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LIFESTYLE 漢字クイズ

2024.09.29

「灰汁」の正体は何? 成分や正しい取り方を解説します

植物性の「灰汁」

植物性の「灰汁」には、さまざまな成分があります。「シュウ酸」や「プタキロシド」などが含まれている食材もあります。これらの成分はいずれも強いえぐ味を出すものです。

「シュウ酸」はホウレンソウやタケノコ、ルバーブなどの野菜に多く含まれ、水に溶けやすいため、茹でることでその一部が茹で汁に溶け出します。シュウ酸はカルシウムや鉄と結びつき、これらの吸収を阻害する可能性がありますが、通常の摂取量では健康に影響を与えることはありません。ただし、シュウ酸を多量に摂取することは腎臓結石の原因となる可能性があります。

「プタキロシド」は長期的に摂取することで発がん性があるとされており、ワラビなどの春野菜に多く含まれていますが、灰汁抜きで焼失します。

他にも「チアミナーゼ」や「ホモゲンチジン酸」といった成分がありますが、通常の摂取量では健康に大きな影響を与えることはありません。ただし、「チアミナーゼ」はビタミンB1を分解するため、過剰摂取には注意が必要です。

「灰汁」を取る必要がある野菜

いろんな野菜がある中で、どの野菜が灰汁を取る必要があるのか、いまいち把握していない方もいらっしゃるのではないでしょうか? ここでは、灰汁を取る必要がある野菜を3つピックアップしました。

ほうれん草

ほうれん草にはシュウ酸が含まれているので、灰汁抜きすることをおすすめします。シュウ酸は通常の摂取量では問題ありませんが、カルシウムや鉄の吸収を阻害するなど、健康に影響を及ぼすことがあるため、茹でるなどして灰汁をしっかり取ってください。

ほうれん草

(c) Adobe Stock

たけのこ

たけのこは、シュウ酸とえぐ味成分が多く含まれています。そのまま調理すると、独特の苦味やえぐ味が強く、食べづらくなることも…。調理前に灰汁抜きを行うことで、風味が整い、美味しく食べることができますよ。

ワラビ

春に収穫される山菜、特にワラビにはプタキロシドという成分が含まれ、これを放置すると渋みや苦味が残ります。食べにくいだけでなく、健康にも悪影響を与える可能性もあることは先述した通りです。灰汁抜きを行うことで、風味がまろやかになり、より安全に美味しく食べられるようになるでしょう。

「灰汁」を取る必要がない野菜

反対に、灰汁を取る必要がない野菜もありますので、一緒に確認していきましょう。

きゅうり

きゅうりは灰汁がほとんど出ないため、灰汁取りをする必要がありません。生で食べることが多く、手間をかけずにそのまま使えるのが便利ですよね。きゅうりは水分が豊富で、サラダや漬物などにもピッタリです。

トマト

トマトは灰汁がほとんど出ない野菜の一つで、調理時に灰汁取りの必要はありません。そのままスープやソースに使っても風味を損なうことがなく、むしろトマトの旨味が料理を引き立ててくれます。時間をかけずにさまざまな料理に活用できるのが嬉しいですね。

レタス

レタスも灰汁が少なく、特に灰汁取りを必要としない野菜です。サラダなどで生食されることが多いため、手間をかけずにそのまま使えるのが大きな利点です。シャキシャキとした食感やさっぱりとした味わいを楽しみましょう。

効果的な「灰汁」の取り方は?

「灰汁」取りは、料理のなかでは面倒に感じる方が多い作業です。一度とっても、また後から出てくる場合もあり、ついつい完璧に取り除こうとすると、時間ばかりかかってしまいますよね。

そこでここでは、動物性と植物性、それぞれの効果率的な「灰汁」取りの方法を紹介します。ぜひ参考にして、簡単に手早く「灰汁」取りをしてください。

動物性の「灰汁」の取り方

動物性の「灰汁」を取り除く際は、鍋の表面に浮いたものをまとめて取ってしまうと効率がいいです。このとき、少しずつ何度も取り除くのではなく、できる限り一回で取り除きたいですよね。そこで、「灰汁」がでてきたタイミングで、強火にしてみましょう

煮汁が一気に沸くことで、「灰汁」は中央に集まります。集まりきったタイミングで、まとめて取り除いてしまえば、一回で「灰汁」取りが完了するでしょう。

植物性の「灰汁」の取り方

植物性の「灰汁」を取る方法は、ゆでる以外にも以下のようなものあります。

・水にさらす
・酢水を使う
・重曹を使う

植物性の「灰汁」は、その多くが水に溶けやすいという性質をもっています。そのため、食材を切り、3〜5分水にさらすだけで「灰汁」取りが可能です。ジャガイモやナス、さつまいもといった、空気に触れると変色する野菜はこの方法がおすすめ。白い野菜などは、水に酢を加えましょう。

ワラビなどの山菜類は、茹でる・水に浸けるだけでは「灰汁」が取れません。ワラビは、重曹を溶かしたぬるま湯に1晩浸けておくことで、完全に「灰汁」をとることができます。

「灰汁」取りに便利なグッズは?

お玉などですくう方法でも、「灰汁」はとれます。しかし、もっと手早く完璧に「灰汁」を取りたいときは、便利グッズを使ってみましょう。ここでは「灰汁」取りを、より簡単にするグッズを、多くの家庭にあるものと、専用グッズとして販売されているものとに分けて解説します。

アルミホイル

(c) Adobe Stock

家にあるもので「灰汁」取りをする

もともと家にあるもので、簡単に「灰汁」取りをしたい場合は、以下のようなグッズを活用してください。

・メッシュのおたま
・アルミホイル
・キッチンペーパー

メッシュのおたまは、通常のおたまと同様、すくうときに使いましょう。煮汁を避けて「灰汁」だけを取り除けます。アルミホイルは一度丸めて、表面に凹凸をつくったのち、広げて鍋の表面にかぶせます。「灰汁」が勝手にくっついてくれるので手軽でしょう。キッチンペーパーも鍋の表面に被せて使います。

専用グッズで「灰汁」取りをする

筆のような見た目の「灰汁取りブラシ」というものも販売されています。鍋の表面をサッと撫でるだけで「灰汁」を絡め取ってくれるアイテムです。 煮汁が減ってしまう心配や、食材を煮崩れさせてしまうことなく、簡単に「灰汁」取りができます。

最後に

灰汁を取ることは、見た目や風味だけでなく、健康のためにも役立つ作業です。忙しい日々の中でも、簡単な方法で灰汁を取り除くことで、より美味しく、安心して食べられる料理を作ることができますよ。ぜひ、毎日の料理に灰汁取りのテクニックを取り入れて、より美味しく健康的な食事を楽しんでくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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