雰囲気に応じた言い回しができると素敵ですね。
「及ばずながら」「微力ながら」
「及(およ)ばずながら」「微力(びりょく)ながら」は、どちらも似た意味を持っています。「力不足かもしれませんが…」と自分の力量を謙遜した言葉です。
例:「及ばずながら、協力させていただきます」
「微力ながら、企画成功に貢献したいと思っております」
相手に協力する際、「手伝ってあげます」と大上段に構えた言い方は傲慢な印象を与えてしまいますし、そもそも成果が出ない可能性もありえます。「及ばずながら」「微力ながら」は、自分の保身と相手への思いやり、両方を備えた言葉と言えるでしょう。
▼あわせて読みたい
「出過ぎたことですが」
ちょっとお節介かもしれないけれど、やはり言っておきたい…!そんなときは「出過ぎたことですが」を使ってみましょう。これは、自分の行動を「生意気」で「差し出がましい」こととへりくだりつつ、それでも伝えたいというニュアンスをのせた言い回しです。
例:「出すぎたことを申しますが、〇〇したほうがよいかと存じます」
「出過ぎた真似をいたしました。お許しください」
「お言葉ですが」「失礼を承知のうえで」
目上の人に指摘や反論をするときに使います。いきなり反論や指摘を始めるのではなく、「お言葉ですが」などと一言添えてワンクッションおくことで、お互いに冷静な議論ができるでしょう。
例:「お言葉ですが、私としては賛成しかねます」
「失礼を承知のうえで申しますが、そのお考えには納得しかねます」
「僭越ながら」を英語で表現すると
「僭越ながら」を英語にすると、どんな表現になるのでしょうか。英語では謙遜の表現は多くありませんが、「出過ぎたことを申し上げる」の心持ちを取り入れるなら、「step out of line」(一線を踏み越える)を使ってみるのも手。
また乾杯の音頭などの機会を与えられたときには、「Thank you for…」(~に感謝します)がふさわしいでしょう。
例:I’m sorry if I’ve stepped out of line, but I think …
(僭越ながら、私が思うに…)例:Thank you so much for giving me this opportunity to give a presentation today.
(僭越ながら、本日はプレゼンテーションをする機会を頂戴し感謝いたします)
「僭越ながら」の使い方をマスターして印象良く!
乾杯やスピーチ冒頭の、常套句のように思われがちな「僭越ながら」。意外に微妙なニュアンスがのった言葉でしたね。とはいえ、立場や文脈にぴったり合った場面で使えると非常に感じのよい印象を与える表現であり、反論や逆説などを切り出しやすくなる一面もあります。うまく使いこなして、スムーズな人間関係構築の一助にしてくださいね。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい