腸が煮えくり返る(はらわたがにえくりかえる)
「腸が煮えくり返る」は、強い怒りを抑えきれない様子を意味します。似た意味の言葉に「腹が立つ」がありますが、違いは怒りの強さです。
「腸が煮えくり返る」は、内部にある腸から激しい怒りがこみあげてくるさまを表しています。一方、「腹が立つ」は腹という表面上を指すことから、「腸が煮えくり返る」に比べると怒りが弱いと分かります。
このように、激しい怒りを感じたときに使う言葉であるため、「業腹」の類義語といえるでしょう。具体的な例文は、以下の通りです。
【例文】
・部活でみんなが頑張っているのにサボっている彼を見ると、【腸が煮えくり返る】思いだ。
・冷静に話をしていたが、きっと社長は【腸が煮えくり返る】思いだったはずだ。
・兄の言い分には【腸が煮えくり返る】。
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「業腹」における3つの英語表現
「業腹」を英語で表現する単語には、次の3つが挙げられます。
・ENRAGED
・SPITE
・RESENTMENT
外国の友人や取引先とのやりとりのなかで、英語でどのように業腹を表現するのかを知っておくと、コミュニケーションの幅が広がるでしょう。ここでは、「業腹」の例文も踏まえて、英語表現における意味などを詳しく紹介します。
1.ENRAGED
「ENRAGED」は激怒した、腹を立てたという意味の形容詞です。強い怒りを指す激怒の意味を持ち、「業腹」とも同様の使い方ができます。
人に腹を立てているのであれば「ENRAGED with ~」、ものや状況に腹を立てているのであれば「ENRAGED at ~」と表現します。具体的な例文は、以下の通りです。
【例文】
・My brother was ENRAGED at their treacherous behavior. (私の兄は彼らの裏切り行為に対して非常に腹を立てた)
・She was ENRAGED with us. (彼女は我々に対して非常に腹を立てた)
2.SPITE
「SPITE」は、意地悪や悪意のあるという意味を持ちます。また、人への恨みやいじめといった意味も持ち合わせており、さまざまな場面で使用可能です。
「腹いせに意地悪をした時」や「いじめられて恨んでいる時」などに使用される単語です。具体的な例文は、以下の通りです。
【例文】
・I’m not saying this out of SPITE.(私は意地悪で言っているわけではありません)
・Did you do it out of SPITE?(腹いせであなたはそれをしたのですか)
3.RESENTMENT
「RESENTMENT」は、憤りや腹を立てるという意味の単語です。この単語の特徴は、その場で腹を立てたというよりも長く根に持っていた怒りや鬱憤を意味しています。
そのため、長い間の気持ちをこめた「恨み」も含まれます。「業腹」とは少し違うニュアンスではありますが、よく使われる単語のため覚えておくと便利でしょう。具体的な例文は、以下の通りです。
【例文】
・There was massive RESENTMENT.(多くの人が腹を立てていた)
・I have RESENTMENT built up so I cannot sleep.(私は鬱憤がたまって寝られない)
まとめ
「業腹」は、抱えきれないくらいの強い怒りがこめられた言葉です。イライラや腹が立つだけでは表現しきれないくらい怒っているときや相手の状況を踏まえて客観的に伝えるときに使えます。
ただし、「業腹」という言葉自体あまり知られておらず、類義語である激怒や腸が煮えくり返るなどを使うこほうがより相手に伝わりやすいでしょう。また、しっかり伝える場面を理解していないと、いざ使ったときに相手の捉え方次第では誤解を招きかねません。正しい「業腹」の使い方をマスターして、適切なやりとりをしましょう。
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