「僭越ながら」の類語と使い方の違い
ここからは「僭越ながら」の類語を見ていきましょう。状況や相手に応じて、「僭越ながら」以外の表現を使い分けるといいですね。
「及ばずながら」「微力ながら」
「及(およ)ばずながら」「微力(びりょく)ながら」は、どちらも似た意味を持つ言葉。「私では力不足かもしれませんが…」と謙遜のニュアンスを含みます。
例文
「及ばずながら、協力させていただきます」
「微力ながら、企画成功に貢献したいと思っております」
たとえば、依頼をされて協力する場合などに、「手伝います」と挨拶すると、傲慢だと受け取られるかもしれません。その際は、「及ばずながら」「微力ながら」をつけて挨拶するといいでしょう。
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「出過ぎたことですが」
「お節介かもしれないけれど、やはり言っておきたい」と思うような場合は、「出過ぎたことですが」を使ってみてください。この言葉は、差し出がましいと知りつつも意見を言うという気持ちを表すのに適しています。
例文
「出過ぎたことを申しますが、〇〇したほうがよいかと存じます」
「お言葉ですが」「失礼を承知のうえで」
目上の人に対して、指摘や反論をするときに用いる言葉です。いきなり指摘するのではなく、「お言葉ですが」と一言添えると、ワンクッションおくことになり、お互いに冷静な議論ができるでしょう。
例文
「お言葉ですが、私としては賛成しかねます」
「失礼を承知のうえで申しますが、そのお考えには納得しかねます」
「恐縮ですが」
相手に質問や依頼をする場合に、申し訳なく思ってへりくだるさまを表す言い回しです。相手が忙しいときに依頼をする場合や、手間がかかるとわかっているがお願いをしないといけない場合などに用いるといいですね。
例文
「たいへんお忙しいなか恐縮ですが、ご対応よろしくお願いいたします」
「僭越ながら」を英語で表現すると
「僭越ながら」の英語表現を見ていきましょう。英語にすると、どんな表現になるのでしょうか?

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「step out of line」「Thank you for…」
「僭越ながら」を英語に言い換える場合、「It would be presumptuous of me to say, but.〜」を使うといいでしょう。「presumptuous」には、「差し出がましい」という意味があります。
また乾杯の音頭などの機会を与えられたときには、「Thank you for…」(~に感謝します)がふさわしいでしょう。
例文
Thank you so much for giving me this opportunity to give a presentation today.
(僭越ながら、本日はプレゼンテーションをする機会を頂戴し感謝いたします)
よくある質問
ここでは、ビジネスシーンにおける「僭越ながら」に関する質問を紹介していきます。
Q. 「僭越ながら」は失礼ですか?
状況や相手を見極めれば、決して失礼になる表現ではありません。例えば、目上の人へ自分の意見や提案をする時、一歩引いた姿勢で発言する時などに使用すれば、相手への敬意を示すことができます。ただし、自分の当然の業務や役割について述べる時に使用するとかえって失礼な印象を与えかねません。
Q. 「僭越ながら」のより柔らかい表現は?
「恐縮ですが」「恐れ入りますが」「差し出がましいようですが」「おこがましいようですが」などの表現に言い換えると、より柔らかい印象を与えられます。
Q. 「不躾ながら」の意味は?
「不躾ながら(ぶしつけながら)」には、「無礼を承知の上で申し上げますが」「大変失礼ながら」といった意味があります。相手に対して遠慮や配慮がない行動・言動を行う際、あらかじめ断りを入れておいて相手への敬意を示すために使用されます。
最後に
- 目上の人へ自分の意見や提案をする時、一歩引いた姿勢で発言する時などに使用する
- より柔らかい表現は「恐縮ですが」「恐れ入りますが」「差し出がましいようですが」
- 自分の当然の業務や役割について述べる時に使用すると失礼な印象を与えかねない
今回は「僭越ながら」について、意味や使い方、類語を紹介しました。「僭越ながら」は目上の人へ意見や提案を行う時や立場を越えて発言する必要がある時に使用すると、相手へ敬意を示すことができます。ただし、自分の当然の業務や役割について述べる時に使用するなど、謙遜が必要ない場面で使うと悪い印象を与えるおそれがあります。状況に応じて他の表現に言い換えるなどして、使いこなしたいですね。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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