「お大事になさってください」へのベストな返事
相手から「お大事になさってください」といわれたときは、どのような返事がよいでしょうか。一般的によく使われるのが「お心遣いに感謝いたします」や「お気遣いいただき、ありがとうございます」です。
仕事などで相手に迷惑をかける場合は、「お気遣いをありがとうございます。ご迷惑をおかけします」といった表現がよいでしょう。病院であれば、「ありがとうございます。お世話になりました」で大丈夫です。
「お大事になさってください」の英語表現
外国人といっしょに働く機会も増え、外国人が上司という人も少なくないでしょう。「お大事になさってください」の英語表現も、ビジネスマナーとして覚えておきましょう。
・Please take care of yourself.
・I hope you will get well soon.
・Get well soon.
「take care of」は、「面倒を見る」や「世話をする」という意味で、直訳すると「自分の身体の面倒を見てください」ですが、「お大事に」の定番表現のひとつです。友達や家族であれば、「take care」だけでも構いません。
「take care」は「気をつけて」という意味もあり、「気をつけていってらっしゃい」という意味で使うことも多い表現です。英語を使う環境であれば、覚えておくべき表現でしょう。
「お大事になさってください」を言い換えると?
日本語には、相手を気遣う温かい表現が数多くあります。使ったことのない表現も少しずつ身につけて、バリエーションを増やしながらシーンにぴったりな表現を使えるようになりましょう。
「ご自愛ください」はビジネスメールの文末に
「ご自愛ください」の「自愛」は、「自分の身体を大切にすること」「自分の健康に気をつけること」を意味します。「ご〜ください」は、相手になにかお願いするときの定型句です。「ご連絡ください」や「ご報告ください」と同じですね。
「ご自愛ください」は年齢や立場を問わず、誰に対しても使えるとても便利な言葉です。ただし口語で使うのではなく、メールの末尾に相手やその家族を気遣う結びの言葉として記します。親しい友達や身内への手紙やメール、また上司や年上の人に対しての手紙やメール、いずれにしても使える万能さが特徴です。
「ご自愛ください」は「身体に気をつけて健康でいてくださいね」という意味のため、すでに身体をこわし入院している人や事故で怪我を負っている人などには適しません。また「自愛」には「身体」という意味がすでに含まれており、「お身体をご自愛ください」は重複表現となり間違いです。よくやりがちな間違いのため、普段から気をつけましょう。
「ご自愛ください」の例文は次のとおりです。
【例文】
・時節柄ご自愛ください。
・寒さが厳しくなってきましたので、お風邪など召されませんようご自愛ください。
・大事に至りませんよう、どうぞご自愛ください。
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「養生なさってください」は欠席している人に
「養生なさってください」の「養生する」は、「生活に留意して健康でいること」や「保養」を意味します。病気や怪我で学校や会社を休んでいる人に、お見舞いのフレーズとして適しているでしょう。年齢や立場を問わず、誰に対しても使える表現です。
「養生なさってください」は、次のように使います。
【例文】
・こちらのことは気になさらず、養生なさってください。
・お身体の具合が悪いとお伺いしました。しっかりと養生なさってください。
・しっかりと養生なさって、1日も早いご回復をお祈り申し上げます。
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「お労りください」は別な表現として
「お労りください」も「お身体を大事にしてください」という気遣いの表現のひとつです。「労る」は「気にかけること」という意味で、よく休み回復することに専念してくださいという意味合いが強くなります。手紙やメールの末尾に記す、お見舞いのフレーズとしてもぴったりです。
「お労りください」の例文は次のとおりです。
【例文】
・お疲れのご様子ですね。今日は早めに帰られて、お身体をお労りください。
・会社を休まれているとお伺いしました。どうぞお労りください。
「おいといください」はメールや手紙の最後に
「おいといください」も、お見舞いのフレーズとしてふさわしい表現のひとつです。この言葉も年齢や立場を問わず誰に対しても使えます。ただあまり聞き慣れない言葉のため、お見舞いのメッセージとしては「ご自愛ください」のほうがポピュラーでしょう。とはいえ、ひとつでも表現の引き出しを増やすことに損はなく、機会があればぜひ使ってみましょう。
「おいといください」の例文を次に2つ挙げましょう。
【例文】
・忙しい時分ですから、どうぞお身体をおいといください。
・厳しい寒さが続いておりますので、くれぐれもお身体をおいといくださいませ。
「静養なさってください」はお見舞いのときに
「静養なさってください」の「静養」は、「心身を静かに休めて健康回復をはかること」という意味です。「静養なさってください」は、「心身を静かに休めて元気になってくださいね」という気持ちが込もった表現です。お見舞いのときに使える、定番表現のひとつといえるでしょう。同僚に対してであれば、「仕事は気にせずゆっくり休んでください」という意味も含まれています。
「静養なさってください」の例文は次のとおりです。
【例文】
・先月からのお疲れが溜まっていたのでしょう。無理をなさらず、十分に静養なさってください。
・こちらの仕事はお任せていただいて、しっかりと静養なさってください。
さまざまな気遣いの言葉を身につけよう
日本には、相手のことを気遣う言葉が数多くあります。そのなかには、上司や目上の人に対しては失礼になるものもあり注意が必要です。とはいえ、相手のことを想う気持ちが込もった言葉は、素直に相手に伝わるもの。
きちんとした意味を学び、間違えないように使うことは大切ですが、「早く元気になってくださいね」という気持ちを伝えることが一番です。そのときどきのシーンに合わせて、正しい言葉を心を込めて伝えられるようにしましょう。
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