4:「どうかお気遣いのないよう、お願いいたします」
「お気遣いなさらないでください」は「気を使わないでください、心配しないでください」という意味で、よく「お気遣いなく」という表現をすることがあります。しかし、目上の人に対して「お気遣いなく」だけだと失礼だとされているので注意しましょう。
「お気遣い」と「お心遣い」の違いは?
「お気遣い」と似た言葉で、「お心遣い」という言葉もよく使われています。どちらも同じような意味ですが、少しだけニュアンスが違うのをご存知ですか?
「お気遣い」は、相手が気を使って、意識的になされた行為や発言。「お心遣い」は、心を配った、思いやりのある行為や発言といったニュアンスで使われます。この微妙なニュアンスの違いを、使いこなす事ができれば、より良いコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。
類語にはどのようなものがある?
「お気遣いいただき」はよく使われる言葉ですが、毎回同じ言葉を使うと、ワンパターンとなって儀礼的な印象を与えてしまうかもしれません。では「お気遣い」と同じように、相手の気遣いを表す言葉をいくつかご紹介します。場面ごとに使い分けることができれば、より感謝の気持ちが伝わると思いますよ。
「ご配慮」
「ご配慮」(ごはいりょ)は心を配ること、心づかいを意味し、社内外に使える言葉です。
(例文)
・ご配慮いただきありがとうございます
・ご配慮に感謝申し上げます
「ご厚情」
「ご厚情」(ごこうじょう)は厚いなさけ、心からの深い思いやりの気持ちを意味します。ビジネスシーンで、目上の人や上司、取引先の人に使うことができますが、基本的には日常会話では使われることはありません。かしこまったスピーチやメールの定型文として使われます。
(例文)
・〇〇様のご厚情痛み入ります
・一方ならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます
「ご高配」
「ご高配」(ごこうはい)は、他人を敬って、その心くばりを意味します。「ご高配」を使う時は少し注意が必要! 「ご高配」はとても格式張った表現なので、社内の人に対しては使いません。主に社外に向けて使われる表現ですが、日頃よりの心配りを意味することから、取引先であっても、関係性のあまりない人には適さない表現です。
(例文)
・格別なご高配を賜り心より感謝申し上げます
・格別なご高配をいただき誠にありがとうございます
英語表現とは?
WEB Domani読者の中には、ビジネスシーンで海外とやり取りする方も多いのではないでしょうか。では、敬語のない英語で、丁寧に「お気遣いいただき、ありがとうございます」はどう言うのでしょう?
あなたの思いに感謝します。といった意味の「Thank you for your consideration.」この「consideration」には、考慮、思いやりといった意味があります。
そして、より感謝の気持ちを伝えたい場合は、「I appreciate your concern.」と伝えましょう。「concern」も気遣いや懸念といった意味があり、「Thank you 〜」よりも「I appreciate〜」の方が、感謝の意味合いが強い表現になります。
最後に
「お気遣いいただき」などのように、言葉の中には相手を敬い、大切に思う表現がたくさんあります。たくさんある言葉の中から場面にあわせて、ふさわしい言葉を選び、相手に贈ることこそが「気遣い」なのではないでしょうか。是非、ビジネスシーンで心のこもった、お礼や挨拶にお役立て下さい。
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