「起きた問題に、各自善処してください」
「起きた問題について、各自適切に対応してください」という意味。「~してください」と断定的な言い回しをしているので、同等の立場の人や部下に対して使う表現です。目上の方へは「今回の問題につきまして、ご善処のほどよろしくお願いいたします」と丁寧な言い回しをしましょう。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
つぎに、類語・言い換え表現にはどのような言葉があるのかを見ていきましょう。
対応
対応は、「周囲の状況に合わせて事をすること」「ある事態を状況に応じて、適切に判断し処理すること」。「善処」とは違い、「対応」には曖昧なニュアンスはありません。物事の改善や進展のために行動することを意味します。
例文
・早急に対応いただきますよう、お願い申し上げます。
対処
対処は、「ある事柄・状況に合わせて適当な処置をとること」。曖昧なニュアンスを含まず、必ず行動が伴う表現です。より状況に適した処置をする時に使われます。
例文
・この問題につきまして、早急に対処いたします。
お取り計らい
「取り計らう」の名詞化・敬語表現で、「物事がうまく運ぶように考えて処理をする」という意味。お礼やお願いに使うのが一般的です。
例文
・会議の開催について、お取り計らいいただき誠にありがとうございました。
・お忙しい中恐れ入りますが、お取り計らいの程よろしくお願い申し上げます。
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「善処」の対義語は?
「善処」と反対の意味を持つ言葉には、「放置」「おざなり」があります。それぞれどのような対応を指すのかみていきましょう。
放置
「放置(ほうち)」の意味は以下の通りです。
[名](スル)そのままにしてほうっておくこと。所かまわず置きっぱなしにしておくこと。「問題を未解決のままに―する」「―自転車」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
すぐに対処せずに、そのまま放っておくことは、「善処」とは程遠い対応ですよね。やるべきことをやらずにそのままにしておくと、信頼を損なうことにもつながるでしょう。
例文
・弟は、夏休みに課題をやらずにしばらく放置していた。
・電気代の支払いを放置していたら、部屋の電気を止められてしまった。
おざなり
「おざなり」の意味は以下の通りです。
[名・形動]いいかげんに物事をすませること。その場だけの間に合わせ。また、そのさま。「―を言う」「―な処置をする」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
いいかげんな対応をしたり、やりっぱなしでそのままにしていることを「おざなり」と言います。うわべだけ綺麗な言葉を並べ立てて、誠意が感じられず、行動が伴わないことが多いですね。
例文
・レストランで、店員におざなりな対応をされて腹が立った。
・あまりにおざなりな対応をされたので、クレームを言った。
「善処します」の英語表現は?
「善処します」を英語で表現したい場合、「~を処理する」という意味の「deal with~」、「~を対処する」という意味の「cope with」を使って表現することができます。
・We will cope with that.
その件につきましては、善処いたします
・Could you please deal with that quickly?
その件について、早急に善処していただけますか?
または、「I will do my best.(できるだけ善処します)」とするのも手です。なお日本では「No」という返事を濁したい時にも「善処します」を使いますが、これは海外の方にはわかりくい表現かもしれません。トラブルを避けるためにも確実にできない依頼には、はっきりと出来ないことを伝えましょう。
最後に
「善処します」は、「No」とハッキリ言いにくい時や、明言を避けたい時にとても便利な表現です。反対に「善処します」と言われた時は、期待した返事がもらえないかもしれない可能性も。言葉の背景にどのような心理があるのか、想像する必要がある言葉と言えますね。
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