歯向かう
「歯向かう」は、「歯を剥き出して向かっていく」「反抗する。抵抗する」という意味があります。相手に対して逆らう様子が「蟷螂の斧」と共通していますね。敵対している相手や、権力を持っている人に対して反抗する時によく使われる言葉です。「ライバルに真っ向から歯向かう」「彼は上司に歯向かうことのできる勇気のある人だ」というように使います。
楯突く
「楯突く(たてつく)」とは、「目上の人に対して逆らうこと」「従わずに文句を言って反抗すること」を指します。相手に対して文句や不満を言って従わない人に対して使用されることが多いですね。「親に楯突くなんて10年早いと叱られた」「兄は会社に楯突いてリストラされた」などのように表現します。
窮鼠猫を噛む
「窮鼠猫を噛む」は、「きゅうそねこをかむ」と読みます。こちらのことわざは耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
言葉の意味は以下の通りです。
追いつめられた鼠(ねずみ)が猫にかみつくように、弱い者も追いつめられると強い者に反撃することがある。(<小学館デジタル大辞泉>より)
立場の弱いものが強いものに立ち向かう様子が「蟷螂の斧」と似ていますね。「弱いものいじめをしているなんて、いつか窮鼠猫を噛むことになるよ」というような使い方があります。
立ち向かう
「立ち向かう」を辞書で調べると、以下のような意味があります。
向かって立つ。正面から対抗する。困難な物事に対して、まっこうから取り組んで、事の処理に当たる。(<小学館デジタル大辞泉>より)
正面から対抗する様子は、「蟷螂の斧」と共通しています。先述した「歯向かう」や「楯突く」は、どちらかというと反抗的なニュアンスがありますが、「立ち向かう」には、自ら果敢にチャレンジするという前向きな意味合いが感じられますね。日常的に使いやすい表現であるといえるでしょう。
英語表現とは?
「蟷螂」は英語で、「mantis」といいます。または、「蟷螂の鎌」を人がお祈りをする姿に見立てて「praying mantis」と表現することもできます。例文は以下の通りです。
・I watched a mantis with interest(私は興味を持って蟷螂を見ました)
・She captured the mantis and took it home with him(彼女は蟷螂を捕まえて持ち帰った)
・I have never seen a mantis(私はこれまで蟷螂を見たことがありません)
・Praying mantis have a lifespan of one year(蟷螂の寿命は一年です)
最後に
「蟷螂」の読み方や特徴、類語などを紹介してきました。 「蟷螂」が俳句の季語として使われていたり、「蟷螂の斧」ということわざがあったり、「蟷螂」について新たな発見があったのではないでしょうか。「蟷螂」の成虫が見られるのは夏から秋頃にかけて。この時期に公園の花壇を覗けば、獲物に向かって「蟷螂」が斧を振っている姿が見られるかもしれませんよ。
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