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2024.05.02

「断腸の思い」とは?由来や使えるシーンと類語を解説

 

断腸の思い

「断腸の思い」で決断する

「断腸の思い」は、何かを決断することが非常につらい場合によく用いられます。例文は以下の通りです。

・引っ越した部屋は狭くて物が置けず、【断腸の思い】で愛用していた家具を捨てる決断をした
・海外転勤を命じられたが家族を残して行くことが難しく、【断腸の思い】で退職を決断した
・業績不振を回復できず、【断腸の思い】で廃業を決断した
・我が社は【断腸の思い】でA社との合併を決断した

「断腸の思い」で諦める

とても苦しい思いで何かを諦めたときも、「断腸の思い」という表現が使われます。例文を見てみましょう。

・足の怪我が回復せず、【断腸の思い】で試合に出るのを諦めた
・何があっても購入したい物件だったが、予算が下りず【断腸の思い】で諦めた
・【断腸の思い】で契約を諦めたが、やはり後悔は残る

「断腸の思い」で別れる

誰かと別れる場面は非常につらく悲しいため、「断腸の思い」という表現がよく使われます。例文は次の通りです。

・10年付き合った彼女と別れるのは【断腸の思い】だった
・転勤のために家族と別れて暮らすのは【断腸の思い】だ
・【断腸の思い】で彼と別れる決意をしたが、まだ諦めがついていない

「断腸の思い」の類語

「断腸の思い」には、同じようにつらく悲しいという感情を表現する類語があります。主な類語としてあげられるのは「苦渋の」「身を切る」「胸が張り裂けそうな」といった表現です。会話や文章の内容に応じて、使い分けてみるとよいでしょう。

ここでは、それぞれの使い方と例文を紹介します。つらい思いを表現する際は参考にしてみてください。

断腸の思い

苦渋の

「苦渋の」には次のような意味があり、主に「苦渋の決断」という形で使われます。

【苦渋】
[名・形動]
1 にがくてしぶいこと。
2 苦しみ悩むこと。また、そのさま。「苦渋を味わう」「苦渋の色を浮かべる」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「苦渋の」を使った例文を見てみましょう。

・2社の内定をもらい、どちらを選ぶか【苦渋の】決断を迫られている
・【苦渋の】決断により、B社との取引を打ち切ることに決定した

「断腸の思い」と同じく苦しい思いを表す言葉ですが、苦しみやつらさの度合いは「断腸の思い」の方が強いといえるでしょう。

身を切る

「身を切る」の意味は、次の通りです。

【身を切る】
1 つらさや寒さが厳しく、からだを切るように感じられる。「―・るような寒さ」「議員自らが―・る姿勢を示す」「―・る改革」
2 自分の金で払う。身銭を切る。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「断腸の思い」と同じく、体が切られるほどつらく苦しい思いという意味です。「身を切る寒さ」というように、感情だけでなく身体の感覚にも使われる点が「断腸の思い」とは異なります。「身を切る」の例文は以下の通りです。

・彼女は【身を切る】ような思いで、親と離れて暮らす決意をした
・ローンが払えなくなり、【身を切る】決断で家を売却した

胸が張り裂けそうな

「胸が張り裂けそうな」という言葉は、文字通り胸が張り裂けるほどつらく悲しいということを表しています。「断腸の思い」や「身を切る」と同じく身体の一部を比喩的に使っているのが特徴で、非常につらく悲しい気持ちを表現した言葉です。

「胸が張り裂けそうな」の例文を見てみましょう。

・子供が病気で苦しんでいる様子を見ると、【胸が張り裂けそう】になる
・社長が退任されることを知り、【胸が張り裂ける】思いだ

「胸」に関わる言葉にはこれ以外にも、「胸がつまる」「胸が締め付けられる」「胸がえぐられる」「胸がかきむしられる」といった表現があります。状況に応じて使い分けるとよいでしょう。

忸怩たる

じく‐じ〔ヂクヂ〕【×忸×怩】
[名](スル)深く恥じ入ること。
[ト・タル][文][形動タリ]深く恥じ入るさま。「—として非礼を謝す」「内心—たる思い」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「忸怩」は「深く恥じ入ること」を表す言葉で、基本的には「忸怩たる思い」という言い回しで使われます。「忸怩たる思い」は、自分自身の言動に対して「恥ずかしく思う気持ち」「ふがいなく思う気持ち」「申し訳なく感じる気持ち」「自責の念」を表現する言い回しです。

・あの頃の恩をようやく返せると思った矢先に永遠の別れになってしまい、【忸怩たる】思いだ

やるせない

やるせ‐な・い【▽遣る瀬無い】
[形][文]やるせな・し[ク]
1 思いを晴らすすべがない。せつない。「恋を失った—・い思い」
2 施すすべがない。どうしようもない。
3 気持ちに余裕がない。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「やるせない」とは、何をしてよいか分からないこと、また、その気持ちを指す言葉です。感情は高まっているものの、どう表現して良いか分からないとき、あるいは、何をしても無駄だろうと思い手をこまねいているときや、気持ちに余裕がないときなどに用います。

・彼女が時折見せる【遣る瀬無い表情】は、夢を諦めたことから来ているのだろうか。
・あれだけ毎日練習をしたのに、風邪をひいてしまい、出場することすらかないませんでした。今まで積み重ねた練習を思うと、【遣る瀬無さを感じます】。

やり場がない

やり‐ば【▽遣り場】
やるべき場所。持っていく所。「目の—に困る」「不平不満の—がない」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

何をしてよいかわからない気持ちを「やり場がない」と表現することもあります。この場合の「やり場」とは、気持ちを持っていくべき場所を指しているので、気持ちをどう整理して良いかわからないときに適した表現といえるでしょう。

【やり場がない】気持ちを抱えて、彼女は年末年始を過ごした。

悲痛な

ひ‐つう【悲痛】
[名・形動]あまりに悲しくて心が痛むこと。また、そのさま。「—な面持ち」「—な叫び」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「悲痛」は「あまりに悲しくて心が痛むこと」を表す言葉です。「悲痛な面持ち」「悲痛な叫び」など、このうえもなく悲しく痛ましい様子を表現することができます。

・彼女が突然亡くなったと聞いて、彼は【悲痛な】面持ちだった

忍び難い

しのび‐がた・い【忍び難い】
[形][文]しのびがた・し[ク]がまんしたり耐えしのんだりすることができない。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「忍び難い」は「我慢できない」「耐え難い」状態を表現するフレーズです。感情的な状況だけでなく、物理的な苦痛を表現する際にも使うことができます。

・座視するには【忍び難い】ものがある
・彼のことを思い出すと、胸に【忍び難い】痛みを感じる

「断腸の思い」は使う場面に注意しよう

「断腸の思い」は非常につらく苦しいことを表す言葉です。何かを決断するときや諦めるとき、別れるときなどの気持ちを表現しています。

滅多にないような苦しみを表現しているため、日常のありふれた場面で使用するのは控えた方がよいでしょう。大げさな印象を与えてしまいます。

「断腸の思い」には類語もいろいろあるので、使う場面によって使い分けてみてください。

断腸の思い

 

イラスト・写真/(C)Shutterstock.com

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