周囲の共感や理解を得られる
表現力がある人は、周囲の人から共感や理解が得られやすいでしょう。
反対に、表現力のない人は本心が伝わりにくく、相手を不安にさせたり、誤解が生じてしまうことも…。自分のことを相手に正しく理解してもらえないため、会社やプライベートの人間関係でも、意図せず評価や立場が下がってしまう可能性もあるでしょう。
十分な表現力があれば、考えや思いを相手にしっかり伝えられるので、自分のことを理解してもらいやすくなります。相手からも共感や理解を得られ、お互いが分かり合えれば、信頼関係も構築できるでしょう。
ストレスへの対処がしやすくなる
仕事で抱えがちなストレスも、表現力があれば対処しやすくなります。適切に自己表現をすることで、自分の内なる感情が解放できるのです。
自分の気持ちや考えを他人から共感してもらえると、承認欲求が満たされます。ずっと自分だけで抱え込んでいたことを、誰かが知ってくれたことによって肩の荷が下り、健全なストレス発散になるでしょう。
豊かな表現力で自分の気持ちを言語化できる人ほど、感情的になり過ぎることがなく、ストレスを上手に対処できます。
仕事以外での表現力を高めるメリット
表現力は仕事だけでなく、私生活にも大きなメリットをもたらします。40代を迎えた女性にとっては、家庭や友人関係、さらには趣味や自己表現にも豊かさを加えてくれるスキルです。
家族や友人との関係が深まる
表現力があると、家族や友人とのコミュニケーションが深まります。自分の感情や考えがスムーズに伝わるため、共感も得やすいでしょう。家族や友人と心が通じ合えば、自然と信頼関係も強固になりますね。
ストレス発散がしやすくなる
適切に感情を表現できると、心にたまった感情を健康的に発散できます。たとえば、辛いことや悩みを家族や友人に正直に打ち明けるだけで、気持ちが楽になることが多いものです。表現力を高めることで、心のケアもしやすくなり、メンタルヘルスの向上にもつながります。
趣味や創作活動が充実する
表現力が高まると、自分の内面や感情を趣味や創作活動を通じてより豊かに表現できるようになります。たとえば、日記やブログを通じて日々の出来事や感情を表現するのもいいでしょう。こうした活動は、心の整理にもつながり、自己理解を深める一助となります。
表現力を鍛える方法
次に、表現力を具体的に鍛えるための方法を紹介します。これらを日常生活に取り入れることで、少しずつ表現力を磨くことができるでしょう。
良質な本を読み語彙力を鍛える
表現力は、質のいい本をたくさん読み、語彙力を豊かにすることで向上します。特に、同じ内容でも多様な表現ができるようになると、感情や考えにぴったりの言葉を使えるようになります。語彙力が上がると話の幅が広がり、話すこと自体がより楽しくなるでしょう。今のベストセラーもいいですが、古典と言われる作品に触れてみることで、現代では新鮮に思える表現にも出会うことができます。
日頃から文章を書くようにする
日常的に文章を書くことも、表現力を鍛えるうえで効果的です。ニュース記事について自分の考えを書いたり、日々の出来事をまとめたりすることで、思考が整理され、適切な言葉を選ぶ力が鍛えられます。言葉をアウトプットする習慣を持つことで、「この出来事について、自分はどのように思うのか」が明確化され、自分自身を見つめ直す事にもつながり、よりスムーズな表現ができるようになります。
五感を磨いて感性を刺激する
表現力を伸ばす上で、五感を磨き、感性を刺激することも効果的です。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のすべての感覚を指します。
何かを表現するには、そもそも自分の中に「表現したいもの」を持っていなければなりません。そのためには、わくわくするような新しい経験や、切なさを感じる出来事など、心を動かすことが重要。さまざまな経験の中で五感を使うことで感性も刺激されます。
たとえば、旅先や美術館で美しいものに触れる、新しいアクティビティに挑戦する、映画鑑賞や読書などをすることで、五感が磨かれるでしょう。なかなか趣味が見つけられない人は、五感が豊かになる趣味から始めてみてはいかがでしょうか。
人との対話を増やす
表現力を鍛えるには、人と対話する機会を増やしましょう。素晴らしい表現力があっても、それをどこかで披露しなければ、宝の持ち腐れです。まずは、人と対話する機会を作り、思ったことを口にする習慣を身につけましょう。家族や友達とテーマを設けて会話をしたり、テーマが決まっているセミナーやワークショップなどに参加したりするのもいい手段です。
もし批判をされたとしても前向きにとらえて、「なぜ批判されたのか?」を考えるのもトレーニングになります。失敗を恐れず、自信を持って意見をどんどん口にすることで、表現することに慣れていくでしょう。
鏡の前で練習する
自分の表情やジェスチャーを確認するために、鏡の前で話す練習も効果的です。話しているときの自分の姿勢や表情を観察することで、他者から見られたときの印象を意識できるようになります。こうした練習を重ねることで、自分の表現がより豊かになっていくでしょう。
多様な表現に触れる
映画や演劇など、さまざまな表現方法を学ぶのもおすすめです。感情表現が豊かな俳優や、説得力のあるスピーカーの話し方を観察し、自分の表現スタイルに取り入れることで、表現力の幅を広げられます。
フィードバックをもらう
表現力を磨くには、周囲からのフィードバックが欠かせません。友人や同僚に自分の話し方や表情について意見をもらうことで、新たな視点からの気づきが得られ、改善点を具体的に見つけられるでしょう。
最後に
表現力は、仕事やプライベートで自分の考えをしっかり伝え、周囲との信頼関係を築くための重要なスキルです。日常的な練習を通じて少しずつ鍛えることで、表現力は確実に向上していきます。あなたも今日から、身近なところから表現力を意識し、円滑なコミュニケーションを目指しましょう。
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監修
キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
X:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン